希少価値の高い硬貨や紙幣は、その額面より高い金額で買い取ってもらえます。今回は額面よりも高く売れる可能性がある硬貨や紙幣をまとめて紹介したいと思います。
なぜ額面以上に高く売れるのか?
理由は簡単で、数が少ない割に欲しがる人が多い、つまり供給が少ない割に需要が多いからです。需要のほうが多ければ価格が高くなるのは市場の最も基本的な原理であり、硬貨や紙幣であってもこの原理から外れることはありません。
必然的に、製造枚数が少ない硬貨や紙幣ほど供給が少なく、その分高く売れる可能性が大きくなります。硬貨の製造枚数は造幣局、紙幣(日本銀行券)の製造枚数は財務省のウェブサイトでそれぞれ公表されていますので、気になる方はリンク先をご覧になって下さい。
平成23年~25年の1円玉
1円玉の中でも特に高額での買取が期待できるのが、平成23年~25年に製造されたものです。この3年間は製造枚数が平年の20分の1以下に抑制されたため殆ど出回っておらず、それゆえに高額で取引されています。価値のわかるショップならば額面の400倍(400円)以上での買取が期待できます。
平成21年~25年の5円玉
5円玉の中でも特に高額での買取が期待できるのが、平成22年~25年に製造されたものです。この4年間は製造枚数が平常時の20分の1程度に抑制されたため殆ど出回っておらず、それゆえに高額で取引されています。価値のわかるショップならば額面の160倍(800円)以上での買取も期待できます。
また、昭和24年~33年に製造された5円玉は流通量は少なくないのですが、文字が今とは違う明朝体で書かれているため根強い人気があります。中でも比較的数が少ない昭和32年のものは額面の100倍~200倍(500円~1000円)での買取が期待できます。
昭和32年~34年の10円玉
10円玉はよく使う硬貨だけに発行枚数がかなり高く、他の硬貨と比べると額面に対する買取額の倍率は他のものと比べると低くなっています。その中でも比較的高額での買取が期待できるのは、昭和32年~34年の10円玉です。中でも昭和33年の者は希少性が高く、額面の10倍(100円)程度での買取が期待できます。
なお、昭和24年から昭和33年に発行された10円玉(通称ギザ10)は、現行のものと違って縁にギザギザが付いています。
ギザ10は高く売れるという話を聞いたことがある方もいらっしゃるかもしれませんが、ギザ十自体の流通量は少なくないため、前述の昭和32年のもの以外は高額買取は期待できません。
昭和62円、平成22年~25年の50円玉
50円玉は元々の発行枚数が少ないため、高いものはかなり高額で買い取りされる可能性があります。高い値がつきやすいのは昭和62年、および平成22年~25年に発行されたものです。
なかでも昭和62年は極端に発行枚数が少なく、額面の200倍(1万円)以上での買取も期待できます。平成22年~25年のものは額面の20倍(1000円)程度での買取が期待できます。
平成13年の100円玉
100円玉は発行枚数自体が多い上、毎年の発行枚数が安定しているため、残念ながら高額での買取は期待できません。比較的希少価値が高いのは平成13年発行のものですが、それでも買取額はせいぜい額面の1.5倍(150円)程度にしかなりません。
昭和62年、昭和64年の500円玉
500円玉も100円玉と同様発行枚数代わりと安定しているため、高額での買取は期待できません。比較的価値が高いのは昭和62年、および昭和64年(平成元年ではありません)の500円玉で、特に昭和62年のものは額面の3倍(1500円)程度での買取が期待できます。
エラー硬貨
エラー硬貨とは、刻印の内ミス、穴なし、穴ズレなどの印刷ミスが有る硬貨のことです。
こうした硬貨は通常、発行後の検査で取り除かれるのですが、たまにその検査をすり抜けて市場に出回ることがあります。中でも5円玉、及び50円玉の穴ズレは比較的多く見られます。こうしたエラー硬貨は高額での買取が期待できます。
