300万円の借金はどうすれば返済できる?借金返済計画まとめ

住宅ローンなどではなく、消費者金融やクレジット会社からのキャッシングが300万円もあるということは多重債務で辛い状況に立たされていると思います。

返済計画を立てる上で苦労することも多いでしょうし、完済までの道のりがあまりにも遠くて頭を抱えているかもしれません。

借金が300万円に膨れ上がった理由は色々考えられますが、「最初は数十万円借りるつもりだったのが膨らんでしまった」と、予想外の借金だったというケースは珍しくはありません。

借金をすると一時的にお金が増えたような錯覚に陥ることがありますが、その錯覚から抜け出せないでいると、お給料に見合った生活ができなくなって借金がかさんでしまいます。

では、300万円という大きなお金を返済していかないといけない場合、どういった工夫や努力が必要になるのか見ていきましょう。

借金300万円を返せる人、返せない人

300万円もの借金の内訳としては、消費者金融や銀行からの借り入れに加えて、ショッピングでリボ払いをしているというケースが多いです。まずは、可能な限りの買い物を現金払いかデビットカードで処理し、これ以上借金を増やさないことを心がけてください。

借り入れがストップできたら、次は返済していくためのプランを立てていきます。

毎月の返済額や利息を確認する

さて、早速300万円の借金を返済していくために計算していきましょう。

まず年率についてですが、100万円以上の貸付だと年率は15%を超えてはいけないと利息制限法で定められているので、15%だと仮定して計算していきます(アコムのシミュレーターを使用)。

返済回数でシミュレーション(アコムの場合)

年率返済回数毎月の返済金額
1536103,995

300万円と借入額が大きいので、返済回数は36回で計算しました。すると、毎月の返済額は10万円と少し、利息の総額は743,842円とやはり相当な金額になることが分かります。

毎月の返済金額でシミュレーション(アコムの場合)

年率毎月の返済金額返済回数
1560,00079

返済回数は年率によって返済回数の上限が決まっています。
アコムで年率15%・300万円借りた場合、毎月の最低返済金額は元金と利息を合わせて60,000円になります。

ただし、このケースですと、60,000円返済の内、37,500円は利息になってしまいます(1回目の返済)。半分以上が利息で飛んでいくというのは、かなり厳しい状況ですよね。

利息の総額に至っては、何と170万円を超えてしまいます・・・。

しかも、上記は15%で計算してこの金額です。これが借入限度額100万円未満で複数の金融機関から借入をした場合、年率は18%が上限となりますから、より負担が大きくなってしまうのです。

債務整理を考えるべきラインは?

どうしても借金の返済ができない時は債務整理を行うことになります。

債務整理は債務者が抱えている利息や元本を減らすための制度ですが、実際のところ「返済できない状態」ってどのくらい困窮していることを言うのでしょうか?

総量規制とは?

まず、消費者金融には総量規制というものが設けられています。

総量規制とはある債務者が借りることのできる借金を年収の3分の1以上にしてはいけないというものです。

これは言うまでもなく、年収の3分の1を超える借金を重ねると自力での返済が難しくなるためです。

よって、300万円の借金を、余裕を持って返すためには900万円の年収が必要ということになります。年収900万円を超えている人は少ないと思われるので、自力で完済していくなら、相当な努力をしなくてはいけません。

ちなみに消費者金融やクレジット会社などは総量規制の対象になりますが、銀行のカードローンや自動車ローン、住宅ローンなどについては対象外となっています。

債務整理とは?

債務整理は任意整理と個人再生、自己破産があります。

・自己破産:債務を帳消しにする
・任意整理:弁護士(司法書士)が債権者(消費者金融など)に対して、今度の利息のカットなどを求めるために交渉する
・個人再生:弁護士が裁判所に申立をして、借金の減額+3年(事情がある場合は5年)で完済できるよう計画を立て、計画通り分割払いが終われば全ての債務がなくなる

債務整理によって延ばされる返済期間は原則として3年、場合によっては5年となっています。

借金の支払いが3年かかっても無理という場合は任意整理が必要となります。

テレビCMなどで「過払い金請求」という言葉が広く知られるようになりました。これは任意整理をしていく中で、利息制限法に基づく引きなおし計算をして過払い金の発生があった場合に、払いすぎた分が戻ってくるという仕組みになっています。

元金の返済だけにしても、3年では難しい時は個人再生や自己破産を検討していくことになります。

仮に、300万円を3年で返すとしたら月々83000円+利息となります。2年で返す場合は月々12万5000円+利息、そして1年で返す場合は25万円+利息となります。

これだけのお金が家計から出る時に、手取りの2割以内に収められればまだ余裕を持った返済が可能と考えられます。ですが、3年でも8万円を超えるのですから”2割以内”をクリアできる人はそういないでしょう。

消費者金融などから300万円の借り入れがあるなら、債務整理を検討すべき段階にきていると考えられます。

債務整理の具体的な効果とデメリット

債務整理には任意整理、個人再生、自己破産の3種類があります。それぞれどんな効果とデメリットがあるのかを詳しく見ていきましょう。

300万円の借金の場合は、自力での返済ではなく、債務整理を考える必要があります。ネット検索で返済シミュレーターを探してチェックしてみるのもおすすめです。

任意整理

任意整理は裁判所を通さずに行う和解交渉のことで、元金は減らせないものの、将来の利息をカットすることができます。もし、2010年以前の借金であれば利息を払い過ぎている分、元金と相殺できる可能性があります。これはかつて「グレーゾーン金利」が存在したからです。

