住宅ローンへのカードローンの影響を最小限に抑える方法

人生において最大の買い物の1つとなるのが、マイホーム購入です。

マイホーム購入ではほとんどの人が住宅ローンを利用します。

もしも住宅ローンの審査に通らなかったら、人生のプランが大きく変わってしまうことになるかもしれません。

ここでは、カードローンを利用している人が、住宅ローンへの影響を最小限に抑えるためのコツを紹介します。

消費者金融キャッシングはなるべく利用をしない

数年後に住宅ローンを考えている人が気をつけておくべきなのは、消費者金融キャッシングの利用です。

クレジットカードについたキャッシング枠も、消費者金融キャッシングとほぼ同様であると考えてください。

消費者金融は金利が高い

なぜ消費者金融キャッシングを利用しないほうが良いのかというと、金利が高いということが大きな理由となります。

金利が低い銀行カードローンという商品があるのに、わざわざ金利が高い消費者金融キャッシングを利用している人というのは、なにか事情があるのではないかと疑われる可能性が上がります。

とはいっても、消費者金融の金利は昔と比べると下がっています

また、銀行カードローンでは少ない「スピード融資」も魅力的です。

自動契約機でだれにもバレずにお金を借りられるということに魅力を感じる人もいるでしょう。

銀行カードローンにはないメリットもたしかに持っていますので、理由があるのならば一時的に消費者金融キャッシングを利用することも悪くはありません。

しかし、継続的に消費者金融キャッシングに頼るということはあまり良いイメージがないので、期日を守ってしっかりと返済をして、目的を果たしたらすぐに解約をしてしまうのがよいでしょう。

住宅ローンを借りる前の5年くらい前になったら、消費者金融キャッシングは利用をしないように意識しておくのが良いかもしれません。

事情があるなら利用をしても良い

海外旅行に行ったのでクレジットカードのキャッシング枠を利用して現地通貨を調達したというように、きちんと説明できるような理由があるのならば問題はありません。

住宅ローンの審査で担当者から事情をきかれたときに、きちんとした説明をできるようにしておくことがポイントです。

・妻に内緒でキャバクラ通いをするために、即日融資に対応している消費者金融キャッシングを利用した

といった事情ではどうでしょうか?「妻に内緒にしたい」「即日融資を受けたい」といった事情については特に信用が下がる理由にはならないかもしれません。

しかし、このようなケースでは、「浪費癖があるのではないか?」と見られてしまう可能性が高いでしょう。

浪費癖がありキャバクラ通いをやめられず、住宅ローンの返済が困難になるのではないかと疑われて、審査で不利になってしまう可能性はあります。

住宅ローンの審査では、個人信用情報を閲覧されて過去のクレジットカードやローンの利用実績を調べられます。

しかし、なんのためにお金を使ったのかといったことまではわかりません。キャバクラに通うために借金をしたといったようなことは自分で言わなければバレる心配はありません。

重要なのは、消費者金融からの借金をダラダラと続けているといったように、借金癖がある、お金に対してだらしがないといったイメージを持たれないようにしておくということです。

消費者金融は昔「サラ金」と呼ばれていた時期と比べると明るいイメージを持たれるようになっていますが、未だにお金に対してだらしがないというイメージを持たれてしまう可能性もあります。

履歴は5年間残る?

消費者金融キャッシングを利用した履歴は5年間残るそうです。

利用を続けている場合にはいつまでも残ります。

延滞をしていないならばそれほど不利な履歴とはならないこともありますが、住宅ローンの審査はとても厳しいようなので、履歴は残さないようにしておいたほうが無難でしょう。

最終的には銀行が判断することであり、消費者金融を利用していても延滞をせずに利用をしているのならば、ローンを利用した経験があり、延滞をせずに完済をしたという実績もあるということで評価される可能性もあります。

具体例をあげてみます。

2010年5月に消費者金融のカードローンを作る
2012年7月まで延滞をせずに利用を続ける
2012年10月にカードを解約

このケースでは、最後に利用をしたのが2012年7月なので、そこから5年間は記録が残るようです。

あるいは、カードを解約してから5年間記録が残るという意見もあります。

信用情報は5年間記録が残る

と言われていますが、実際のところどのタイミングから5年後なのかは個人信用情報機関によって異なるようです。

CIC・・・契約終了後から5年後
JICC・・・完済日から5年後

となっているようです。消費者金融はCICとJICCの両方に加盟をしていることが多いので、カードを解約してから5年後と考えておくのが無難でしょう。

銀行カードローンを作っておくことがおすすめ

誤解してはいけないのが、キャッシングやカードローンを利用すること自体はマイナスイメージを持たれるようなことではないということです。

金利が高いところから借りていたり、無理のある金額を借りているから「破綻するかもしれない」といったマイナスイメージを持たれてしまうのです。

例えば、住宅ローンや自動車ローンなどはだれもが利用をするもであり、利用をしているからといって信用が落ちるということはないでしょう。

「いざという時にお金が足りなくなったので消費者金融で借りる」というシーンはだれにでも起こりうることです。そうならないための対策として、あらかじめ金利が低い銀行カードローンを作成しておくということが1つの対策となります。

