フリーターの人におすすめの仕事の1つが、工場の仕事です。
工場の仕事といえば、危険・汚い・きついというイメージを持っている人もいますが、実はとてもホワイトな職場であることも多いです。
ここでは、フリーターから工場へ転職をするときの、面接のポイント、注意点などを解説します。
工場の仕事はホワイト?
製造業・工場の仕事では、当然ですが、残業代がきちんと出ます。それ以外の部分でも、パワハラやセクハラなどはなく、ホワイトという評価が多いようです。
ブラック企業で働いていた人は、そのホワイトさに驚くということもあるようです。
昔は工場の仕事をして怪我をしたという話もよく耳にしましたが、現在では安全管理には気をつかっていて、危険な作業はほとんどありません。
労働者に怪我をされると、企業としても損失になるので、安全管理教育はしっかりと行われています。
未経験者でも応募できる仕事の中では給与が高めです。
同じ工場の仕事でも、自動車関連、食品工場、生産管理、製造スタッフ、加工スタッフ、機械技術者など、さまざまな職種があるので、自分の適正を考えて応募しましょう。共通している点は、どれもモノづくりの仕事であるということです。
基本的には土日祝休みですが、工場によっては休日出勤があるので、求人に応募する前に確認をしておきましょう。
工場がある場所は地方が多いですが、寮がついている場合には遠方からも応募ができます。大阪に住んでいる人が、滋賀県の工場求人に応募するというようなことも可能です。
正社員になるまでの道のり
工場の正社員といえば、技術職であり、工業高校を出た人が、新卒採用を利用して正社員として就職するというイメージがあるかもしれません。求人情報にも「工業高校の機械科卒の人歓迎」という記載があることが多いです。
最近では不況の影響などで、大卒の人も工場での正社員の仕事をやっているということもあるようです。
いずれにしても、新卒採用を利用することが正社員への近道です。しかし、新卒採用で失敗してしまったという人や、フリーターをやっている人でもチャンスはあります。
大手企業では、中途採用で未経験の人を正社員として雇うということはあまりありません。しかし、中小企業でもよいなら、正社員の求人は募集されています。
正社員の求人に応募するというのが、工場で正社員になる一番の近道となるでしょう。
正社員登用制度から正社員になるのは難しい?
自動車工場の期間工の仕事などでは、正社員登用制度が用意されていることが多いです。
しかし、大手メーカーの場合には特に、正社員登用制度を利用して正社員になることは難しいようです。
メーカーによっては、2年以上働いている契約社員の人にはだれにでも正社員になるための試験を受けさせるというところもあるようです。しかし、試験を受けられるというだけで、合格できる人はほんの一握りです。
大手メーカーの正社員になりたいという人は多いので、正社員登用制度の競争率はかなり高めです。
新卒採用でも、大手企業の正社員になることは難しいです。中途採用の場合、さらに難易度が上がると考えられます。
よほどがんばっておかないと、大手メーカーの正社員になることは難しいということでしょう。
正社員、契約社員、派遣社員、どのルートが正しいの?
工場の正社員になるためのルートはさまざまですが、大きく分けると、
・中小企業の正社員求人に応募する
・契約社員や派遣社員として働きながら、正社員を目指す
という2つのルートのどちらかになると思われます。中小企業の正社員求人に応募して正社員になるというのが、一番現実的かと思われます。
まだ20代前半くらいの若い人なら、契約社員や派遣社員として働いていると、企業から声がかかって正社員になれるということもそれなりにあります。
しかし、契約社員や派遣社員で働いている人の中にも、能力がある人はたくさんいます。「正社員にならないか?」と声がかかるということは、その中でも特に声がかかるくらいの魅力をもっている人ということです。
会社との相性、適正の問題などもあるので、運の要素も関わってきます。「派遣社員として働いて、正社員に誘われるということを目指す」ということは、あまり現実的な方法ではありません。
しかし、契約社員や派遣社員として働かないと、得られないものもあります。それは、大手企業で働いたという経験です。さらに、ほんの一握りの人は、大手企業の正社員になることができます。
