借金をスムーズに返済できる人もいれば、なかなか返済が進まずに苦しむ人もいます。ということで今回は借金の返済で苦しんでいるという方のために、借金をスムーズ減らすためのコツをご紹介したいと思います。
目次
借金をスムーズに減らす一番のコツは「借り過ぎないこと」
借金をスムーズに減らす最大のコツは「借り過ぎないこと」です。そんなのは当たり前だろう、と思われるかもしれませんが、これができていない人が結構います。
人間誰しも、初めての借金では慎重になります。いま借金地獄に陥っている人も、最初は少額の借り入れからスタートしたはずです。
しかし、借金に慣れてくると感覚が麻痺して、キャッシングやカードローンの限度額をそのまま自分の自分の預金だと勘違いしてしまうことがあります。この感覚を持つようになってしまうと非常に危険です。
ATMから出てくるお金は紛れも無く借金なのに、それを預金と認識してしまうといく返済しても元本が減らない借金地獄に嵌っていきます。借金は借金であるという意識を持ち、必要以上の額は借りないようにするのが大切です。
なるべく金利が低いところから借りる
当然の話ですが、金利は低いに越したことはありません。しかし、実際には金利が高いところから借金をしてしまう人が後を絶ちません。それは一体なぜでしょうか。
実は、借金の審査の厳しさと金利の高さには相関関係があります。審査が厳しいところほど金利は低く、審査がゆるいところほど金利が高いです。
審査が厳しいところは絶対に返せそうな属性の人にしか貸出を行わないので結果としてとりっぱぐれがなくなり、その分金利が低く抑えられるのです。
一方、審査がゆるいところは属性がやや厳しい人にも貸し出すため、結果としてとりっぱぐれが多くなり、それを高めの金利でカバーせざるをえないのです。
属性に自信がある人は当然、審査が厳しいところから借りるべきです。カードローンやキャッシングならまだしも、住宅ローンの金利差1%は非常に大きいです。
例えば、仮に3000万円を金利1.0%・返済期間35年で返済する場合、総支払額は約3473万円になりますが、金利が2.0%になると総返済額は約3991万円にまで膨らみます。たった1.0%金利が違うだけで、総返済額に500万円以上も差がつくのです。
高額な借り入れをするときほど、金利には厳しくなるべきです。
もしも金利が高いところからしか借りられないという場合は、そもそも借りないほうがいいでしょう。今の仕事を続けて属性をアップさせてから、再び審査を受ければいいのです。
可能な場合は借り換えローンの利用を
今借りているローンの金利が高過ぎると感じている場合は、借り換えローン(おまとめローン)の利用をおすすめします。借り換えローンは借入先が1社だけでも利用することが可能です。
借り換えに成功すれば毎月の返済額も総返済額も今より少なくなります。ただし、借り換えローンの審査は通常のカードローンと比べると厳しいことが多いので、属性を十分に上げてから挑戦するようにしましょう。
毎月の返済額はできる範囲で増やす
毎月の返済額を増やせば増やすほど、借金がスムーズに減っていきます。逆に毎月の返済額が少しだけだと、負担は少なくなりますがいつまでたっても借金が減らずに苦しい思いをすることになります。
一つ例を見てみましょう。カードローンで100万円を金利12%で借りているとします。この借金を毎月1万円ずつ返済していく場合、完済までにかかる期間はどれくらいでしょうか。答えは「永久に返済は終わらない」です。
元本が100万円で金利が12%なので、年間の利息は12万円です。一方、1年間の返済額は12万円です。つまり、毎月1万円ずつ支払ってもそれは全て利息の支払いに当てられ、元本は1円も減らないのです。このまま返済を続けても、借金がなくなることは永久にありません。
しかし、毎月3万円ずつ返済していけば、41ヶ月で支払いが終わります。この場合の総支払額は約123万円で、総支払利息は23万円ということになります。
5万円ずつ返済していけば、23ヶ月で支払いが終わります。この場合、総支払額は約115万円で、総支払い利息は15万円になります。毎月の返済額が多いほど急速な勢いで元本が減っていくため、返済期間は短くなり、余計な利息支払いも少なくなります。
無理して返済するのは逆効果
ただし、だからといって毎月の返済額を無理のある額にまで設定するのは危険です。毎月の返済がスムーズに行かなくなって遅延損害金を支払う羽目になってしまっては逆効果ですし、それが原因で新たな借入を起こしてしまっては元も子もありません。
毎月の返済負担率(手取り収入に対する借金返済額)は25%程度に抑えておいたほうがいいでしょう。より余裕のある返済プランを立てたいならば、20%を超えないようにしてください。返済負担率が25%を超えるような借り方は、最初からしないのが懸命です。
資金繰りに余裕が有る場合は繰り上げ返済を
もしあなたがボーナスを貰えるサラリーマンならば、ボーナス1回分は諦めてそれを繰り上げ返済に当てたほうがいいでしょう。一度にまとまった額を繰り上げ返済すると、それによって元本が大きく減るため将来支払わなければならない利息を大きく減らすことができます。
