闇金からの借金の返済に困ったときにとるベストな方法とは?

闇金から借金をしてしまったら、法外な金利をとられるので、ほとんどの人は返済ができなくなるようです。後で解説しますが、闇金からの借金というのは、通常の借金とは性質が異なるので、債務整理も断られることがあります。

闇金から借金をしてしまったとき、どの方法をとるのかがベストであるという答えはありません。人間関係のトラブルと一緒で、ケースバイケースであり、最適と思える方法をとっていてもうまくいかないときはあります。この記事では、闇金問題で困った人がなるべくベストに近い解決ができるように、闇金問題に関する情報を紹介したいと思います。

闇金から借金をしてしまう人とは?

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お金を借りたいと思ったら、まず一番に思いつくのが銀行です。手軽にスピーディーに借りたいなら、大手の消費者金融という選択肢も浮かんできます。闇金のような怪しい業者で望んでお金を借りようという人はいないでしょう。どのような人が闇金から借金をしてしまうのでしょうか?

多重債務者

多重債務者というのは、5社以上から借金をしている人のことを指すようです。借り入れ件数が増えるほどリスクが高まるので、多重債務者はまともな金融機関からはお金を借りられません。

ブラックリストにのっている人

ある意味で一番危険なのが、ブラックリストにのっている人です。過去に3ヶ月以上の長期延滞をした人、債務整理をした人などがブラックリストにのりますが、重大な契約違反をおかした人なので、銀行はもちろん、消費者金融の審査にも通ることは難しい状態です。

ブラックリストにのっている人は、過去に長期延滞をしたなどの失敗をおかした人なので、現在は返済能力があったりします。お金があるのに信用がない人は、闇金にとっては、格好の餌食となってしまう可能性があるので、注意が必要です。

知らずに借りてしまった人

初心者の人にありがちですが、街角でチラシなどをもらって、闇金であると知らずに借りてしまった人もいます。「審査なしで金利3.0%で100万円まで貸します」などという広告を見たら、経験のある人からしたらありえないことなので、あからさまに怪しいと思います。しかし、初心者の人はそういうもんなんだとあっさりと受け入れてしまうこともあるようです。

総量規制の影響も?

総量規制ができたおかげで、消費者金融からは年収の3分の1までしか借りられなくなりました。無職の人や、低い収入しか得ていないパートの人などは、闇金を利用していまうことが多いようです。

闇金業者の金利とは?

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闇金業者からお金を借りた場合、トイチ(10日で1割)、トサン(10日で3割)という金利をとられるようです。中にはトゴ(10日で5割)という恐ろしい金利を設定しているところもあります。

最近ではトイチというのはまだ良心的らしく、トサンとなっていることが多いようです。トサンというと、10日で3割の金利なので、年利に換算するとおよそ1080%となります。金利が高いと言われている消費者金融ですら、最高金利は年18%となっていることが多いので、年1080%という金利がいかに暴利であるか、想像に難しくありません。

具体例で考える

とはいっても、闇金から借りる金額は数万円といった少額です。数万円を借りただけの顧客を、闇金業者がいかにして人生転落へと追い込むのか、具体例で考えてみます。

闇金から10万円をトサンで借りたとします。10日で3割という金利ですから、闇金業者は10日後に3割の3万円を回収しにきます。闇金からお金を借りてしまうような人が、10日後に元本を含めた13万円を全額支払えることはほとんどありません。しかし、利息の3万円だけならなんとか払えるという人がいます。

10日ごとに利息の3万円を支払い続けるという状態が、闇金業者にとって最も理想的な状態になります。逆に、債務者にとっては、永遠に10日ごとに3万円を払い続けるという、地獄のような日々を送ることになります。

家族や親戚もターゲットになる?

闇金の恐ろしいところは、最初から自分たちのやっていることが犯罪であることをわかった上でやっているということです。それでも警察に捕まってしまうと営業を続けることができないので、警察に捕まらないギリギリのレベルで犯罪行為を行ってきます。警察に捕まらないなら、あらゆる嫌がらせをしてくるということです。

債務者が借金を返済できなくなっても、すぐに嫌がらせはしてこないことがあります。家族や親戚からお金をとれる可能性があるとふんだら、関連した別の闇金業者などからお金を借りさせて、家族や親戚からも搾り取ろうとしてきます。それ以上搾り取ることができないとふんだら、別のもっと悪質な業者からお金を借りさせて、そこで切り捨てるという方法をとります。

闇金からの嫌がらせは、電話攻撃がメインです。それでも、職場や家族に取り立ての電話が頻繁に来てしまったら、責任を感じて仕事を辞めてしまったり、精神的に追い詰められてしまう人もいます。