大手メーカーの正社員登用制度などで正社員に誘われる人は、1つの工場で1年間に10人もいないという意見もあります。もしかしたら、1人も正社員が出ない年もあるかもしれません。
大手メーカーの工場ではとてもたくさんの契約社員・派遣社員が働いていますので、とても倍率が高いです。
しかしそれでも、大手メーカーの正社員になれる可能性はゼロでないので、自身のある人は一度チャレンジしてみるのもよいでしょう。
大手メーカーの工場で働いた経験は、その後中小企業で正社員になるための面接を受ける上でも、役に立つでしょう。中途採用では即戦力が求められているので、経験者が有利です。
工場求人の面接のポイントと注意点
工場求人の面接のポイント3つ
1. 健康であることをアピールする
工場求人に応募するときに、必ずアピールしておきたいのが、健康であることです。
面接官もプロなので、わざわざアピールをしなくても相手が健康であるかどうかは、だいたい見抜けます。「健康状態に問題はないですか?」「なにかスポーツをやっていますか?」などと質問をされることもあります。
しかし、受け身ばかりでもよくありません。自分から積極的に健康であることをアピールできれば好印象をもたれるでしょう。
健康であることは、工場で働く上での絶対条件とも言えます。体力がない人でも、健康管理がしっかりできるなら、仕事を続けながら体力をつけることができますが、病気の人は無理をすると病気が悪化してしまう結果になります。
採用した人が病気になってしまったら、会社としても損失となります。
その時点で健康であることに加えて、健康管理能力があるということもアピールできるとなお良いでしょう。
「高校3年間サッカーをやっていて、3年生の時にレギュラーの座を勝ち取りました」とか、「自動車工場の期間工で1年間働いていました」などと具体的に実績をアピールできるのが理想です。
書類選考があったら
書類選考がある場合には、履歴書に健康であることをアピールする内容を盛り込みましょう。
対人能力が高い人は、面接まで行けばなんとかなると思っている人も多いですが、書類選考で落ちてしまったらアピールしようがありません。
2. 礼儀作法を気にするよりも元気にハキハキと受け答えをする
工場の求人に応募するときには、ビジネスマナーや礼儀作法などを勉強する必要はありません。
アナウンサーのように丁寧な言葉遣いで話すよりも、大きな声で元気にハキハキと受け答えをしたほうが、好印象をもたれます。
「元気のない若者が増えている」、「若者に覇気がない」などという言葉をよく聞くようになりましたが、現場労働なので元気がなければ正社員になることは難しいかもしれません。
3. やる気や熱意、積極性
未経験からの応募なら特に、やる気や熱意、積極性が重要になります。
ネガティブな気持ちは周囲にも伝染してしまいます。
逆に、いつもポジティブな人は、周囲を明るくすることができます。
職場に活気をもたらしてくれる、フレッシュな新人を企業は求めています。
工場の面接の注意点2つ
1. 関係ない資格はアピールしない
面接の時間は限られています。関係のない資格をアピールしている時間はありません。
資格をアピールしてマイナスになるようなことはないだろうと考えている人がいますが、それは大きな誤解です。
工場での現場労働に応募をしているのに、「行政書士の資格を持っていますので、他の人よりも給料を上げてください」などという人は、企業からしたら迷惑な存在です。
このような例は極端だとしても、関係のない資格をアピールしていたら、「この人はなぜこの仕事の応募してきたんだ?」と思われてしまいます。
限られた時間なので、アピールする内容はよく考えておきましょう。
2. 契約期間は満了まで働くこと
派遣や契約社員という雇用形態の場合、契約に期間の定めがあります。
自動車工場の期間工なら、6ケ月ごとの契約更新になっていることが多いです。
6ケ月の契約で募集がされているのに、面接で「3ヶ月だけ働きたいです」と言ってしまうと、その時点で落とされてしまうでしょう。
社会人たるもの、契約を結んだならばその期間は満了まで働くのが常識です。法律上は、2週間前に申告をすればいつでも退職できますが、親の介護のためというように、やむを得ない事情がない場合には、期間満了まで働くべきです。
面接では、期間満了まで責任をもって働くという意思を見せておくことも重要です。
期間工の求人について
工場の仕事の中でも、特に人気があるのが、自動車工場の期間工求人です。
なぜ期間工は人気があるの?
1年目で年収が400万円超え?