バンクイックなどがおすすめ

銀行カードローンを1枚選ぶなら、三菱東京UFJ銀行「バンクイック」などの金利が低いカードローンがおすすめです。バンクイックは

年1.8%~14.6%、限度額10万円~500万円

という好条件なので、1枚持っておくカードローンとしてこれ以上はないでしょう。

限度額が500万円になれば金利は年1.8%になります。自動車ローンなども不要になるかもしれません。

住宅ローンを借りる予定の金融機関がある場合

住宅ローンを借りる予定の金融機関があるなら、そこで取引をしておき、信用を上げておいたほうがよいでしょう。

A地方銀行で住宅ローンを借りる予定ならば、同じA地方銀行でカードローンについても利用をしておくといったような工夫をすることで、住宅ローン審査の時にいくらか有利になる可能性があります。

ここで大切なのは、延滞をせずに良好な実績を作るように心がけておくということです。

延滞をしてしまったら信用が落ちることはもちろんですが、延滞をしていなくても信用が落ちることはあります。一例をあげてみますと、

限度額100万円のうち100万円いっぱいまで借りて、その後も借入と返済を繰り返していつまでも限度額が100万円から減らない

といったような使い方をしているとイメージが悪いです。

キャッシングを利用する必要がなくなる?

銀行カードローンを1枚作っておき、常に限度額に余裕を持たせておくようにしておけば、消費者金融キャッシングを利用する必要がなくなるでしょう。

例外的に、海外旅行に行く時には海外ATMで銀行カードローンは使えませんので、クレジットカードのキャッシング枠を使う必要性はあります。

完済の実績を作る

借りすぎに注意をしておくと同時に、なるべく借金を完済するように心がけておきましょう。金融機関は完済の実績も評価するようです。

「限度額50万円のカードローンを持っていて、10万円くらいを常に借りている」

という状態よりも、

「10万円を借りた後それを完済して、また10万円を借りる」

といった利用方法のほうが好ましいということです。

延滞をしてしまった場合

延滞をしてしまった場合には、まるで事情が変わってしまいます。

住宅ローンでは、たった1回の延滞でも大きく審査に影響するからです。

地方銀行や信用金庫では、「過去1年以内に延滞がない方」という申込み条件がつけられていることが多いです。

メガバンクやネット銀行ではこのような条件はつけられていないものの、実際には申し込み条件には書かれていないだけで、審査には大きく影響する可能性が高いでしょう。

たった1回の延滞でも5年間残る?

たった1回の延滞については、全国銀行個人信用情報センター(KSC)はどうやら記録は残らないようです。JICCでは1ヶ月分の記録だけは残ります。

たった1回の延滞の記録が残るのはCICです。CICでは2年分の返済の記録が残っているので、たった1回でも延滞をすると最長で7年残ると言われています。

2年分の返済の記録しか残らないので、1回延滞をしてしまってもその後2年間健全な支払いを続けることで、延滞の記録を押し出して消すことは可能です。

クレジットカードでは基本的に毎月支払いをしていくので、延滞の記録は2年で消えることも多いでしょう。

カードローンの場合には2年が経過する前に完済をしてしまって、延滞の記録が押し出されないまま残っているというケースも多いはずです。

借金は早く完済をしてしまったほうがよいですが、延滞をしてしまったら逆に返済を引き延ばして、延滞の記録を消すほうがメリットが大きくなる可能性もあります。

銀行は主にKSCに加盟していますが、保証会社がCICとJICCに加盟をしているので、結局はすべての個人信用情報機関の情報を調べられると考えておくことが無難です。

ブラックリストにのってしまった場合

ブラックリストにのってしまうケースとは、

3ヶ月以上の滞納
代位弁済
債務整理(任意整理、特定調停、個人再生、自己破産)

などがあげられます。よく誤解がされていますが、過払い金請求をしただけではブラックリストにはのりません。

3ヶ月以上滞納でブラックリストにのってしまったら、借金を完済してから5年は記録が残るようです。

個人再生と自己破産の場合には、住宅ローンの審査に10年間影響します。

任意整理と特定調停の場合には5年間です。

延滞をせず、債務整理もせずに借金問題を解決できたらそれが一番ですが、延滞を回避できないという場合には債務整理も検討しましょう。

3ヶ月以上滞納をするよりは任意整理や特定調停をしたほうがメリットが大きいはずです。

現在進行形で借りている場合

延滞をしていなくても、現在進行形で借りている場合には必ず影響があります。。

住宅ローンの審査で重要になる項目の1つに、返済比率(返済負担率)があげられます。

返済比率=(住宅ローンの年間返済額+その他の借金の年間返済率)÷年収

で計算されます。住宅ローンの年間返済額が100万円、年収が500万円、その他に借金がない場合には、

返済比率=100万円÷500万円=20%

となります。返済比率が20%というのは一般的に言うなら無理のない負担です。

ところが、カードローンで100万円借りているケースですと、

返済比率=(100万円+100万円)÷500万円=40%

となり、審査落ちの可能性が大きく上がってしまいます。

フラット35では年収500万円の人の返済比率の基準は35%となっているので、返済比率が40%という時点で審査落ちが決定してしまうでしょう。

返済比率を計算してみて、問題がないようならばそのまま借りていてもいいかもしれません。しかし、借入件数なども審査に影響してきますので、住宅ローンへの申込みの前にはなるべく借金はゼロにしておくことが理想です。