お金のことについて学ぶのは非常に重要です。世の中のお金の流れ、市場の仕組みと役目、政府の役割などの経済学の基礎を知っているだけで、悪意ある他人にお金のことで騙される可能性を大きく減らすことができます。
目次
1. 無知が原因で騙されるのは悪いことである
こういうことをいうと「人を騙すのが悪い、騙される方は悪くない」という方が出てくるかもしれませんが、それは間違っています。騙す人間が悪いのは言うまでもなく確かです。でも、騙される方が全く悪くないかというと、そんなことはありません。
騙された人に対して補償をするためにはお金がかかります。そのお金の出処ほとんどのケースにおいて、騙されてない人が働いて溜めたものです。そのことを考えると、騙された側が全くの無罪だとはとても言えません。
また、そもそも騙された人に補償がなされないこともあります。つまり、騙されると損をする可能性があるわけです。
誰も補償をしてくれない以上、自分の身は自分で守るしか対応策はありません。無関係な他人が都合よく助けてくれるなんてことはこの世の中めったにないのです。
自分の身も、自分のお金も、自分の安全も、自分の幸せも全て自分で守り築き上げるのだという意識を持つことが大切です。
2. お金とかかわらずに生きていくことは不可能である
お金について学ぶ上でいちばん大切なのは、我々はお金とかかわらずに生きていくことはもはや不可能だと知ることです。先進国の人間も、発展途上国の人間も、最貧国の人間も常にお金との関わりを持ちながら生きています。
お金とかかわらずに生きていけるのはごく一部の閉鎖的な環境で暮らす民族だけですが、そうした民族は現代よりも遥かに原始的な暮らしをしています。
現代の日本人はそうした暮らしにはとても耐えられません。好むと好まざるにかかわらず、現代の日本人はお金と関わってきていかなければならないのです。
3. 経済的な豊かさは心理的な豊かさと相関関係がある
「いつもお金儲けのことばかり考えてはいけない、心理的な豊かさのほうが大事である」という主張をたまに耳にすることがありますが、これは明確に間違いです。経済的な豊かさと心理的な豊かさの間には相関関係があるからです。
社会学者によって行われている世界価値観調査で、各国の国民の所得と幸福度には相関関係があると認められています。
もう少し細かく言えば、所得が高い国では多くの人が安定して高い幸福度を感じている(不幸だと感じている人が少ない)のに対して、所得が低い国では幸福度にばらつきがある(幸福だと感じている人も多いが、不幸だと感じている人も多い)のです。
つまり、経済成長は幸福を増進するというよりもむしろ不幸を減らすために非常に重要だということです。
むろん、中には所得が少なくても幸せに暮らしている人が多い国もあるのでしょう。しかし、所得が増えたほうが不幸になる人が少ない以上、経済的な豊かさを目指すこと、経済成長を目指すことは態度として極めて正しいといえます。
なお、個人単位で見た場合、年間所得1000万円あたりまでは概ね幸福度と所得が比例し、その後は所得が増えても幸福度はほぼ横ばいになります。
つまり、所得が200万円の人よりも500万円の人のほうが、その人よりもさらに800万円の人のほうが、その人よりもさらに1000万円の人のほうが幸福だというわけです。一方で、1000万円の人と1億円の人の間には殆ど差はありません。
そして日本人の殆どは所得が1000万円以下です。つまりこの国内においては、所得と幸福度はほぼ比例するわけです。
4. 経済学の初歩の初歩が学べる良書3冊
他人に騙されずに生きていくためには、最低限の知識が必要不可欠になります。市場の一員として生きる以上、最低限の勉強は欠かせません。
といっても、経済学超初心者の人はそもそもどんな方法で勉強をすれば良いのかわからないかと思います。ということで、ここではほとんど前知識がない人でも、経済学を気軽に学べる本を幾つか紹介します。
4-1. マンガ+講義でよくわかる 経済学超入門/木暮太一
経済学について今まで学んだことがない、それどころか経済について全く考えたことがないという人でもスムーズに学べる良著です。
この本の素晴らしい所は、経済学の目的が、限られた資源(お金、時間、人材など)を適切に配分する方法を考えることであると最初に宣言しているところです。
経済学の目的が何なのかわからないままいきなり需給曲線が出てくるような本も多い中で、これは画期的なことといえます。経済学はなんとなくお金について考える学問であるという認識を持っている人にこそぜひ読んでほしい本です。
抗議は漫画と文章で進んでいくため、長い文章を読むのが苦手な人でも大丈夫。面倒な数字や計算なども殆ど出てこないため、数学アレルギーがある人でも苦なく学べます。