闇金は違法な業者です

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闇金とは、貸金業法で義務付けられている、国(内閣総理大臣)もしくは都道府県知事への登録を行わずに営業をしている貸金業者のことです。無登録で貸金業を営んだ場合には、刑罰の対象となります。

貸金業法47条によると、無登録で営業をした者は、「10年以下の懲役もしくは3000万円以下の罰金、または、これを併科」という重い刑罰が科せられます。

登録はしているが、出資法で定める年20%という上限金利に違反している貸金業者のことを、狭義の意味での闇金と呼ぶことがあります。いずれにしても、闇金は違法な業者です。

貸金業登録をするときは、必ず固定電話の番号を登録しなければなりません。「090金融」「080金融」などという言葉がありますが、携帯番号だけで営業をしている金融業者は、高い確率で闇金です。固定電話で営業しているからといって、必ずしも安心できないことにも注意しておきましょう。

闇金との契約は無効です

闇金と結んだ金銭消費貸借契約は、無効です。なぜなら、闇金から受け取ったお金は不法原因給付にあたるからです。

民法90条では、「公の秩序又は善良の風俗に反する事項を目的とする法律行為は無効とする」と定められています。違法な業者である闇金と結んだ契約は、これにより無効となります。

契約が無効となるので、利息の支払いはいっさいする必要がないということです。契約が無効となると、契約前の状態に戻すことになるので、元本については返還する必要がありそうです。

民法第708条では、「不法な原因のために給付をした者は、その給付したものの返還を請求することができない」と定められています。このことから、闇金業者は元本さえも返還を求めることができないとも考えられます。

実際、最高裁判例には、「悪質性が高い場合には、利息はもちろん、元本の返還義務もない」としたものがあります。年100%を超える暴利で借りていた場合には、元本の返済義務もないと考えられています。

しかし、最初から返済するつもりがないのにお金を借りた場合には、詐欺罪に該当する可能性があるので注意が必要です。最初から借金を踏み倒してやろうと闇金を利用することは、してはいけません。

契約を無効にするためには?

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闇金と結んだ金銭消費貸借契約が法律的には無効だとは言っても、なにもしなくてよいというわけではありません。しっかりと契約が無効であることを主張する必要があります。

個人で闇金に電話をして、「契約は無効なので返済しません」と主張しても、闇金がおとなしく引き下がることはほとんどありません。それどころか、嫌がらせがエスカレートしてしまう可能性もあります。

闇金の被害にあったらまずすること

闇金の被害にあったら、まずは警察に被害届を出すことです。なぜなら、金融庁に届け出をせずに営業していることそれ自体が重大な犯罪だからです。具体的に暴言をはかれたり、物を壊されたりしていなくても、お金を借りた相手が闇金であるとわかった時点で、警察に被害届を出すことができます。

弁護士に相談を

犯罪の被害にあったら警察に被害届を出すのが常識ですが、闇金問題では、警察に相談をしたことをきっかにして、より嫌がらせがエスカレートしてしまうこともあります。逆に、警察に相談をしたらその時点で取立てがなくなるということもあるようなので、一概にどうするのが良いかということはケースバイケースです。

多くの場合、警察に相談をしただけでは解決できませんので、弁護士にも相談をしておくことがおすすめです。しかし、闇金から借りた借金は、正規の金融機関から借りた借金とは性質が異なりますので、法律事務所によっては、依頼を受けてくれないこともあります。

近場の法律事務所で依頼を受けてくれるところが見つからなければ、インターネットを利用して、全国から闇金問題に強い弁護士や司法書士を探すことがおすすめです。闇金専門の法律事務所では、多くの場合、無料相談を実施しています。法テラスでも弁護士が相談にのってくれますが、法テラスなら何度利用をしても無料です。

お金を払ってはいけない

信用のある金融機関では、きちんと借金を返済することが、自身の社会的な信用にもつながります。しかし、相手が闇金のような違法業者である場合には、むしろお金を払ってはいけません。闇金から優良な顧客として認められてしまったら、ますます関係を切れなくなってしまうことがあります。

お金は戻ってこないの?

闇金に支払った利息は、法律的には返還をしてもらえます。しかし、法律も万能ではないので、相手が無資力だったり、お店をたたんで逃げてしまっていたら、どうしようもないことがあります。

闇金のような犯罪組織は、いつまでも同じところで営業をしていません。ある程度お金を稼いだら、お店をたたんで行方をくらましてしまいます。相手の住所がわからなければ裁判もできないので、最初からお金を支払わないことが賢明です。どうしてもお金を取り戻したい場合には、早い段階で弁護士に相談をしましょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか?闇金はとてもやっかいな存在なので、最初から関わらないのが一番です。もしも関わりをもってしまったら、早い段階で専門家に相談をしましょう。