ひとり暮らしを始めてしばらくすると、NHKの担当者が自宅を訪ねてきます。そして、テレビなどNHKの電波を受信できるものを持っているならNHK契約をしてくださいとお願いされます。
嫌だなぁと思うかもしれませんが、テレビを持っているならNHK契約をしなければなりません。これは「放送法」と呼ばれる法律で決められており、契約義務があるとはっきり書かれています。
ただ、契約後、なんらかの理由でテレビを手放すことがあるかもしれません。そうなればNHK放送局の電波を受信できる機器はなくなりますから、もうNHK契約は必要ありませんし、受信料を支払う必要もありません。
後は解約の手続きをすれば万事解決なのですが、この解約手続きが少し厄介なのです。電話やインターネットだけで済ませることはできず、電話で解約の旨を伝えて解約届を送付してもらい、解約届けと一緒に必要書類をNHKに送る必要があります。
他にも、引っ越しで実家に帰るときにも必ず解約手続きを行いましょう。後述しますが、手続きを行わないとずっと受信料を支払うことになってしまいます。
この記事ではNHK契約の解約手続きの流れを解説していますので、これから解約しようとしている人はぜひ参考にしてください。
また、テレビを持っているし、実家に戻る予定もないけれど、なんとか契約を解除できないのか、と悩んでいる人もいるでしょう。
こういった場合に解約は可能なのかについても記事の後半で解説していきますね。
解約の大まかな流れや手続き方法
住所変更などの手続きはインターネット上だけで完了できるのですが、解約手続きはNHKへの電話+書類送付が必要になります。
また、場合によっては本当にテレビを処分したのかを確認するために、NHK担当者が自宅に訪問してくることもあるようです。
解約のためのおおまかな流れは以下になります。
・NHKに電話し、解約したい旨を伝える
・NHKから送付されてくる解約届に必要事項を記入し、返送する
・必要であれば、テレビを処分した証明書などを解約届に添付する
また、テレビを処分したため契約が必要でなくなった場合と、実家に帰るために契約が必要なくなった場合では手続きが若干異なります。
それぞれについて詳しく解説していきますね。
テレビを処分したため契約を解除したい場合
NHK公式サイトに手続きフォームはありません。そのため、NHKに電話をして手続きを開始することになります。
NHKの電波番号は「0570-077-077」で、対応時間は午前9時から午後8時までとなっています(土・日・祝日も受付)。
ただ、この番号は全国対応しているためか、混雑している場合も多く、なかなか繋がらないことがあります。また、オペレーターの対応もあまり良くないとの評判も多いので、できればNHKの地方局に電話するとよいでしょう。
NHK地方局とは各地方にあるNHKの支部のようなものです。電話番号は地方局によって異なるので、公式サイトから調べてくださいね。
電話が繋がったら、解約をしたい旨を伝えましょう。するとおそらく解約の理由を聞かれるので、テレビを処分したため契約が必要なくなったことを伝えます。
これで後は解約届を送ってもらうだけ、と言いたいところなのですが、NHK側も簡単に解約させたくないためか、処分したことを証明できる書類はありますか?と聞いてきます。
厄介なことに、処分したことを証明できる書類がないと解約手続きが進まないことがあるのですね。
どういったものが証明書になるかというと、テレビを売却した際の領収書や引き取ってもらった際のリサイクルシートがそれに当たります。これからテレビを処分しようと考えている人は必ずこれらを保管しておきましょう。
書類がある場合は、解約届送付の手配を行ってくれます。送り先の住所や名前を伝えればOKです。
後は、送付されてきた解約届に必要事項を記入し、証明にあたる書類を添付し、NHKに返送するだけです。
一つだけ注意点があり、もし受信料の未払いがある場合は解約時に一括でまとめて請求されます。支払わない限り解約手続きが完了しないこともあるようなので気をつけましょう。
処分したことを証明する書類がない場合は?