欠点はちょっと本が大きいので持ち運びが難しいことと、分量の割には学べることが少ないことぐらいでしょうか。
何しろ漫画で説明をしているため、文章と比べるとどうしても密度は薄くなってしまいます。ただ、最初からあまりにもたくさんの覚えることを提示されると嫌気が差してしまうでしょうし、これくらいでちょうどいいのかもしれません。
4-2. 高校生のための経済学入門/小塩隆士
高校生のためのとタイトルが付いていますが、大人でも十分読めます。難易度はマンガ+講義で~と比べるとほんの少しだけ高いですが、難しい数式が出てこないという点では一緒です。
経済学の2大巨頭であるミクロ経済学とマクロ経済学の説明にそれぞれほぼ半分ずつのページを割いており、経済学の全体をつかむのには最適な一冊です。
マンガ+講義で~が漫画や頭を中心に説明しているのと比べると、こちらは文字での説明が中心です。たまに補助的にグラフが使われることもありますが。イラストは殆どありません。
そのため人によっては味気ないという印象を受けるかもしれませんが、絵が入ると却って理解しづらくなるという方はこちらを選んだほうが良いかもしれません。
4-3. まんがDE入門経済学
参考:まんがDE入門経済学
マンガ+講義で~と同じく、漫画を多く用いた入門書です。入門とタイトルが付いてはいますが、経済学の入門書としてはハードルが高い方なので、できれば少し勉強をしてから読みたい一冊です。
一般均衡理論、ゲーム理論、経済学師など前の2冊と比べるといささか突っ込んだ複雑な話も出てくるので、時間があるときに読みましょう。
5. お金持ちの真似をしよう
何かを上達する上で最も重要になってくるのが模倣です。何をしたらうまくなるのかさっぱりわからないという場合は、まずはそれを上手にこなせている人の真似をするべきです。
最初は同じように真似出来ないかもしれませんが、繰り返しているうちにだんだんできるようになるはずです。真似がうまくなってくれば心理的にも余裕ができ、自分の個性を発揮できるようになります。
では、資産家は一体どのようなことを考え、どのように行動しているのでしょうか。世の中のお金持ちの傾向についてまとめた「となりの億万長者」ではその片鱗を学ぶことができます。その内容をちょっと紹介していきたいと思います。
まず、世の中の億万長者と言われる人間(資産家)の80%は、自身1代だけで富を築いています。お金持ちは親から財産を引き継いでいるので金持ちになるというイメージがありますが、実は世の中に現存する億万長者の多くは平凡な過程の生まれなのです。
また、同著によればお金持ちは以下のような行動をしています。
5-1. 収入よりも遥かに少ない支出で生活
資産家はさぞかし豪華な暮らしをしているのだろうと我々は考えてしまいがちですが、彼らの生活実態は意外にも質素です。この本の調査対象である「資産家」は「成金」とは違い、支出を抑えて生活しています。
興味もないのに高級車に乗ったり、身に余るような大きな家に住んだりすることもあまりありません。そのため。傍目にはその人がとんでもない資産家であるとはわからないくらいです。
当然、彼らは私生活では借金もしません。より設ける機会を増やすために借金をすることは合っても、単なる消費と浪費のために借金をすることはありません。生活や見栄のために借金を繰り返す多重債務者とはまるで逆の暮らしをしているわけです。
5-2. 資産形成のために限られた資源を効率的に使う
マンガ+講義で~のところでもちょっと触れましたが、経済学とは限られた資源を効率的に配分する方法を学ぶための学問です。彼らはそのことをよくわかっているので、自身が持っている時間、人材、そしてお金を効率的に配分しています。
無駄なこと、自分を幸せにしてくれないような怠惰な趣味には資源を投下せずに、費用対効果に優れているものに資源を投下します。
5-3. 世間の目よりもお金が大事
資産家は見栄や世間体のためにお金を使うことはめったにありません。同著によれば、億万長者の約半数は2万9000ドル(約350万円)以上の車を買ったことがなく、さらに5分の1は1万9000ドル(約240万円)以下の車しか買ったことがないと答えています。
億万長者は高級車のような費用対効果の薄いものには資産を投下しません。確かに高級車に乗れば世間はちやほやしてくれるかもしれませんが、彼らはそんなことには重きをおいていないのです。
5-4. 親から経済的支援を受けず、子供に支援もしない
資産家は総じて独立志向、自分の力で生きていくという意識が強いです。多くの資産家は社会人として独立した痕親からの金銭的援助を一切受けず、また独立した自身の子供に対しても金銭的援助をしていません。