特に価値が高いのは近年製造されたものです。近年は製造技術や検査技術が向上しているため、以前と比べるとエラー硬貨が出づらくなっており、それゆえに価値が高いのです。
エラーの種類や状態はまちまちなのでいくらで売れるとが言えませんが、過去には文字が鏡文字で印刷された10円玉が25万円で取引された例もあります。
AA券
紙幣には通常、「1~2文字のアルファベット+6文字の数字+1文字のアルファベット」から構成される8~9文字の文字列が記載されています。
AA券とは「A128504A」と言った感じで、最初と最後のアルファベットが両方ともAになっているお札です。AA券は最初に製造されたお札であり、高値での買取が期待できます。未使用のものならば、額面の20倍(1万円札なら場20万円)以上で取引できることも珍しくありません。
なお、「AA119812A」というような、最初にアルファベットが2つあるものは、「1文字のアルファベット+6文字の数字+1文字のアルファベット」の組み合わせを全て使い終わった後に印刷されたものであり、AA券ではないので気をつけましょう。
ゾロ目、階段状等の数字
前述の文字列の6文字の数字部分が「111111」などのゾロ目、あるいは「123456」などの階段状の数字になっているものは珍しい為高く売れます。未使用のものならば、額面の10倍(1万円札ならば10万円)での買取も期待できます。
福耳紙幣・印刷ミス紙幣など
福耳紙幣とは、端に紙切れのようなものが付いている紙幣のことです。裁断ミスが原因でこのようなお札が生まれることがあり、やはり高額での買取が期待できます。最近は印刷技術の向上によってミスが少なくなったぶん、福耳紙幣の価値も高まっています。
印刷ミス紙幣はそのまま、印刷ミスが有る紙幣の総称です。上と下の番号が異なっていたり、二重印刷になっていたり、表と裏で上下が逆になっていたり……と、印刷ミスのパターンにも色々あります。
昔の日本で使われていた硬貨や紙幣
昔の日本で使われていた硬貨や紙幣の中には、高額での買取が期待できるものがあります。例えば板垣退助の100円札、伊藤博文の1000円札、和気清麻呂の10円札、5銭のアルミ銅貨、1円銀貨など……。
なかでも高く取引されているのが「旧国立銀行券」です。これは明治政府が発行していた紙幣で、中でも20円券は当時の人々にとってはかなり高額なものだったため製造枚数が8万8000枚程度と少なく、現存数はさらに少ないためかなり高額で取引されています。
もし未使用品があれば、2000万円の値がつくと言われています。
記念金貨
昭和天皇の在位60年を記念して作られた10万円金貨、今上天皇の即位を記念して作られた10万円金貨、皇太子殿下御成婚を記念して作られた5万円金貨、長野オリンピックを記念して作られた1万円金貨、2002年のFIFAワールドカップを記念して作られた1万円金貨などは、いずれも額面以上の金額での買取が期待できます。
特に長野オリンピックとワールドカップの記念金貨は発行枚数が少なく、額面の5倍程度での買取も見込めます。
硬貨や紙幣を高く売る方法
硬貨をオークションや買取業者で売る場合は、磨いたり薬剤で洗浄をしたりしないほうが良いとされています。そうすることによって硬貨の表面が損傷してしまう可能性があるからです。湿気が少ない冷暗所に保存するのが最も確実です。
買取業者は日本貨幣商協同組合に加盟している業者がおすすめです。この組合に加盟している業者はそのお金の価値をきちんと評価してくれる可能性が高いです。
インターネットオークションで売る場合は、他に似たような硬貨や紙幣があまり出品されていないタイミングを狙うと、入札が自分のもとに集中するためおすすめです。
最近はおたからやなど、事前の見積もりをしてくれる業者も増えてきていますので、いくらで売れるのか心配だという方は事前に相談してみましょう。