そもそも借金をするメリットとデメリットって何?

世の中には借金を絶対悪のように敵対視する人がいますが、その考え方は正しくありません。借金にもメリットとデメリットがあるものです。メリットの方が大きい借金はしても問題ないどころか、生活や人生をよくしてくれる可能性が非常に大きいです。

今回は、借金のメリットとデメリットについて解説したうえで、借金をいい借金と悪い借金に分類していきたいと思います。

借金をするデメリットは利子だけではない

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借金のデメリットと聞くと多くの人が「利子を付けて返さなければならないこと」を思い浮かべられると思います。

確かに借金の一番のデメリットは利子をつけて返さなければならないことで間違いないのですが、ほかにもデメリットはあります。借金の主なデメリットは以下の4点です。

利子の支払いがある

ビデオショップでDVDやブルーレイディスクを借りたら、その代償としてお金を支払わなければなりません。コピー機をリース契約したら、その代償としてリース料を支払わなければなりません。

それと同様に、金融機関でお金を借りたら、その代償としてお金を支払わなければなりません。利子はいわばお金のレンタル代金のようなものです。

利子の計算は一般的に借り入れ日数と金利から計算します。具体的には、以下の式を利用します。

利子=借入額×金利÷365日×借入日数

たとえば、借入額が100万円、金利が10%の場合について考えてみましょう。この場合、上記の式は以下のようになります。

利子=100万円×10%÷365日×借入日数=273.9726……×借入日数≒274×借入日数

利子は借入した日から発生し、借入日数が延びるにしたがって増えていきます。たとえば上記の借金を1日で返せば利子は274円にしかなりませんが、1年かかったら10万円になります。

お金がないから借金しているのに余計に利子を取られるのは理不尽だ、と思われるかもしれませんが、これが資本主義社会の仕組みなのですから仕方ありません。

精神的な負担が生まれる

借金があると精神的な負担が生まれます。特に問題になりやすいのが、消費者金融からの借金です。

住宅ローンは審査が厳しく、確実に返せると銀行が踏んだ場合しか借りられないうえ、金利が低いので、借金の額自体が大きくてもそれほどプレッシャーにはなりません。

それに対して消費者金融からの借金は額が中途半端なうえ、金利が高いので真綿で首を絞められているような感覚に陥ります。もちろん、住宅ローンにより大きなプレッシャーを感じる人も少なくありませんが……。

ちなみに、アメリカで行われたストレスの大小を数値化する取り組みによれば、「配偶者の死」によるストレスを100としたとき、「1万ドル以上(約110万円)の借金」のストレスは31、「1万ドル以下の借金」のストレスは17になるとか。

ちなみに、「肉親の死」は63、「転職」は36、「子供が家を出る」は29となっています。

返済事故を起こすと、将来の人生にも影響が及ぶ

借金の利用歴や借金の返済状況、金額などは新たな借り入れを起こすときの審査の材料として使われます。こうした情報は信用情報機関と呼ばれる機関に登録されています。

また、重大な返済遅れを返済事故と呼びます。返済事故を起こした場合、そのことも信用情報機関に登録されます。

新たな借り入れを行う際には金融機関は通常、信用情報機関の情報を参照します。信用情報機関に返済事故などの情報が残っていると新たな借り入れをするのは難しくなります。

これらの情報は通常、1年から10年程度で削除されます。言い換えれば、返済事故を起こしてから1年~10年程度は借入が極端に難しくなってしまうわけです。

返済事故を起こすと、クレジットカードによる支払やキャッシングはもちろん、住宅ローンや自動車ローンなどの人生の大きな買い物もまともにできなくなってしまいます。「借金をちゃんと返せなかった」という事実は大いに信用を無くすのです。

債務整理の可能性が生まれる

借金の返済ができなくなった場合は、債務整理をすることになります。債務整理とは簡単に言えば、借金を私的、もしくは公的な手続きによって少なくしたり、なくしたりすることです。

債務整理の中でもとくに有名なものに自己破産がありますが、債務整理の選択肢はもちろん自己破産だけではありません。任意整理、個人再生、特定調停といった解決方法も存在しています。

債務整理は法律で認められた手段であり、借金の返済が苦しいときに利用することは何も悪いことではないのですが、それなりにデメリットもあるのであくまで最後の手段と考えたほうがいいでしょう。

債務整理をしたということが万が一周囲に知られれば「あの人は借金を踏み倒した人だ」と思われてしまう可能性もあります。

債務整理は合法的な手段なのですからそんなこと言われる筋合いはないと思われるかもしれませんが、世間的にはやはり「債務整理をした人=借金を踏み倒した無責任な人」なのです。

借金にはメリットもある!

xf3565082308w上記の文章だけ見れば一見借金にはデメリットしかないようにも思えますが、もちろんそんなことはありません。借金にメリットがあるからこそ、多くの人は借入を起こしているのです。借金の主なメリットは以下の3点です。

必要なものが早く手に入る

借金の一番のメリットは、必要なものが早く手に入ることです。

たとえば、今の日本ではほとんどの人は住宅を買う際に住宅ローンを組んでいますが、仮にこの住宅ローンという制度がなくなり、住宅を買う際には現金一括購入以外の手段は認めない、という世の中になったらどうなるでしょうか。

