消費者金融で借金をしたけど、返済期日までに返せそうにない。こうなるととても不安になりますよね。恐い人が家に取り立てに来るんだろうか、会社に借金のことがバレてしまうんだろうか・・・、いろいろな考えが頭をよぎりますが、そういったことは滅多にありません。
正しく対処すれば支払日を延長してもらうことも可能ですし、その月の返済額を減額してくれることもあります。
この記事では、消費者金融最大手のアコムで借金をし、支払いを延滞してしまった場合にどのようなことが起こるのか、またどう対処すればいいのかを解説していきます。
目次
恐い人が取り立てに来るようなことは絶対にない
金融系の映画などで、闇金で借金をした債務者の家にヤクザまがいの人が取り立てに来るシーンがよくありますよね。借金の取り立てといえば、そんなイメージを持っている人が多いのではないでしょうか。
しかし、少なくともアコムではそういったことは絶対にありません。消費者金融はなによりイメージを大切にしています。恐いイメージを持たれると、利用者がいなくなってしまうからです。
なにより、家に執拗に取り立てに来たり、電話で罵倒、脅迫するのは明らかな法律違反です。法律を犯す会社が業界大手にはなりえませんよね。
アコムの取り立ては法に則って粛々と行われます。そのため、法律の許す限りで債務者の家に取り立てに行ったり、電話で催促を行います。また、アコムからの取り立てを無視し続けた場合には、裁判所を通して催促を行うこともあります。
借金を延滞している人が最も心配するのは、家族や会社に借金のことがバレないかでしょう。安心してください、支払期日を1日過ぎたからといっていきなり家族や会社に通知や催促が行くことはありません。
しかし、数か月支払いが延滞した場合などには、家族にも通知が行くこともありますし、最悪、給料差し押さえの手続きの関係上、会社にも借金のことがバレてしまうことがあります。
では、具体的にどのような手順でアコムは取り立てを行うのか、詳しく見ていきましょう。
支払い期日を過ぎたらまず電話がかかってくる
返済期日までにお金の振込みがないと、アコムから電話がかかってきます。だいたい期日から1~4日後にかかってくることが多いようです。
電話のオペレーターは女性で、穏やかな口調で状況を聞いてきます。返済期日が過ぎていますがどうされましたか?といった内容です。
今回の期日までにお金が工面できなかったことを伝えると、ではいつまでにお支払いただけますか、と支払いの約束日の決定を求めてきます。また、この際に新しい支払額を伝えられます。借金を延滞すると遅延損害金が発生し、支払額が増えるためです。
この電話で約束日、支払方法を伝えると、その約束日まで電話がかかってくることはありません。もちろん、その日までに支払いを行わないと再度取り立ての電話がかかってきますが。
自宅や実家に電話がくることもある
最初は基本的に本人の携帯電話に取り立ての電話がかかってきますが、その電話を無視し続けた場合、自宅や実家に電話がかかってきます。
その際に、アコムであることは名乗りません。多くの場合、担当者の名前を名乗り、〇〇さん(債務者の名前)はいらっしゃいますか、と聞いてきます。また、家族に借金に関する内容を伝えることはありません。
そのため、いきなり家族に借金をしていることがバレることはないでしょう。また、基本的に職場に取り立ての電話をかけることはないので、この段階では勤め先に借金のことがバレることはありません。
もし、職場に電話をかける場合であっても、アコムを名乗ることはないようです。当然、借金の内容を伝えることもしません。
1日に何回電話がかかってくる?また電話の時間帯は?
