学生のための借金と言えば、一番に思いつくのは奨学金ではないでしょうか。奨学金はまさに学生のための借金方法と言えるもので、低金利で比較的大きな金額を貸し出してくれます。返済期間も長く、借金の中ではかなり優良な部類であると言えます。
しかし、そんな奨学金にも大きな欠点があります。それは、貸し出しの時期がある程度決まっていることです。すぐにお金が必要になったときに、奨学金はあてにはできません。
また、その手続きもやや面倒で、親の源泉徴収票などが必要になるため、どうしても親に借金がバレてしまうことも一つの欠点だと言えるでしょう。親に借金のことがバレたくない!といったときには、奨学金は使えません。
では、生活費が足りないなどすぐにお金が必要で、親に借金がバレたくないときはどうすればよいのでしょう。一つの方法として学生ローンを使うものがあります。
学生ローンとは学生を対象にして融資を行う消費者金融のことです。しかし、学生という立場上、社会人の借金の場合と同等の扱いを受けることは難しいです。
今回は、学生ローンとは?学生ローンに必要なものは?学生ローンの限度額は?などについて解説していきます。学生はお金に関する知識に疎いことが多いですから、借金をする場合は特に注意が必要です。
学生ローンとは?
学生ローンは学生本人にお金の貸し出しを行うことです。ちなみに、学生の学費などのために、保護者相手に銀行などが融資を行う場合は、教育ローンと呼ばれます。
学生ローンは、未成年であっても融資を受けることが可能です。高校生を除く、満18歳以上の学生なら、条件にさえ合致すれば誰でも融資を受けることができます。
ただ、学生であることが絶対条件です。20歳でも、学生でない場合は学生ローンの対象にはならないので注意が必要です。
学生ローンを利用する際に必要なものは?
もちろん手ぶらで借金ができるわけではありません。必要な書類を用意しなければ、学生ローンは利用できません。
必要な書類は金融業者によって大きく異なっています。会社によっては、学生証だけでOKな場合もあります。前もってチェックしておきましょう。
以下に必要になることが多い書類を列挙しておきます。これらが全て揃っていれば、ほとんどの学生ローンを利用できるでしょう。
・銀行のキャッシュカード(口座確認のため必要)
・身分証(学生証以外のもの 運転免許証、健康保険証、住民票やパスポートなど)
・公共料金の領収書・請求書(現住所の確認のため)
・授業料の請求書
・年収証明ができるもの(50万円以上の融資を受ける場合)
運転免許証を身分証として使う場合は、現住所と免許証に記載されている住所が合致しているか確認しておきましょう。異なっていた場合、身分証として認められない場合があります。
授業料など大学の学費が目的の場合、やや大きな額の融資を受けられる可能性があります。学費の支援目的のために学生ローンを利用する場合は、授業料の請求書などを持っていきましょう。
学生ローンの限度額は一般的な借金の場合と同じく、総量規制によって定められています。詳しくは後述しますが、50万円を超える融資を受ける場合、年収を証明できる書類が必要になります。
アルバイト先から発行される給与明細でもいいですし、役所で所得証明書を発行してもらう方法もあります。
50万円以上の融資を受けられる条件をクリアしていて、実際に50万円を超える融資を受けたい場合は必ず用意しましょう。
学生ローンの限度額は?
借金できる額には基本的に限度があります。限度額は「総量規制」で定められていて、年収の3分の1以上の借金をすることはできないと法律で決められています。
また、学生ローンの限度額はほとんどの金融業者で50万円までになっています。これは50万円を超えると、所得証明書などの提出が必要になり、手続きが煩雑になるためです。
さらに、50万円を超える融資を受けるためには、総量規制の条件をクリアする必要があるため、年収が150万円以上必要になります。
ほとんどの学生は年収150万円を超えることはないでしょう。以上の理由から、学生ローンの限度額を50万円にしている業者が多いようです。
しかし、全ての金融業者がそうではありません。一部の業者は学生ローンであっても、50万円以上の融資を行っています。
当然それだけ融資の条件は厳しくなりますが、50万円以上の借金をしたい場合は、そういった業者を探してみましょう。
全員が50万円の融資を受けられるわけではない
学生ローンの一般的な限度額は50万円ですが、だからといって全員が50万円の融資を受けられるわけではありません。
50万円以下の借金の場合、所得証明書などを提出する必要はありませんが、申し込み書に現在の年収を申告する欄があります。この申告に従って、実際の貸し出し額が決められます。
上述したように、借金の限度額は総量規制により、年収の3分の1までと決められています。そのため、現在の年収が30万円であると申告した場合、限度額は10万円になります。
申込書の年収申告欄の記入は自己申告なので、年収をごまかして記入することも可能です。しかし、後からその嘘がバレたらとても面倒なことになるので、嘘の年収を記入するのはやめておきましょう。
また、総量規制の条件をクリアしていても、必ずしも希望額の融資を受けられるわけではありません。その他にもいろいろな審査項目があり、それらを総合的に判断して、実際の融資額を決定します。
学生はやはり社会人に比べて信用が低いため、希望額を下回ることが多いようです。中には、1回目の融資は小さく抑えておき、その後信用に値すると判断してから、2回目以降に大きな額を融資する業者もいるようです。
