カードローンやキャッシングを利用すると、返済期間に応じた利息が発生します。さらに、これとは別に返済手数料がかかることは知っていますか?
返済方法はいくつかありますが、そのうちの一部では1回につき200円程度の手数料が発生してしまうのです。たかが数百円でしょ、と思うかもしれませんが、「塵も積もると山になる」ですよ。
たとえば、返済期間が1年であれば2,500円近い手数料がかかることになります。2年であれば5,000円にもなります。これをたかが数千円と言い切るのは難しいでしょう。
幸い、手数料がかからない返済方法もいくつかあるので、特別な事情がない限り、それらを選択したほうがよいでしょう。今回は、消費者金融の中でも代表的な「アコム」を例にして解説していきますね。
また、中には違法な手数料を請求してくる悪徳業者も存在します。言われるがままに支払ってしまうと大損してしまうので、どんな手口があるのかを知っておきましょう。これについても記事の後半で解説します。
アコムの返済方法は主に6つ
アコムの返済方法は主に6つで、以下の通りです。
・口座振替
・インターネットバンキング
・店頭窓口
・アコムATM
・提携ATM
・銀行振込
このうち、返済手数料が発生するのは提携ATMと銀行振込を利用した場合で、利用するATM、銀行によって手数料は異なります。他の4つの方法では手数料はかかりません。
それぞれの返済方法について、簡単に解説していきますね。
口座振替
毎月6日に引き落としが行われ、6日が休日だった場合は次の営業日に振り替えられます。また、支払い先の名義は「SMBC自払い」、もしくは「SMBC(ACサービス)」と表記されるので、アコムから借金しているとはわからないように配慮されています。
口座振替には一つ欠点があり、それは申し込みから実際に適用されるまで2~3ヵ月かかる点です。その期間は別の支払い方法で返済しなければならないので、覚えておいてくださいね。
インターネットバンキング
インターネットバンキングによる返済では、ネット上の手続きだけで自分の預金口座から直接アコムへ返済できます。
もちろん、手数料はかかりませんし、24時間いつでも手続き可能です。さらに土日祝日を問わず手続きできるので、とても便利な返済方法ですね。
インターネット返済を利用するには、前もって利用している金融機関で「インターネットバンキング」の契約が必要です。一部の金融機関では利用できないので、利用したい場合はアコム公式ホームページで「利用可能金融機関」をチェックしておきましょう。
店頭窓口
あまり見かけることはありませんが、アコムには有人店舗があります。そこでも借入申し込み、返済手続きができるので、近くにあれば利用してみてもいいかもしれませんね。
担当者に相談しながら手続きできるので、不慣れな人でも安心です。ただ、営業時間は9:30~18:00で平日のみの稼働なので、使い勝手はあまりよくないかもしれません。
アコムATM
こちらは街中でもよく見かけますね。「むじんくん」という名前で設置されています。アコムATMでも手数料なしで返済手続きが可能です。
しかし、こちらも営業時間が決まっており、8:00~22:00(年中無休、ただし年末年始は除く)となっています。
提携ATM
セブン銀行やローソンATMなど、数多くのATMでも返済手続きができます。コンビニならどこにでもあるでしょうから、好きなタイミングで利用でき便利ですね。
ただ、ATMの種類によっては、使えない時間が発生するので注意しましょう。また、毎週月曜日1:00~5:00の間は定期点検により、全ての提携ATMで返済手続きができなくなります。
この方法での返済には手数料が発生します。支払額は返済金額によって異なり、1万円以下なら108円、1万円超なら216円となっています。
返済は1,000円単位ごとになっており、小銭による支払いはできません。過払い金は、後で銀行振込によって返還してもらえますし、次回分の返済に充てることも可能です。
銀行振込
銀行振り込みによる返済でも、やはり手数料がかかります。手数料は利用銀行によるので、なるべく安く済むところを選びたいですね。
「住信SBIネット銀行」や「新生銀行」では、毎月数回までなら振込手続きによる手数料が無料になるので、近くにあるならぜひ利用を検討しましょう。
なるべく手数料がかからない返済方法を選ぼう
今回はアコムを例として、各返済方法をご紹介しましたが、プロミスなど他の消費者金融でも返済方法はほぼ変わりません。
全部で6つの返済手段がありましたが、できるだけ手数料がかからない方法を選びたいものです。おすすめはインターネットバンキングを利用した返済で、24時間いつでも、自宅で手続きできるのが大きなメリットです。
毎月200円程度でも、長い期間で見てみると結構な金額になります。「もったいない」の精神を持って、賢い返済方法を選んでくださいね。
違法な手数料に注意!
ここまで真っ当な手数料について解説してきましたが、以下からは違法な手数料について解説していきます。
まず、違法な手数料とはなんなのでしょうか?ざっくりと解説すると、「賃金業法」という法律で定められた金利を超える利息のことを言います。
利息と手数料は違うものじゃ?と思うかもしれませんが、賃金業法では、元金以外の返済については名目に関わらず全て利息として扱います。
つまり、契約手数料や礼金、紹介料として請求されたものであっても、それらは全て利息としてみなされるのです。
そして、利息の上限もまた、賃金業法によって定められており、最大で年20%までとされています。この範囲内で手数料を請求するのは合法ですが、少しでも超えればアウトです。
あれ?でもさっきのアコムの例だとどうなるの?と思いますよね。ただ、上述したケースであれば何も問題はありません。たとえば、ATM利用による手数料は、ATMを設置、運営している会社に支払うものです。
アコムの利益になっているわけではありませんから、借金に関する手数料とはみなされないのですね。
もし、借入時に手数料を請求された場合は、それも利息の一部として考えて金利を計算してみましょう。そして、20%を超えているなら違法なので、弁護士に相談することをおすすめします。
手数料として請求されると、疑問に思わず素直に支払ってしまう人も多いので、注意してくださいね。
利息分を天引きして貸し付ける業者にも注意
悪徳な金融業者の中には、先に利息分を天引きして貸し付けようとする業者も存在します。たとえば、100万円を20%の金利で融資する場合、先に利息分である20万円を引いて、80万円を貸しつける、といった具合です。
数字だけを見るとなんらおかしなことはなく、ついつい納得してしまいまそうになりますが、騙されてはいけません。
確かに1年間で100万円返済すれば、金利は20%となり、これは合法の範囲内ですからとくに問題はないように思えます。
しかし、100万円を1ヵ月で完済すればどうでしょうか?この場合だと、1ヵ月で20%の金利がついたことになります。これを年利に直すととんでもない数字になりますよね。
利息は返済期間によって増減するものです。期間を定めずに最初から利息を差し引くのは土台おかしな話なのです。
また、利息は実際の借入額をもとに計算するのが決まりです。今回のケースでは、実際に受け取った金額は80万円なので、これをベースに利息を決定しなければなりません。
パッと見た感じでは問題なさそうに思えても、よく見てみると思わぬ落とし穴が存在するものです。とくに、お金の問題は大きなトラブルに発展することも多いので、借金するときはよく注意してくださいね。
まとめ
借金の際は利息にばかり意識がいってしまいがちですが、手数料についてもきちんと考えておきましょう。幸い、最近は手数料無料の返済方法もいくつかあるので、優先的にそれらを選ぶようにしたいですね。
また、違法な手数料についてはとくに注意しましょう。悪徳業者はあの手この手で借り手を騙し、少しでも多くのお金を巻き上げようとしてきます。
もし騙されてしまった場合も泣き寝入りをせずに、すぐに弁護士に相談しましょう。絶対に解決してもらえるとは限りませんが、心強い味方になってくれるはずですよ。