取り立ての電話の回数と時間帯は法律で決められています。電話は1日3回まで、時間帯は午前9時から午後8時までです。
もちろん、アコムなど消費者金融もこのことは熟知していますので、これを超えて取り立てを行うことはありません。
しかし、取り立てを行ってよいのは何日までという決まりはありません(長期的には時効がありますが)から、ほぼ毎日アコムから電話がかかってきます。
1日3回までと決められているとはいえ、毎日電話がかかってくるのは相当なプレッシャーですよね。また、無視していると自宅や実家にも電話がかかってくることがありますので、早めに電話に出たほうがいいでしょう。
もし、悪質な金融業者でこの範囲を超えて電話をしてくる場合などは、弁護士に相談するなど専門家に依頼しましょう。
いきなり弁護士に依頼するのはハードルが高いと感じる人は、消費生活センターの相談窓口や役所の法律相談窓口に相談に行きましょう。
電話を無視し続けると督促状が送られてくる
アコムからの電話を無視し続けると、自宅に督促状が送られてきます。この督促状の封筒には「ACサービスセンター」と記名されているため、中を見るまではアコムからのものとは分かりません。そのため、督促状が届いたからといっていきなり家族に借金のことがバレるわけではありません。
督促状の内容は、「支払期限が過ぎていますので、速やかに返済をお願いします」といった内容のものです。
督促状が送られてくるタイミングは、最初の支払期限から1、2週間後です。もちろん電話に出て支払日を延ばしてもらっている場合は督促状は送られてきません。
さらに無視し続けると自宅に取り立てにくることも
電話も出ず、督促状に対しても何もリアクションをしなかった場合、アコムの社員が自宅を訪ねてきます。支払期日のおよそ1か月後が自宅訪問のタイミングの目安です。
社員は誓約書と返済計画書を持参しています。誓約書は、「私〇〇は今後、期日に遅れることなく借金の返済を行います」といった内容です。返済計画書はより具体的に、1か月でいくら支払うかなどを社員と相談して記入します。
自宅訪問というとやはり恐いイメージがありますが、あくまで相談の形でくることが多いです。そのため、恫喝されたりすることはありません。上述したように、そんなことをすれば法律違反になってしまいますからね。
社員は借金返済のプロですから、現実的な返済計画を立ててくれるでしょう。また、返済が厳しい場合などもかなり譲歩してくれます。もちろん自宅訪問される前に電話などで返済計画を相談するのがベストですが。
延滞から3か月経過すると信用情報機関のブラックリストに載ってしまう
これはアコムからの取り立てとは直接関係はないのですが、最初の延滞から3か月経過すると信用情報機関のブラックリストに載ることになります。
ブラックリストに載ってしまうと、金融機関からお金を借りたり、ローンを組んだりすることができなくなります。また、所有しているクレジットカードの利用を止められることもあります。
ブラックリスト入りするということは、要はこの人にお金を貸しても返してもらえないよ、と周知されているようなものです。お金を返してくれない相手にお金を貸す人はいないですよね。
信用情報機関の情報は全ての金融機関で共有されていますから、ブラックリスト入りするとどこの金融機関に行っても借金をすることができなくなります。
借金を返済すれば即除名されるわけではなく、完済日から1年間は載ったままです。そのため、一度載ってしまうと非常に厄介なことになるのですね。
借金の延滞は3か月が節目と覚えておくといいでしょう。
延滞の4か月後から取り立ての対応が変わる
最初の返済期日から4か月経過すると、取り立てを行うアコム内の部署が変わります。それに伴って取り立ての方法が変化します。
これまでは電話でアコムと名乗ることはありませんでしたが、最初からはっきりアコムと名乗るようになります。これは自宅や実家への電話でも同様です。
本人以外に用件を話すことはありませんが、アコムから電話がかかってきたら多くの人は借金のことに気づくでしょう。また、督促状の差出人もアコム名義に変わるため、家族に借金がバレる可能性が高くなります。
なお、この段階であっても職場に電話をかけることはあまりありません。もし電話したとしてもやはり個人名を名乗り、用件を話すことはありません。
さらに無視し続けるとアコムから訴えられてしまう
長期的に取り立てを無視し続けると、アコムは裁判所に訴えます。訴えるまでの期間は決まっているわけではないですが、およそ1年前後の場合が多いようです。
裁判所で手続きを行うと、債務者の自宅に支払督促の書面が送られてきます。書面には借金の速やかな返済を要求することと、裁判所への出廷日時が書かれています。
この督促を無視し、正当な理由なく裁判所への出廷を拒否すると、アコム側の主張が全面的に認められ、債務者側の実質的な敗訴となります。とはいっても、裁判所に出廷した場合も敗訴になる可能性は高いですが。
