借金の効率的な返し方ってあるの?

貯金を引き出す感覚でキャッシングやカードローンの利用を繰り返していたら、いつのまにか借金が相当な金額に膨れ上がっていた……という経験をされたことがある方は意外と少なくありません。

特にキャッシングは一度審査に通ってしまいさえすれば非常に気軽に使えるため、その限度額が自分の貯蓄であるという錯覚を起こしてしまいがちです。

本記事ではキャッシングやカードローンを利用しすぎていつの間にか膨大な借金を築いてしまった人向けの、効率的な返済方法を解説したいと思います。すでに借金がある人にとっては必見の内容です。

※返しても返しても減らない方はこちらへ

債務整理は最後の手段、まずは返済する方法を考える

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債務整理は大きな借金がある人にとっては確かに心強い味方ではありますが、相応のデメリットもあることを忘れてはいけません。何度も何度も債務整理に頼るのは非常に危険です。

まずは自分の力で借金を返そうという意思を持つことが大切です。債務整理を考えるのは、自力だけではどうしようもないということに気が付いてからでも遅くありません。

借金がある事実は親しい人には話すべき

借金があることを恥だと思う気持ちは確かにわかりますが、だからと言ってそのことを隠し続けるというのはあまりいいことではありません。一人で抱え込めば抱え込むほど、精神的に追い詰められていくはずです。

精神的に追い詰められれば仕事にも身が入らなくなりますし、それがきっかけで解雇なんてことになったらもっと困ります。

借金があるという事実は、少なくとも家族には打ち明けるようにしましょう。おそらくはひと悶着あるでしょうが、隠し続けて隠しきれないところまで追いつめられるよりはずっとましです。直接言うのが難しいという場合は、手紙やメールでも構いません。

とにかく、借金があるという事実と真摯に向き合うことが大切です。周囲からの理解が得られれば、気持ちも楽になります。

他人から金銭的な援助を受けない

他人に借金があるという事実を話すことは大切ですが、その人から金銭的な援助を受けるのはやめたほうがいいでしょう。受けていいのは精神・知識面のサポートまでです。自分で作った借金は自分で返済するのが世の中のルールです。

何か苦しいことがあるたびに過剰に周りに甘えるというのは、大人の態度ではありません。たとえ他人の援助で借金を返済することができたとしても、再び借金をこさえる可能性が高いです。

そうなったときに周囲の人から見限られたら、困るのはあなた自身です。自分で作った借金は自分で返すという意思をきちんと持ちましょう。

現在の自分の借金額を書き出してみよう

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借金を返していく腹が決まったら、まずは自身の借金の合計額を書き出してみましょう。多重債務に陥る多くの人は、自分の借金の額を正確に把握していないというのが現状です。

現在の借金の額がわからなければ、効率的な返済計画も立てようがないですし、なんとなく返済を続けていても払っていたのは利息ばかりで元金が全然減らないということもありえます。

どこから借りているのかはわかっているけれど、その額がよくわからないという場合は、請求書や領収書を使って計算するのが最も簡単です。

しかし、金融機関の中にはこちらが求めない限り領収書や請求書は請求しないというところもありますし、もらった領収書や請求書を捨ててしまっているという方もいらっしゃるでしょう。その場合は、金融機関に対して取引履歴の開示請求をすればOKです。

開示請求はとっても簡単です。借入先の金融機関に電話をして「今いくら借りているのかわからなくなったので、取引履歴を教えてほしい」と告げるだけです。すると開示請求の詳しい方法を教えてもらえますので、その指示に従ってください。開示請求は無料で行えます。

中には開示請求に応じない悪質な業者もあるようですが、本来金融機関は開示請求には必ず応じなければならないという義務があります。万が一開示請求を断られた場合は、日本貸金協会や各地方の財務局などにご相談ください。

どこから借りているのかもわからないという場合は、信用情報機関に開示請求をします。信用情報機関とは、各人の借り入れや返済に関する情報をまとめて管理している民間の企業です。

現在の日本にはCIC(シーアイシー)、JICC(日本信用情報機構)、全国銀行個人信用情報センター(全銀協)の3つの信用情報機関があります。

金融機関はこの3つの信用情報機関のいずれかに登録しています。どこから借りているのかわからないという場合は、すべての信用情報機関に対して開示請求を行うといいでしょう。

具体的な開示請求の方法については、各信用情報機関のウェブサイトを参考にしてください。開示手数料が500円~1000円程度かかりますが、借金の額を把握できると思えば安いものです。

なお、確かに借金をした記憶があるにもかかわらず、いずれの信用情報機関にも情報が残っていなかった場合は、その借金がすでに時効を迎えている可能性があります。

そのような場合は、決して金融機関に問い合わせをしてはいけません。借金は時間が経つだけでは時効を確定させることはできないからです。下手に動いて借金がある事実を認めてしまうと、借金の時効が無効になってしまいます。

時効を成立させるには、時効援用という特別な手続きが必要になります。手続きの方法に関しましては、当ウェブサイト内の記事も参考にしていただければと思います。

借金の時効援用を絶対に失敗させないために必要なこと

FPに相談して借金の返済計画を立てよう

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借金がいくらあるのかわかったら、いよいよ借金の返済計画を立てます。しかし、効率的な借金の計画を立てるというのは簡単なことではありません。特に借金をずるずると増やしてしまうような人には難しいと言えるでしょう。