学生ローンの審査に落ちる理由
学生ローンと言えどもしっかり審査はありますし、業者がこの人には貸せないと判断すれば審査落ちということになり、融資は受けられません。
一般的な借金の審査に比べて、学生ローンの審査は甘いとされていますが、落ちるときはしっかり落ちます。
では、学生ローンで審査落ちする理由は何なのでしょうか。考えられる理由を以下に記します。これから学生ローンを利用しようとしている人で、以下の条件に合致する場合は要注意です。
アルバイト収入など、ある程度安定した収入がない
借金の審査において、職業はとても重要な判断要素です。安定した収入がないと、借金返済の資金が調達できませんからね。
それは学生ローンであっても同様です。収入源がなければ、この人はどうやって借金を返済するのだろうと思われても仕方ありません。
なにより総量規制に引っかかります。収入が0の人にお金を貸すことは法律で禁じられています。
学生の場合はアルバイト収入があるだけで、十分な収入源とみなされます。今、何も収入源がない人はアルバイトを始めるなど、ある程度の収入源を作っておきましょう。
両親からの仕送りなどは、収入源として認められないことが多いので注意が必要です。
他の業者からも借金をしている(多重債務)
多重債務は審査落ちする大きな理由になります。多重債務者は、別口の借金の返済をするため、さらに借金を重ねていくことが多いです。
そのような借金の返済方法はいずれ必ず破綻します。その結果、自己破産など債務整理のお世話になることになりますし、ひどい場合は人知れず消息不明になってしまうこともあります。
こうなってしまうと、金融業者は貸したお金をもはや回収することはできません。いわゆる貸し倒れですね。
このようなことを避けるため、金融業者は多重債務者には基本的に融資しない方針になっています。
また、借金は隠そうとしても必ずバレます。それは信用情報機関という会社が全ての債務者の情報を管理していて、さらにその情報を全ての金融業者が共有しているからです。
もし、あなたが現在違う業者から借金をしているなら、そちらを完済してから新たに申し込むようにしましょう。
20歳未満である
学生ローンは満18歳以上から利用可能とお話ししましたが、基本的にほとんどの消費者金融は20歳未満の学生に融資を行っていません。
多くの業者は融資対象を20歳以上または成人と定めており、未成年者が申し込んでもほぼ100%審査落ちしてしまいます。
じゃあ、未成年者は学生ローンを利用できないのか、と思われるかもしれませんが、そうではありません。未成年者も対象にした学生ローンを展開している業者も存在します。
ただ、そのうちの多くの業者で、学生ローンの利用には親権者など保証人の同意が必要となっています。そのため、親に借金がバレたくない人には利用は難しいかもしれませんね。
中には、親の同意も必要とせず、書類もほとんど必要としない業者もあります。しかし、こういった業者は悪徳業者である可能性が高く、後々面倒に巻き込まれる可能性もあります。
未成年も利用可能で、親の同意も必要がない金融業者には「アイシーローン」(http://www.ic-loan.co.jp/)があります。創業33年と歴史も長い業者なので、安心して利用することができるでしょう。
未成年の場合に限らず、学生ローンは優良な業者をしっかり見極めて利用するようにしましょう。
過去に借金の延滞歴がある
過去に3か月以上の借金の延滞歴があると、審査にはほぼ100%落ちます。
借金を3か月程度滞納すると、その延滞情報が業者から信用情報機関に報告されます。この情報は全ての金融業者が参照できるので、延滞をした業者はもちろん、他の業者もその延滞の事実を知ることになるのです。
滞納する可能性が高い相手には誰もお金を貸したくありませんよね。そのため、信用情報機関に延滞記録が保存されている間は借金ができなくなる、ということです。
この延滞記録は借金完済後さらに1年間に渡って保存されます。借金の滞納は行わないようにしましょう。
学生ローンは親にバレないのか?
学生ローンを利用する多くの人は、親に借金がバレたくない、いわゆる親バレしたくないと考えています。業者側もそれは理解しているので、親にバレるような対応は基本的に行いません。
連絡は全て学生の電話にかかってきますし、契約上の問題でどうしても親に連絡をとらなければいけない場合も、一度確認の電話が学生のほうにかかってきます。
そのため、学生ローンを利用していることが親にバレることはまずありません。
しかし、借金を滞納している場合は別です。返済日までにお金を入金していないと、業者からまず学生に確認の電話がかかってきます。
この電話をしばらく無視し続けたり、新たに設定した返済日を何度も破ったりと、いい加減な対応をしていると業者は親に連絡をとります。こうなると当然借金のことがバレてしまいますね。
きちんと返済日までに決められた返済額を返すという当たり前のことをしていれば、親に借金のことがバレる心配はありません。
返済計画をしっかり立て、自分がきちんと返せる範囲で借金をしましょう。
計画性のある利用を
学生ローンは学生が借りられる借金とはいえ、金利などは普通の消費者金融の借金の場合とそう変わりません。ですから、できれば奨学金などを借りたほうがより高い利息を払う必要もなく、金額面では得になります。
しかし、急にお金が必要になった場合などに、学生ローンが役に立つこともあるでしょう。
借金は自分の無理なく返せる範囲で、計画的に利用することが大切です。間違っても自分の返済キャパシティを大きく超えるような借金はしないようにしましょう。