自分の資産は自分で気づいて自分で守るという、自己責任意識が高いためです。
5-5. お金持ちを対象とした商売をしている
お金持ちの職業は弁護士、医師、住宅関連業、慈善事業、資産の鑑定や売却の専門家など様々ですが、彼らに共通しているのが、お金持ちを商売の相手にしているということです。
彼らはお金持ちは金払いがよく、普段は倹約家でも自分がいいと思ったものに対しては惜しげもなくお金を払ってくれる事をよく知っています。
世間では薄利多売が庶民の味方としてもてはやされる傾向がありますが、彼らはそんな商売では決して資産家になれないことを知っています。「多利薄売」こそが資産家への第一歩なのです。
5-6. 独立している
これはあまり以外な事実ではありませんが、資産家の多くは経営者、もしくはフリーランスです。当初は会社員だったという人はたくさんいますが、サラリーマンのまま資産家になたっという人は殆どいません。
億万長者になれなくてもサラリーマンのほうが安定しているから良いじゃないか、と思われるかもしれませんが、彼らはそうは考えません。彼らはサラリーマンであることにも十分なリスクが有ると考えています。
サラリーマンのリスクとは収入源が一つしか無いことです。会社におんぶにだっこになっている状態ではいつまでたっても独立できませんし、何より会社に万が一のことが合ったら無一文になってしまいます。
経営者やフリーランスに慣ればクライアントの数だけ収入を確保できます。むろん、企業にはリスクがつきものですが、彼らはそのリスクよりもサラリーマンでいるリスクのほうが大きいと判断しており、また実際に成功できるほどの実力を持っています。
6. 貧しい人の真似をやめよう
お金持ちの真似をする以上にある意味大切なのが、貧しい人の真似を避けることです。いきなりお金持ちと同じような行動をすることは無理かもしれませんが、貧しい人の真似を避けることは比較的簡単です。貧しい人は大抵の場合、お金持ちとはまるで逆の行動をしています。
6-1. 収入以上の支出で生活している
貧しい人によく見られる生活態度がこれです。己の分をわきまえることができず、自分の実力で稼いだ収入以上の暮らしをしてしまっています。お金が無いならないなりに工夫するということすらせず、いいやいいやで支出ばかり増やしてしまいます。
もちろんそれに見合った収入を得るための努力などもしません。これではいつまでたってもお金持ちになることができないばかりか、どんどん貧しくなってしまいます。
こうした負のスパイラルにいることに気がついて、そこから抜け出そうという気持ちを持つことが、成功の第一歩と言えるでしょう。
6-2. 限られた資源を無駄に使っている
人間が持てる資源の量は人それぞれです。生まれつきたくさんの資源を持っている人もいれば、少しの資源しか持っていない人もいるでしょう。しかし、大事なのはそこではありません。
自分が持っている資源をいかに効率的に配分し、それを増やすか、ということこそが何より大事です。しかし、貧しい人はそうしたことには全く目もくれず、自分の資源が少ないことに対して文句をいうことばかりに時間を使っています。
当然それでは資源は一向に増えず、結果としてますます貧しくなっていきます。世の中が不公平だという極当たり前のことに気が付き、それを受け入れて、向上心を持つことが、豊かになるためには重要です。
6-3. 世間の目ばかり気にして生活している
貧しい人ほど何故か世間の目を気にしますが、世間の目を気にするなんていうのはある程度お金を持っている人だけに許されたことです。
貧しい人は他人の私選などには目もくれず、どうやってのし上がるのかを優先的に考えるべきです。くだらないものにお金を費やして多重債務者になっている場合ではありません。
6-4. 親から経済的支援を受けている
人間、二十歳を過ぎたら独立して生きていかなければなりません。いつまでも親の庇護のもとに甘んじていると、独立してやろうという気持ちはどんどん削がれていきます。
他人からの支援を受けるのが当たり前になってしまうと、その支援が何らかの事情で立たれたときに大変な思いをすることもあります。
なお、ここでいう独立とは必ずしも親元から離れることと同義ではありません。
例え親と一緒に暮らしていても、それに見合った生活費を収めていて家事もしているのならば実質的にはほぼ独立しているといえますし、逆に一人暮らしをしていても親から援助を受けているようではそれは独立とはいえません。
むろん、中には特別な事情で親元からなかなか独立ができないという人もいるでしょう。それ自体は仕方のないことですが、だからといって親に過度に依存するのはいけません。独立できない生活の中でも、少しずつ独り立ちに向かっていくことが大切です。