大企業の正社員でも、未経験からの入社1年目で年収が400万円を超えるということはなかなかないでしょう。
自動車工場の期間工なら、未経験からの入社1年目で年収が400万円を超えることもよくあります。
さらに、6ヵ月ごとの契約更新のたびに給料が上がっていくので、2年目、3年目はさらに年収が上がります。
大手メーカーの工場で働ける
大手メーカーの工場は、とてもホワイトな環境です。残業代がきちんと出ることはもちろん、パワハラ、セクハラなどもなく、理想的な職場に近いかもしれません。
新卒でブラック企業に入社してしまって、うんざりしていた若者などから、そのホワイトさに驚いたという声もあるようです。
福利厚生が充実
また、年収とも関係していますが、福利厚生がとても充実しています。
主なものは、寮費が無料、寮の水道光熱費が無料、食堂での食事が社員割引(半額など)で食べられるといったことがあげられます。
「家賃が7万円のマンションに住んでいて、水道光熱費が平均して1月に1万円かかってくる」というのが一人暮らしをしている20代の人の平均だとしたら、それらがゼロになるわけですから、毎月8万円の節約効果が出ることになります。
1年間なら96万円もの節約効果が出ます。
年収が420万円としたら、年収が516万円の人と同じくらいの貯金ができると考えるとよいかもしれません。
正社員登用制度
正社員登用制度があるというのも大きいでしょう。フリーターをやっている人にとって、大手の自動車メーカーの正社員になれることは、ある意味で最高の道となるかもしれません。
実際に正社員に登用される人はわずかだとしても、モチベーションをもって仕事に励むことができます。
期間工に応募するときの注意点
目的をもって働きましょう
フリーターから正社員になることは難しいと言われていますが、20代の若い人にとっては、そうでもありません。
まだまだ正社員になれるチャンスはあります。
しかし、年齢を重ねるほどどんどん不利になっていきます。正社員になるなら早いほうがよいのです。
期間工の仕事は魅力的ですが、正社員になれる人なら、早く正社員になっておいたほうがよいです。
例えば、現在24歳の人が2年間期間工で働いたら、その時には26歳になってしまっています。20代の後半になってしまっているので、正社員への就職はより厳しいものとなっているでしょう。
それでも期間工の求人に応募するなら、目的をもって働きましょう。
「6ヵ月間働いて100万円を貯めて、その後で正社員に就職する」といった目標を立てるなら、悪くありません。
遅刻や欠勤にはとても厳しい
期間工の求人には、「月収30万円、期間満了時の満了金30万円」などと書かれていますが、これはフル出勤したケースの給料となっています。
メーカーにもよりますが、毎月2万円~4万円程度の皆勤手当てがもらえます。
しかし、1回でも遅刻や欠勤があると、皆勤手当てがもらえません。たった1回遅刻をしただけで、給料が2万円~4万円減ってしまうのです。
さらに、トヨタ自動車のケースなら、満了金には満了慰労金と満了報酬金の2種類がありますが、満了報酬金のほうは6ケ月ごとにもらえる皆勤手当てのような性質をしており、1回でも遅刻があった月の分はもらえません。
例えば、Aさんは5月1日~10月31日までの6ケ月働いた中で、体調を崩して2日欠勤をしてしまったとします。
ケース1
2回の欠勤が、7月の30日と、31日であった場合、Aさんは7月分の皆勤手当てがもらえないだけでなく、満了報酬金から7月分がまるまる引かれてしまいます。
ケース2
ところが、2回の欠勤が7月31日と、8月1日だった場合、7月と8月分の皆勤手当てがもらえないばかりか、満了報酬金から7月分と8月分がまるまる引かれてしまいます。
皆勤手当てが月に2万円、満了報酬金が満了時に18万円もらえるようになっていたとします。
7月の30日と、31日に欠勤したケースでは、7月分の皆勤手当て2万円と、満了報酬金から3万円引かれて、マイナス5万円となります。
2回の欠勤が7月31日と、8月1日だったケースでは、これが2倍となり、マイナス10万円となります。
このように、同じ2日の欠勤でも、月をまたいでいるか、そうでないかで大きくもらえる給料が変わってくることにも注意が必要です。
満了金が満了慰労金と満了報酬金の2種類あるのは、トヨタ自動車の期間工のケースです。他のメーカーでは、満了慰労金だけがもらえるというところのほうが多いかもしれません。そのかわりに、毎月もらえる皆勤手当てが高めになっていることもあります。
自動車工場の期間工とはいっても、メーカーによって給料などの条件は異なっているので、しっかりと比較をしてから応募をしましょう。
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