そこでおすすめしたいのが、FP(フィナンシャルプランナー)への相談です。フィナンシャルプランナーとは、人生の総合的な資金計画を手伝ってくれる人たちの総称です。

彼らは税金、不動産、住宅ローン、保険、年金制度、教育制度など幅広い知識を持っており、個々人に合った適切なアドバイスを行ってくれます。

しかし、FPならば誰でもいいのかというと、もちろんそんなことはありません。FPにもそれぞれ得意分野というものがあります。年金に特に詳しい人もいれば、教育資金について非常に詳しい人もいます。

このようなケースでは当然、借金の返済に詳しい人に相談すべきです。

FPは必ず有資格者を選ぼう

FPの業務は独占業務ではないため、資格を持っていない人でもFPを名乗ることはできます。しかし、当然のことですが有資格者と無資格者では全く信頼性が違います。FPに相談する場合は、必ず有資格者に相談するようにしましょう。

FPの資格は一種類ではなく、CFP資格 、AFP資格、FP技能士などがありますが、おすすめはCFPもしくはAFP資格です。全体的に知識水準が高く、あまり当たり外れが激しくないからです。

まずは無料相談から試してみよう

FPへの相談は基本的に有料ですが、場合によっては無料で相談を受け付けてくれているところもあります。たとえば、日本FP協会は東京、大阪、札幌、仙台、名古屋など全8か所で定期的に無料相談会を行っています。

また、FP広報センターでは普及活動の一環として、電話での無料相談を受け付けています。対面よりも安心感は落ちますが、電話相談なので場所を選ばないという利点があります。むろん回答者は全員有資格者です。

有料の場合は事前に相談料をチェック

有料の場合は、それぞれのFPが独自に料金を設定しているため、金額はまちまちですが、多くのFPは「1分当たり○○円」という時間制にしているようです。

月額●●円、年額◆◆円という契約にしているFPもいるようですが、借金問題について相談する場合は時間制のFPを選んだほうがいいでしょう。FPに相談する費用がかさんでしまっては本末転倒だからです。

ちなみに、日本FP協会の認定FPに限って言えば、1時間当たりの相談料は5000円~1万円が全体の41%で最も多く、次いで1万円~2万円が28%、5000円未満が25%で続いています。

いずれにせよ安い買い物ではないので、相談前には相談したいことを十分にまとめておく必要があります。

信頼度の高いFPの探し方

FPに会うだけならそれほど難しくありません。銀行や証券会社の相談窓口に行けば会えます。しかし、彼らは企業に所属しているFPなので、最終的には自社製品を勧めてくることが多くお勧めできません。そもそも彼らが詳しいのは金融商品であり、借金問題ではありません。

一方、企業に所属していない独立系FPは比較的中立のアドバイスをくれるので信頼度は高いといえます。ただし、完全に中立な意見を貰うのは難しいでしょう。彼らにも思想や人間関係というものがありますからね。

意見を聞く際にはそのことを理解しておく必要があります。バイアスのかかってない意見などまず存在しないのです。

外に出向いてFPを探すのは面倒くさい、もっと楽していい人と出会いたいという場合は、FP紹介サービスを利用するといいでしょう。ここではインターネットを通じてFPに出会えるサービスを2つ紹介したいと思います。

日本FP協会 CFP認定者検索システム

このサービスでは、CFPの資格所持者を住所や得意分野から検索することができます。検索には所在地から探す「簡易検索」と、相談料金や保有資格も設定可能な「詳細条件検索」の2種類から選びます。

認定者については顔写真、保有資格、相談料、所在地などが記載されているため安心です。ウェブサイトから直接申し込むこともできます。

https://www.jafp.or.jp/confer/search/cfp/

マイアドバイザー.jp

マイアドバイザーはFPをはじめとするさまざまな専門家を紹介するサービスです。FP以外にも社会福祉士や宅地建物取引主任者、DCプランナーなどの様々な資格保有者を検索・相談することができます。

http://www.my-adviser.jp/

借金を返済し終わった後も油断は大敵

FPの指示に従って借金を返済したとしても、そこで油断して財布のひもを緩めてはいけません。借金は返すのは大変ですが、借りるのはごく一瞬です。ちょっとした油断から再び借りてしまうようでは元の木阿弥です。

借金につながりかねないカードなどはすべて解約してしまいましょう。借金の手段をなくしてしまえば、借金せずに済みます。

借金を返し終わった後も引き続き規則正しい生活を続けて、余裕があれば少しずつ貯金や投資にチャレンジしていくといいでしょう。自由に使えるお金が増えてくれば、お金にコントロールされず、逆にお金をコントロールできる生活が送れるようになります。

それでも支払いが難しい場合は債務整理も視野に

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現在の収入や借金の状態などから考えて借金の返済が難しい場合は、債務整理を勧められるかもしれません。確かに借金が返済できない場合は債務整理は有力な選択肢になりますが、何も考えずに債務整理を行うのは危険です。

債務整理を行う際は、必ず弁護士などの専門家の手を借りるようにしましょう。専門家を雇うのはお金がかかるから……と思われるかもしれませんが、債務整理によって減額できる借金の額の方が、専門家に支払う報酬よりも多くなることが大半なので心配は不要です。

どうしても費用が心配という場合は、依頼のまえに無料相談をすることもできます(現在はほとんどの弁護士事務所が事前の無料相談を受け付けています)。返済で追い詰められたら、必ず専門家に相談してください。