そんなことになったら若いうちから住宅を買えなくなってしまいますよね。50歳、60歳になったら買えるかもしれませんが、その時点では子供たちも独立しているでしょうから、ファミリータイプの住宅は売れなくなってしまいます。

そうなったら建設業界も困りますし、消費者も困ります。住宅ローンという制度があるおかげで、私たちは若い段階で住宅を手に入れることができるのです。カーローンや教育ローンについても同じようなことが言えます。

金融機関から信用される

借金を行い、返済をするとそのことが信用情報機関に登録されます。金融機関は借金をしたことがない人よりも、借金をしてそれをきちんと返済したことがある人のことを高く評価します。借金を誠実に返済することは、金融機関から信用を勝ち取ることにつながるのです。

金融機関から信用されてそれが何になるのか、と思われるかもしれませんが、金融機関からの信頼は実は住宅ローンの審査に大きな影響を与えます。

借金の返済実績があれば審査に通りやすくなるだけでなく、金利を引き下げてもらえる可能性もあります。もちろん、きちんと返済を行わなければ、逆に信用を失うことになりますが……。

投資すればレバレッジ効果が生まれる

レバレッジとはてこの原理のことです。もう少し細かく言えば、自己資金に対する全資金の割合のことです。

たとえば、100万円の自己資金に900万円の借金を加えて1000万円の投資をする場合、レバレッジは1000万÷100万=10倍となります。仮に自己資金が10万円で借金が990万円だった場合、レバレッジは100倍となります。

レバレッジを聞かせればそれだけ、大きな投資ができるようになります。その結果、借金をしていなかった時よりも最終的な利益が増えることすらあるのです。

たとえば、今ここに自己資金が1000万円あるとしましょう。そしてそのお金を使って、営業利益20%のビジネスを始めるとします。もし自己資金だけでビジネスを行えば、営業利益は1000万円×20%=200万円です。

ほかに使った費用がない場合、経常利益もそのまま200万円になります。

一方、ここに金利2%で借りた軍資金9000万円を加えた1億円で同じビジネスを行った場合、営業利益は1億円×20%=2000万円です。一方、支払利息は9000万円×2%=180万円です。

したがって、経常利益は2000万円-180万円=1820万円となります。前者の例と比べて、経常利益は9倍以上になりました。

レバレッジを大きくすれば、このようにより大きな利益を手にすることができるのです。

もちろん、ビジネスに失敗した場合は大きな借金が残ることになるので一概にメリットとは言えませんが、実際のところほとんどの企業は(大企業から中小企業まで)借金をしてビジネスを行っています。

利息の支払いというデメリットよりも、レバレッジ効果や金融機関からの信頼といったメリットを高く評価しているからです。

また、個人の場合でもFXや不動産投資ではレバレッジを聞かせることはほぼ必須となっています。自己資金だけで大きく儲けることはなかなかできないからです。

FXのレバレッジは最大で25倍までと規制されていますが、海外の業者を使えば400倍にまで膨らますことも可能です。不動産投資の場合はレバレッジは3倍~5倍程度が目安となります。

で、結局借金ってしたほうがいいの?

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非常に難しい問題ですが、デメリットが一策メリットが大きいものについては積極的に借り入れを行ったほうがいいとされています。

たとえば住宅ローン。住宅ローンの金利は1%~3%と非常に低いので、利子の支払いというデメリットはそれほど大きくありません。また、万が一の事態になったとしても住宅を手放せばいいので、精神的なプレッシャーもそこまでは大きくありません。

住宅ローンは審査が厳しい、言い換えれば確実に返せる人に確実に返せる額しか貸さない制度なので、債務整理にまで発展することはあまりありません。

一方で住宅ローンは必要なものが速く手に入るというメリットが非常に大きいです。住宅購入自体は投資ではありませんが、将来高く売れる可能性も秘めています。このような借金は積極的に行っていくべきとされています。

企業も積極的に借金をしていった方がいいとされています。中には無借金経営にこだわる企業もありますが、無借金経営は金融機関とのパイプがないので経営が傾くとどこの金融機関からも助けてもらえず一気に倒産、ということがあり得ます。

借金をして金融機関とのパイプを作っておけば、危なそうなときに融資をしてもらえるので生き延びられます。

また、企業の借金は額が大きくなる分、金利も低くなります。個人で借金をするよりはいい条件で借りられるうえ、投資によって回収することも可能です。

一方、キャッシングによる借金は悪い借金とされています。一番の問題点は金利の高さです。キャッシングでは金利が15%を超えることも珍しくありません。

借入額自体が小さいのであまり気にはならないかもしれませんが、高い金利を支払い続けるのは金融機関にしなくてもいいお布施をし続けるようなものです。債務整理につながりやすいのは借入額が大きい住宅ローンよりも、むしろこうした小さな借金であるといえます。

また、キャッシングで借りたお金は投資ではなく消費に使われるので、レバレッジ効果というメリットを享受することもできません。ただほんの一時の快楽のために借金をして、それよりも多くの額を返済しなければならないキャッシングは効率が悪く、しないに越したことはない借金であるといえます。

まとめると、

1. 金利が低い
2. 自動車や住宅などの大きな資産が早く手に入る
3. 投資によって増える可能性がある

借金はよい借金であるということができます。

すでに借り入れをしているという場合は?

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一刻も早く返済を進めていきましょう。借金の返済方法については、他の記事も参考にしていただければと思います。