借金返済で税金(贈与税)がかかる事も!?個人の借金は借用書を作ろう

多額の借金をしてしまい、返済に困るようになると誰かを頼りたくなりますね。その誰かは家族や親族であったり、友人であったりさまざまでしょう。

後でしっかり返すから、とりあえず今だけお金を貸してくれないか、と相談することもあるかもしれません。そして、肩代わりしてもらったお金で借金から逃れられることもあるでしょう。

これで万事解決、といいたいところですが、一つだけ気をつけなければならないポイントがあります。それは「贈与税」です。

贈与税って遺産の相続のときにだけかかってくる税金じゃないの?と思うかもしれませんが、実は個人間で多額のお金の移動があったときにも徴収される可能性があるのです。

借金の返済には成功したけれど、後から重い税金を課せられてしまった、なんてことにならないように、お金の貸し借りの際に発生しうる贈与税について詳しく知っておきましょう。

贈与税とは?

まず初めに贈与税について簡単に解説しますね。贈与税とは他者から一定以上の金銭を受け取ったときに発生する税金です。

具体的には1月1日からその年の12月31日の期間で、受け取った金額が110万円を超えると、金額に応じた贈与税がかかります

税率は受け取った金額によって変わり、最低でも10%とかなり重い税率になります。1億円を超えると40%というほぼ半分もの税率になり、大半が税金として徴収されてしまいます。

ちなみに贈与税の対象になるのはもちろんお金を受け取った人です。両者にかかるわけではありません。

贈与税は遺産相続のときにだけ発生する税金だと思われがちですが、決してそんなことはなく、普段のお金の移動も対象になります。また個人間、たとえ両親からの贈与であっても対象になります。

手渡しで渡せばバレないんじゃ?と考えるかもしれませんが、税務署は思った以上にこちらのお金の移動を把握しています。

もちろん具体的に把握しているわけではありませんが、たとえば収入が年300万円の人が住宅ローンもなしに突然5000万円の自宅を購入すれば、税務署は「この人は誰かからお金の贈与を受けたのではないか?」と疑うわけです。

そして、同じことが借金の返済についても言えるのですね。

借金の返済でも贈与税が発生する?

借金の返済に苦しんでいる人に多額のお金を援助し、そのお金で無事返済を終えることができた、この流れに何も問題はないように見えますが、借金返済のための援助が1年間で110万円を超えているならばこれは贈与とみなされ、贈与税の対象になります。

そして翌年に法律で決められた額を課税されてしまうのですね。110万円を少し超えたくらいの金額であればそこまで大した税額にはなりませんが、あまりに多額の援助を受けた場合、今度は税金に苦しめられるという笑えない状況になってしまいます。

では次に借金返済でお金を援助してもらった場合、どうすれば贈与税を回避できるのかについて解説していきますね。

贈与ではなく貸付にする

通帳を見る女性

お金を贈与すると贈与税がかかりますが、お金を貸した場合には何も税金はかかりません。そのため、少しおかしく感じるかもしれませんが、お金の援助を受ける際に親子間や友人間でお金を借りた、つまり借金をしたことにすればよいのです。

こうすれば贈与ではなく貸付になり、贈与税を回避することができます。ただ、単に「これは贈与ではありません。貸付です」と言ったところで税務署は納得しません。しっかり貸付であることの証拠を示す必要があるのです。

最もわかりやすく、貸付の根拠になりうるものが「借用書」や「金銭消費貸借契約書」です。もちろん適当なものではなく、正しい形式にのっとって作成されたものが望ましいです。作り方がよくわからない場合は弁護士に依頼するのも手です。

ただ、これだけでは貸付の根拠としては不十分だとみなされる可能性があります。以下で紹介する項目もできるだけ満たせるようにしましょう。

定期的に返済する

貸付とは簡単に言えば借金のことです。ですから、借りたものはしっかり返さなければいけませんよね。定期的に返済を行い、借金であることを税務署に印象つけることは重要です。

また、手渡しで渡すと定期的に返済していることを後から立証、申告できなくなってしまうので、支払い方法は援助を受けた相手の銀行口座に毎月一定額を振り込むなどの手段を取り、後からでも証明できる手段で返済しましょう。

返済可能額とみなされる範囲で援助を受ける

たとえば、年収が300万円の人に1億円を貸し付ける人や金融機関はあるでしょうか?これは明らかに返済が不可能な額であり、返してもらえる見込みがありませんね。

これを借金であると言い張るのは無理があるでしょう。贈与とみなされてしまう可能性が高いです。援助額は、現実的に返済していけると判断できる金額までにしておきましょう。

利息に注意!

バツ

ここまで紹介した対策を行うことにより、援助されたお金そのものに対しての贈与税は回避できるでしょう。ただ、もう一つだけ注意点があります。それは利息です。

原則的にお金の貸し借りには利子や利息が発生します。お金を貸した側は貸した金額、貸している期間に応じて利子を受け取ることができますし、お金を借りた側は同じくそれらに応じた利息を支払う必要があります。

もし、個人間の借金で利子や利息を発生させなかったり、著しく低い金利を設定していた場合、本来支払うべき利息相当額分の贈与を受けたとして、利息を支払う側に贈与税が発生する可能性があります。

非常にややこしく面倒な仕組みですが、忘れがち、かつ税務署に指摘されやすいポイントであるため注意しましょう。

ただ、よほど高額な貸し借りでなければこの部分について指摘されることはありません。というのも、ここにも年間の贈与額が110万円を超えなければOKという原則が適用されるからです。

たとえば、個人間での借金の金利を3%だと仮定した場合、3600万円程度までの借金であれば利息を支払わなくても贈与税は発生しません。

この金額までなら1年間で発生する利息は110万円を超えることはありませんから、もし利息を支払わなくても110万円以下の贈与しかされなかったとみなされ、贈与税の対象外になるのです。

今回は金利を3%と仮定しましたが、常識的な範囲内であれば何%でも問題ありません。2%でも問題はないわけです。仮定する金利が低くなればなるほど、利息なしで援助できる金額も大きくなります。

ただ、あまりに低い金利を仮定してしまうと、税務署が納得してくれなくなる可能性もあるので、あくまで常識的な範囲で留めておきましょう。

親子間で1億円の貸付をしたけれど、この貸付の金利は0.1%だから利息を支払う必要はないんだ、といった主張は通らない可能性が高い、というわけですね。

まとめ

計算

本質的には援助であっても、形式上は借金という形を取っているわけですから、それに応じた対応をとらなければなりません。

お金を援助したほうは債権者として、お金を受け取ったほうは債務者としてふるまう必要があるのですね。

といっても、そこまでガチガチになる必要はありません。ただ、援助する金額が大きくなればなるほど、税務署から目をつけられる可能性が高くなることは知っておきましょう。

もし、意図的に贈与税を回避したとみなされてしまえば、罰則として追加の税金が発生する可能性があります。脱税と同じ扱いになってしまうのですね。

もちろん、今回ご紹介した贈与税を回避する方法は違法ではありません。法律にのっとった合法な方法ですが、やり方をあやまれば違法になってしまう可能性もあります。

多額のお金を移動させる際には、慎重に対応するようにしましょうね。

また、どうしても借金を返せず、援助を受けることも難しい場合は債務整理の依頼も選択肢に入れておきましょう。