すると次に、滞納者が借金の支払いを行わない場合には給料を差し押さえる、といった内容の督促状が送られてきます。
これをさらに無視するとやはりアコム側の要求が認められ、いよいよ給料の差し押さえの手続きに入ります。
給料の4分の1が差し押さえられる
差し押さえといっても給料の全額を持っていかれるわけではありません。法律で差し押さえの上限額が決まっており、手取り35万円以内の給与の人はその4分の1を差し押さえられます。手取り24万円ならば6万円ですね。
また、手取りで35万円を超える場合には、4分の1を引いてさらに35万円を超える分が差し押さえらます。例えば、手取りで60万円ならば、まず4分の1の15万円を引きます。この時点で45万円なので、さらに10万円分が差し押さえられます。
銀行預金も差し押さえの対象になります。銀行預金の場合は給与と違い、全額差し押さえられてしまいます。
アコムが差し押さえるのは給与と銀行預金のみであることが多いです。基本的に家や車などが差し押さえの対象になることはありません。
差し押さえをされると借金が勤務先にバレる
差し押さえの手続きは勤務先を通じて行います。そのため、この段階にくるといよいよ勤務先にも借金がバレてしまいます。
借金が原因でクビになることはありません。借金による解雇は不当解雇といって法律違反になります。
しかし、多くの人は会社に借金がバレることを嫌がるでしょう。人の目が気になり、働きづらくなりますからね。
そういった意味でも差し押さえの手続きをするメリットがアコム側にはあるのです。実際に差し押さえを嫌がって借金を返済するパターンが多いようです。
支払期日までにお金を工面できない!そんなときの正しい対処法
ここまでアコムで借金をして延滞した場合に、どういったことが起こるのかを解説してきました。次に返済期日までにお金を用意できなかった場合にはどうすればいいのかを見ていきましょう。
アコムに電話をして支払期日や支払額を調整してもらう
お金を用意できないことは前もって分かっているのですから、取り立ての電話が来る前にアコムに電話して期日や支払額を融通してもらいましょう。
多くの場合、きちんと理由を説明して相談すれば期日や支払額を変更、減額してくれます。また、変更した期日に間に合わないときも、前もって伝えましょう。心苦しい気持ちは分かりますが、無視することが一番マズいです。
延滞した場合の支払額の計算方法は?
毎月の返済額には決まった計算方法があり、最低でもこれだけは支払わなければいけない最小返済額というものがあります。延滞した場合には、これに遅延損害金、支払い時の手数料を加えた金額が最低でも支払わなければいけない額になります。
最小返済額は借入額によって変わります。具体的にはアコムの公式サイトに返済早見表があるので、そちらを参考にしてもらうと分かりやすいのですが、例えば10万円を借入した場合、月々の最小返済額は3000円になります。
金融会社によって違いはありますが、アコムの場合は借入残高の3%が最少返済額になります。
また、遅延損害金にも決まった計算方法があり、アコムの場合は、年率20%で計算します。例えば、借入残高が10万円だった場合、遅延損害金は1年で2万円となります。
これを日割りして、最初の返済予定日から新しく設定した支払日までの日数分を掛けた数字が、遅延損害金として支払う金額になります。
また、最少返済額を払うことも難しいといった場合は、前回返済日から発生した利息分と、支払い時の手数料の返済のみに減額してくれることもあります。
しかし、このような減額措置にも条件があります。明確な基準は公開されていませんが、ギャンブルにお金を使ってしまった場合や、他の金融機関への借金返済にアコムからの借入金を充てた場合などは減額措置が認められないこともあります。
また、注意してほしいのはこれらの減額措置は借金の元金が減っているわけではないということです。むしろ、返済期間が長くなるので、それだけ利息が大きくなり、支払う合計金額も大きくなります。
利息分すら払えないのであれば、債務整理や自己破産なども考えなくてはなりません。返せる範囲で借りるのは借金の鉄則です。くれぐれも無理な借金はしないでおきましょう。
裁判所から支払督促が来てしまったら
アコムからの連絡をずっと無視し続けた結果、裁判所から支払督促が来てしまった。こんなときはすぐにアコムに連絡をしましょう。
アコム側も裁判を起こしたいわけではありません。手続きに時間もかかりますし、実際に裁判になってしまうとコストもかかります。
連絡をして返済する意思があることを伝えれば、アコムも裁判所への訴えを取り下げます。その後、相談して現実的な返済計画を立てましょう。
まとめ
お金を返せないと後ろめたい気持ちになり、こちらから連絡することが億劫になりますが、無視することが一番いけません。返済日を過ぎても支払いがない、連絡も取れないではお金を貸した側からすると、借金を踏み倒そうとしているのではないかと考えてしまいます。
返済期日に間に合わない場合などは前もって連絡をするようにしましょう。大人のマナーですよね。