任意整理の弁護士費用は1件につき2~4万円で、元金との相殺または過払い金が戻ってきたときはその15~25%が成功報酬となります。

任意整理のデメリットはその記録が5年間信用情報機関に登録されることです。これがブラックリストに載るということです。ブラックリストに載るとクレジットカードやローンカードの発行はできなくなってしまいます。

個人再生

個人再生の場合は債務を100万円まで減らすことが可能です。本当は5分の1まで減らすことができる制度ですが、下限が100万円と決まっています。よって、300万円の債務であれば100万円までの減額が限度というわけです。

個人再生の場合は債務の元金も減らせるのはメリットですが、5~7年ほど借入ができない状態になる(ブラックリスト)、一部の財産が差し押さえになることといったデメリットがあります。

個人再生の弁護士費用は40万円+減った債務の15%程度が相場です。

自己破産

任意整理と個人再生は「返済の負担を減らして完済を目指す」ことが目的でしたが、自己破産は借金を免除することが目的です。そのため、支払い不能であることの証明が求められます。

支払い不能と分かれば債務が帳消しになりますし、めぼしい資産が残っている場合はそれらをお金に変えて弁済していきます。その後、債務が帳消しになるという仕組みです。

自己破産の場合は、5年から長くて10年くらいは借入ができなくなります。

弁護士費用については、40万円ほどで、成功報酬はありません。

借金が300万円ある人の多くは、任意整理か自己破産を選択しています。できれば借金が300万円に膨らむ前に家族や弁護士に相談して欲しいところですが、とにかく一日も早く解決に向けて法に助けてもらいましょう。

支出を減らすためにできること

借金が300万円あって、それを自力で完済していく場合、ちょっとした節約での返済では厳しいですが、支出を最低限にする努力をするなら、こうした方法があります。

家賃を減らす

まず、数万円単位で節約できるものと言えば家賃です。

引っ越し代はかかりますが、長い目で見れば得られるお金の方が大きいです。住居の場所は大きく変える必要はありません。ただ、快適さや部屋の広さは妥協しなくてはいけません。

もし、持ち家である場合は住宅ローンと合わせてかなりの債務になっていることが考えられます。任意売却も視野に入れて行動しましょう。

家賃を減らすうえで最も有効な手段は実家に帰ることです。実家は家賃がかかりません。仮にお金をいくらか入れることになったとしても食費や光熱費は大幅に節約することができます。恥ずかしいかもしれませんが、いざという時に頼れるのが家族です。

実家に帰るうえでは、その近くで働ける場所を見つけた後にすると収入が途切れません。

生活費を減らす

生活費も可能な限り節約する必要があります。ですが、借金300万円の返済は長期戦になるため過度の引き締めは続かないので避けるべきです。

生活費の中で優先して減らしたいのは食費とスマホ代、そして交際費です。食費は自炊にすれば月2万円程度に抑えられますし、スマホ代も格安SIMに変えることで月2000円台にまで抑えられます。

また、外出や飲み会を自粛するだけでも借金返済に回すことができます。

収入を増やすためにできること

借金300万円を返すためにはそれなりに収入を増やす必要があります。それこそダブルワークと言えるくらいに働く必要があるでしょう。

アルバイトを増やす

手っ取り早く収入を増やすならアルバイトです。夜間に行うなら工事現場やコンビニ、タクシードライバーなどの選択肢がありますし、朝早くであれば新聞配達という選択肢があります。

他にも引っ越しやイベント設営、試験監督といった日雇いのアルバイトも入れると収入が増えていきます。その分体が疲労感は大変なものでしょうが、借金を返すためには、健康に気をつけつつ、頑張っていくしかありません。

女性の場合はキャバクラやチャットレディといった高収入アルバイトもありますが、身を守れる範囲で働いてください。

物を売る

家にあるものは可能な限り売却します。

借金がかさんでいる状態ではものとして残すよりも少しでも手元にお金が入るようにすることが大事です。中には資産価値があるからこそ手放したくないものもあるでしょうが、財産が差し押さえになっては元も子もありません。

まとめ

返済が厳しい状況であっても、自分で借りたお金は何とか自分で返していきたい、誰にも知られたくないと思う気持ちは分かります。

ですが、300万円どころか今後ももっと膨らんでいくリスクが高い以上、法律の専門家である弁護士を頼るべきです。

借り入れをしたら返済するという契約が守れなかったことについては、返済計画が甘かったと言わざるを得ないでしょう。

何より、300万円になる前に専門家に相談していたら良かった・・・というのは大きな反省点と言えます。

ですが、借金から守ってくれる法律があるのですから、それを活用してもいいのです。
大切なのは、これからの人生をどうやりくりして生きていくか・・・なのですから。

無料で相談もできますし、もちろん個人情報もしっかり守ってくれますから、安心してください。弁護士費用についても細やかな対応してくれます。

債務整理後は、何年か借り入れできない期間があります。この間に自身の収入に見合った生活を確立していき、借りなくても余裕を持って生活していける環境をつくっていきましょう。