投資は適切な方法でやれば、決して危ないものではありません。しかし、実際には投資で大損をして、あまつさえ借金まで背負ってしまう人が少なくありません。そして、投資で失敗をする人にはある共通点があります。
投資で成功した人を真似てもうまくいく可能性はそれほど高くないですが、失敗した人を真似るとほぼ確実に失敗するものです。今回は投資で失敗する人がやりがちな行動・思考をまとめましたので、他山の石としていただければと思います。
目次
勉強せずに投資に取り組む
投資は始めようと思えば誰でも始めることができます。それ故にろくに勉強もせずに取り組んでしまい、痛い目を見る人が少なくありません。
確かに投資の世界は不確定ですから、勉強した人がかならず勝てるわけでも、勉強しなかった人がかならず負けるわけでもありません。
しかし、長期的に見れば勉強した人のほうが勝ちやすいことは言うまでもありません。たまたまビギナーズラックで勝ててしまい、調子に乗って無謀な投資をして大損して市場から退場、と言うのはよくある話です。
初心者ほど謙虚な姿勢を持ち、経済、投資、市場について学んでいくべきなのです。幸い、今の世の中には投資を学ぶための書籍やウェブサイトが多数あります。それらを参考にすれば、勝てる可能性は間違いなく高まります。
未来は予測できると思っている
多少投資について学ぶと、今度は自分があたかも投資のプロになったかのような錯覚を感じてしまうことがあります。しかし、それは大いなる間違いです。本を数冊読んで多少投資の世界に入ったくらいではとてもプロとはいえません。
市場には他の個人投資家、機関投資家が無数にひしめいているのです。彼らの殆どはあなたよりも手練ですが、そんな彼らを持ってしても未来を予想することはできません。だから、あなたも未来は予測できません。
未来を予測できると勘違いしてしまうと、資金を一つもしくは少数の銘柄に投入してしまいがちです。それで未来が予想通りになればいいのですが、もし反対の自体が起きてしまった場合は、市場から退場せざるを得ない大ダメージを負うことになります。
未来を予想できないと理解していれば、自然とリスクを分散させるようになります。保有する銘柄の数を増やし、1銘柄あたりの金額を減らせば、いくつかの銘柄が下落しても市場から退場しなければならないほどの損失を抱えることはありません。
ルールを作らない、もしくは守らない
投資の世界で生き残っている投資家の多くは、機械のように自分自身の決めたルールに従って行動しています。
例えば、何%銘柄が上昇したらその時点で利益を確定させ、逆に何%下落したらそこで損失を確定させる、と言った感じです。これをしない、もしくはできないと、利益は少なく、損失は大きく、となってしまいがちです。
特に損失が大きくなってしまうのは非常に危険です。投資で大切なことはとにかく市場から退場せざるを得ないような大きな損失を避けることです。
株式・債券市場はどちらも基本的にプラスサムゲーム(参加者全員の総利益がプラスになる)の世界ですから、長くいれば基本的には利益をあげられます。
大損をしないためにも、予め何%下がったら必ず売る、と決めておき、それに従い行動するようにしましょう。それができないという人は、投資に向いていないのでやめることをおすすめします。
金融機関の社員の話を素直に聞きすぎる
著名な投資家ウォーレン・バフェットは、以下のような言葉を残しています。「ウォール街や証券会社のセールスマンに今の推奨銘柄は何でしょうか?と聞くことは、床屋に行って今日は散髪した方がいいかなと聞くようなものだ。」
証券会社のセールスマンが第一に考えることは、投資家の利益ではありません。証券会社の利益です。投資家の利益と証券会社の利益が一致すれば協力してくれるかもしれませんが、相反する場合は協力するふりをしてかもにしてくるに決まっています。
自分と利害が相反する人の意見は、余り鵜呑みにしすぎないほうがいいでしょう。
もちろん、だからと言って何もかも信じないというのでは投資ができません。信頼できる情報と、そうでない情報を見分ける力をつけるのがいちばん大切なのかもしれません。
短期間で大きく稼ごうとする
投資の中には短期間で大きく稼げることを謳い文句にしたタイプの投資があります。ハイレバレッジのFXなんかが典型的ですね。
確かに、高いレバレッジをかければ短期間で大きく稼げる可能性も上がりますが、そのかわり短期間で大きく損失を出す可能性も上がります。リスクとリターンは表裏一体であり、切り離すことができないものなのです。
短期間で大きなリターンを得ようとすれば、必然的にリスク、つまりは不確実性も上がります。安定的なリターンを得られる確率を少しでもアップさせたいのならば、短期間で大きなリターンは狙わず、長期的に投資をしていくことが大切です。
他人のせいにする
投資で成功している人たちはみな、自分の頭で判断し、自分で投資先を決めています。当然、成功した利益は自分のもので、失敗した損失も自分のせい、ということになります。こうしたメンタリティを持っていなければ、投資の世界では絶対に成功できません。
どのような世界においても、失敗したときの責任を自分で負おうという気概がある人ほど、一生懸命に物事に取り組むので、成功する確率が上がります。そうした覚悟がない人は、投資には手を出さないほうがいいでしょう。
待てない
投資の世界においては、行動することだけでなく、行動しないことも大切です。なにもしないのが最善の時は、なにもしないのが吉なのです。
特に投資にちょっと慣れてくると、いつでもポジションを持ちたがるようになってしまいますが、別に投資を始めたからと行って必ずポジションを持ち続けなければいけないなんて決まりはありません。持たないほうがいい時は、持ったほうがいいタイミングが来るまでひたすら待ちましょう。
覚悟がないなら、投資を始めるべきではない
投資の世界では短期的には努力や知識がある人が勝つとは限りません。初心者でも運良く勝てたり、逆に投資慣れしていて実績がある人でも大損したりします。
投資の世界は理不尽なのです。しかし、長期的に見れば投資に慣れている人ほど勝ちやすい世界であることもまた事実です。長期的には実力に応じて利益や損失が分配されます。
短期的な結果のブレに惑わされる人は、投資を始めないほうがいいでしょう。