毎月余った額を繰り上げ返済に当てるだけでもそれなりに効果的ですが、ボーナスなどの纏まったお金を繰り上げ返済に当てるのはもっと効果的です。
借金生活中はある程度生活に支障が出るのは仕方ないと割りきって、ボーナスを返済に当ててしまいましょう。早く返済すれば、その次のボーナスはまるまる自由に使うことができるようになります。
繰り上げ返済をしても毎月の返済はなくならない
繰り上げ返済をしても、毎月の支払がなくなるわけではありません。繰り上げ返済をしたばかりに資金不足に陥り、毎月の返済ができなくなって遅延損害金が発生してしまった、などということになったら笑えません。
まずは毎月の支払を滞り無く済ませて、余ったお金で繰り上げ返済を行うようにしましょう。
返済は給料日直後に、口座引落で
借金の返済は原則として預金に余裕がある給料日直後に行いましょう。支払い方法はうっかりミスが生まれない口座引落が最も安心です。まず最初に借金を返済して、残されたお金で毎月のやりくりをしていくのです。
ただし、中には返済日が選べない金融機関もあるので注意が必要です。その場合は返済日までお金を使い過ぎないようにしましょう。
金利が高いことところから優先的に返済していく
複数の債務がある場合は、なるべく金利が高いところから優先的に返済していきましょう。金利が低いローンは多少後回しにしてもそれで発生する利息が少ないので問題ありません。逆に金利が高いローンを後回しにしてしまうとどんどん利息がついてしまいます。
そもそも2社以上からの借り入れを起こすべきではありませんが、すでにそうしてしまっている場合は、なるべく金利の高いところだけでも早く完済して、借入件数を減らすようにしましょう。
金利に差がない場合は借入額が少ないところから返済していく
2社以上から借り入れていて、なおかつ両者の金利にほとんど、あるいは全く差がないという場合は、借入額が少ないところから返済していきましょう。
借入件数が少なくなればそれだけ気が楽になりますし、将来借り換えローンの審査を受けるとき有利に働きます(借り換えローンは借入件数が少ないほど審査が有利になります)。借入件数が少なくなれば返済計画も立てやすくなり、いいことずくめです。
余計なカードや現金は持ち歩かない
借金癖が抜けない人に共通して見られる特徴が無駄遣いです。大して必要でもないものをいっときの判断で買ってしまうから、いつまでたっても借金から抜け出せないのです。
無駄遣いを減らす一番のコツは、買物をする手段を持たないことです。特にクレジットカードの類は極力持ち歩かないようにしましょう。クレジットカードは現金と比べてお金を使っているという感覚が少ないため、ついつい無駄な買い物をしてしまいがちです。
クレジットカードはポイントがつくから現金よりもお得だ、というのは確かに一理あるのですが、それは自分をしっかりと律することが出来る人に限った話です。
借金癖がある人にとっては、ポイントというプラスよりも無駄な出費が増えるというマイナスの方が遥かに大きいです。余計な買い物をしないためにも、不必要なカードは処分してしまいましょう。
節約生活は無理のない範囲で
借金返済のために節約をすることはとても良いことですが、だからといって爪に火をともすようなカツカツの生活をするのはお勧めできません。人間の欲望というのはゴムマリのようなもので、無理に押さえつけるとそれだけ反発も大きくなります。
あれもダメ、これも買わない、それも我慢という生活を続けていると、いつか心が暴発してとんでもない無駄遣いをしてしまうことにもつながりません。
自分を律することも大切ですが、時には自分へのご褒美も必要です。節約生活は程々に、無理のない範囲で行うようにしましょう。自分にとって重要でない出費から削っていくと、無理なく節約することができます。
時間に余裕があれば副業にもチャレンジ
時間に余裕があってやることがないという場合は、副業を始めてみてもいいでしょう。一口に副業と言っても様々な種類のものがありますが、基本的には自分のスキルを活かせるものがいいでしょう。
最近は一般的なバイトだけでなく、趣味を活かした内職やベビーシッター、イベント企画等様々な副業があります。どんな人にも特技はあるはずですから、それを活かした副業を始めてみてください。
ただし、最近はこうしたニーズにつけ込んだ詐欺商法も少なくありません。初期費用を請求してくるような副業はほぼ例外なく詐欺商法ですので、関わらないようにしましょう。
どうしても生活が立ちいかなくなった場合は債務整理を
以上のようなことに気をつけていても、借金が返せなくなることはありえます。交通事故で働けなくなってしまったり、突然会社が倒産してしまって収入がなくなってしまったり……このようなリスクを完全に0にすることはできません。
このようなときは思い切って債務整理をした方がいいでしょう。いつ返し終わるともわからない借金を返済し続けていくのは大変なストレスです。
債務整理には相応のデメリットも有りますが、ほとんどのケースではメリットのほうが大きいです。自己破産以外の債務整理を選べば原則として自宅も手放さないで済みますし、借金のない綺麗な状態から人生をやり直すことができます。
借金で苦しいという時は、まずはお近くの弁護士や司法書士に相談してみてください。