6-5. 貧しい人たちを対象とした商売をしている
貧しい人たちを対象とした商売でははっきり言って稼げません。中には某居酒屋チェーンの社長のような出世をする人もいるかもしれませんが、それは大多数の社員の不幸と引き換えであり、スマートとはいえません。
真の資産家は自分だけでなく、仕事を通じて間接的にではありますが他人も幸せにできる人です。貧しい人から搾取するだけの商売では幸せを広げられず、そうした商売は長続きしません。
6-6. 組織にしがみつこうとしている
組織と個人はお互いがお互いを利用するために結びついています。組織は人を雇ったほうが雇わなかったときよりも利潤が大きくなるので人を雇いますし、個人は組織に雇われたほうが雇われなかったときよりも利潤が大きくなるので雇われる、ただそれだけです。
組織のためにならない個人も、個人のためにならない組織も、いざとなったら簡単に切られてしまいます。前者はリストラ、後者は優秀な社員の自主退職と言うかたちで主に現れます。
特に後者は深刻です。優秀な社員がどんどんやめていってしまえば、残るのは無能な社員ばかりになります。無能な社員ばかりになると組織の売上はますます落ち込み赤字は大きくなり、更に経営は苦しくなります。
このスパイラルに入ったら組織は最後、まず復活することはありません。組織に最後までしがみつこうとしても、最後は組織自体が倒れてジ・エンド、というのがよくある流れです。
組織にしがみつこうとするのではなく、組織がなくても最低限生きていけるくらいの実力はつけるようにすることが何よりも大切です。
7. お金だけでなく、お金以外のことについても学ぼう
お金について学ぶことはとても大切ですが、世の中は当然ながらお金だけで回っているわけではありません。お金を使う人、自然、科学等さまざまな要素が複合的に絡んで成り立っています。
お金について、経済についてのみならず、それ以外の学問もまんべんなく学ぶことが大切です。
中でも最低限押さえておきたいのが科学分野です。何も最新の科学ニュースについて必ず勉強しろとか、そう言うことではありません。ただ、最低でも中学生ぐらいの知識は身につけておいたほうが良いということです。
世の中には中学生の理科どころか、小学生の生活レベルで科学知識が止まってしまっている人が意外と少なくありません。そうした人達が聞こえのいい言葉、例えば「自然派」といったような言葉に騙されます。
科学について学ぶことは、お金について学ぶことと同様に、他人から騙される可能性を軽減するのに向いています。
無論科学は万能なものではありませんが、科学は人間が今まで営々と築き上げてきた知識を体系づけたものであり、少なくともスピリチュアルだオカルトだと言ったようなものと比べれば、相対的にはるかに信頼できます。
信仰心を持つことは悪いことではありませんが、それに飲み込まれすぎて自分どころか他人までも不幸にしてしまわないように気をつけましょう。
8. 急に金持ちになるのは危険だと知ろう
世の中には継続的な努力ができず、ギャンブルや宝くじで一攫千金を狙う人がいます。しかし、それは決して正しい態度とはいえません。一つ目の理由はそもそもギャンブルや宝くじは胴元が勝つようにできていて、やればやるほど損をする仕組みになっているのです。
胴元たちは怠惰な人間の楽して稼ぎたいという気持ちを利用して、誰よりも楽に稼いでいるのです。
むろん、そんな中でもギャンブルに勝つ人はたしかにいます。しかし、ギャンブルで勝った人間が幸せになれるかというと、それはまた別の話です。
宝くじで高額当選を果たした人には、【その日】から読む本という小冊子が無料で配布されます。この小冊子は高額当選を果たしたあとに何をすれば良いのかが順番に書かれています。
出典:livedoorブログ
冊子には
- ローンや借金がある場合は最初にそれを全部返済してしまうこと
- 浮かれて仕事をやめないようにすること
- 当選したことを教える人と教えない人を冷静にピックアップすること
- 贈与税がいくら掛かるか
- 遺言書の作成はどうすればいいか
などが記載されているそうです。同様の小冊子は日本よりも高額な宝くじが多数存在するアメリカ、カナダなどでも発行されています。
ですが、こういう冊子が合ってもなお、最終的に破産や自殺、あるいは薬物中毒などの悲惨な末路を迎えてしまう人が跡を絶ちません。お金というのはそれだけ魔力を持っているわけです。
なぜお金を急に手に入れるとだめになってしまうのでしょうか。それは周りからちやほやされるためです。
お金があって誰にも相手されない人というのはめったにいません。お金がないときには自分のことを見向きもしなかった美男美女が、お金を持つようになった途端に擦り寄ってくることなど、珍しいことではありません。
しかし、それはあくまでもお金に対して擦り寄ってきているだけであって、その人自身に魅力があるわけではありません。
ところが、急に金持ちになった人はそういうことがわかりません。まるで自分自身が急激に人気ものになったような錯覚を起こしてしまい、その人気を維持向上させるためにくだらないことにばかりお金を費やしてしまいます。
そのお金が続いているうちは良いですが、宝くじで手に入れたお金はあっという間に消えてしまいます。お金がなくなれば、金の切れ目が縁の切れ目とばかり、今までちやほやしていた人は急激に周りから離れていきます。
あとに残るのは破産した1人の文無しだけ……世知辛いですが、これが世間というものです。
一方、徐々にお金持ちになるための努力をして、それを開花させた資産家は、擦り寄ってくる人たちに心を惑わされることがほぼありません。
彼らはお金持ちという立場に徐々に身を慣らしていった人たちであるため、お金の持つ魔力に心を奪われにくく、冷静に周りを見ることが出来るのです。
彼らはお金の匂いに誘われてきた人たちには敏感ですし、そうした人たちはやんわりと拒否します。一方で一生付き合っていくことができそうな親しい友人もいます。
だからこそ彼らはますます資産を増やしていきますし、万が一落ちぶれることになったとしても誰かから手を差し伸べてもらえます。お金持ちというベールが剥がされて、裸の人間になったときに、本当の価値がわかるものです。
9. お金の使い方について学ぼう
お金の稼ぎ方を知ることはもちろん大事ですが、それ以上に大切なのがお金の使い方について学ぶことです。せっかく稼いだお金をくだらないことに浪費してしまい、資産を失っていく人が世の中には少なくありません。
前述した宝くじの高額当選者の成金などはその最たる例です。では、いざお金を手に入れたら、一体どのようなことに使えば良いのでしょうか。
まず覚えておいてほしいのは、お金にはお金を生む力があるということです。お金持ちの人がよりお金持ちになっていくのは、資金がないと参加できない利回りの良い投資に積極的に参加できるからです。
お金がお金を生む以上、つまらないことにお金を使ってしまうのは戦場で実弾を無駄撃ちするような行為であり、慎むべきです。
それよりもお金は自分自身が成長するために使うべきです。本を読んで知識を手に入れる、セミナーに参加して他者との交流を深める……
成長の方法は色々ありますが、こうして自身を成長させることにより多くのお金が手に入る用になり、お金がお金を生む正のスパイラルに突入することができます。
世の中では意識高い系は馬鹿にされる傾向があります。確かに、意識だけ高くて何も行動を起こさない人間は間違いなく愚かです。しかし、高い意識を持ち、それに伴った行動が出来る人間は間違いなく立派です。
少なくとも安全な立場からレッテルを貼って遊んでるだけの人間よりは遥かに良い人生を歩んでいます。
言いたいやつには言わせておけば良いんです。どうせ彼らは一生貧しいまま人生を終えるのですから、将来金持ちになるあなたにとってはどうでもいい存在です。
ただし、いつも自己成長のことばかりを考えているとストレスになります。ときにはストレス解消のために遊びにお金を使うことも重要です。楽しく遊部のは気分転換にもなりますし、何か遊びから新たな発見をすることが出来るかもしれません。
しかしその場合でも、ギャンブルにだけは手を出してはいけません。ギャンブルはお金を損するだけでなく、ギャンブル依存症になる可能性を自ら買う非常に馬鹿げた行為です。
また、時には自分のためでなく、他人のためにお金を使うのもいいでしょう。といっても、これは他人を助けるのが目的ではありません。自分の立場をより有利にするために他人のためにお金を使うのです。
人間、他人に助けられればどうしても恩義を感じます。よほど冷淡な人間でない限りは、受けた恩を返そうとするものです。
そうした人たちに先んじて恩を売っておくのは、将来自分の利益になるはずです。逆に言えば、助けても恩義を感じないような人間を助けるためにお金を使うべきではない、とも言えます。
このあたりの人の見極めをするのは簡単なことではありませんが、1人の人間として社会経験を積んでいけば、自然と恩を返してくれそうな人、恩を返さなそうな人の区別はつくようになるはずです。
逆の立場から見れば、他人から恩を受けた場合は、出来る限りそれに報いるべきです。そうすれば将来また助けてもらえるかもしれないからです。
10. 最後に
資産家に嫉妬しているだけではお金持ちになれないどころか、ますます貧しくなっていきます。まずはお金持ちになるための勉強と努力をしましょう。