上述したように、テレビを処分したことを理由に契約を解除する場合は、処分時に受け取った領収書や家電リサイクル券が必要です。
ただ、そんなものはとっくに捨ててしまった、という人も多いでしょう。
証明書がないと絶対に解約できないの?と思うかもしれませんが、そんなことはありません。解約手続きの電話の際に、正直にそれらを捨ててしまったことを伝えましょう。
さらにそれに続けて、確認がどうしても必要であれば、自宅まで来てもらってテレビはないことを確認してほしい旨を伝えましょう。
実際に担当者が自宅まで確認しにくるかはケースバイケースですが、事実を伝えれば解約は可能です。中には解約届の送付を渋るオペレーターもいるそうですが、根負けせず解約したいことを伝えましょう。
解約届を送付してもらえれば後の手順は証明書がある場合と同じです。必要事項を記入し、NHKに返送しましょう。
引っ越しで実家に帰る場合
今まで一人暮らしをしていて、これから実家に帰る場合もNHK解約が必要になります。この場合もインターネット上には受付窓口が存在しないため、電話による手続きが必要になります。
また、引っ越しで実家に帰る場合、つまり2世帯が1世帯になることを理由にNHK契約を解約する場合は、実家がNHK契約を行っていることが条件になります。
引っ越し先が契約を行っていない場合、解約手続きではなく住所変更の手続きとなり、契約は続いてしまうので注意しましょう。
解約手続きは引っ越しをする人、つまり解約を希望する契約者が行います。転居先や実家の人では基本的に手続きを行えないので気をつけてくださいね。
解約手続きを始めるにあたって、まずNHKに電話しましょう。NHKの電話番号は「0570-077-077」で、対応時間は午前9時から午後8時までです(土・日・祝日も受付)。
この電話番号はNHK本部に繋がるのですが、全国対応ということもあってか回線が混雑していることも多いです。
繋がりにくい場合はNHK地方局に電話しましょう。NHK地方局は各地方にある支部のようなもので、こちらでも手続きは行なえます。
地方局ごとに電話番号は異なるので、公式サイトから最寄りの地方局の番号を調べてくださいね。
オペレーターに電話が繋がったら、引っ越しを理由に契約を解除したい旨を伝えましょう。テレビを処分したことを理由に解約する場合にはそれを証明できる書類が必要ですが、引っ越しの場合は特に書類などは必要ありません。
電話口で解約届を送付してもらう住所や本名を伝えると、後日解約届がその住所に送付されてきます。
後は解約届けに必要事項を記入し、NHKに返送すれば解約手続きは完了です。
ただ、未払いの受信料がある場合、それらの支払いを済ませないと解約手続きが完了しないことがあります。必ず支払っておくようにしましょう。
引っ越しの際に解約手続きを行っておかないと、もうその住所に住んでいないのに受信料が発生してしまいます。忘れないように手続きを行っておきましょうね。
解約できる理由はないけれど、とにかく解約したい場合
NHKの番組なんてほとんど観ないのに毎月受信料を支払うのは馬鹿らしい、テレビを持ったまま解約できないのか、と考えている人もいるかもしれません。
結論から先に言うと、解約できる理由がなくても解約することはできます。ただ、それなりにリスクがある方法になります。
方法の一つはテレビを処分したと嘘をつくことです。それを証明できる書類は用意できませんが、電話で現地確認をお願いし、訪問のときだけテレビを隠しておけば誤魔化せるかもしれません。
ただ、その後もNHKの担当者が定期的に確認に来ることがあるようです。こういった方法で不法に解約しようとする人が多いので、それへの対策かもしれません。
もう一つの方法は、引っ越しで実家に帰るなどと言って、世帯を一つにまとめたと嘘をつくことです。
以前は世帯をまとめる手続きはインターネットのみで完了できたということもあり、この方法で不法に解約する人も多かったようです。
しかし、現在はそれへの対策として電話確認が必須となりました。それでも実際に引っ越したかどうかは確実に確認できないので、今でもこの方法で解約はできるでしょう。
ただ、この方法でも後日NHK職員や担当者が自宅を訪問してくる可能性があります。引っ越したと伝えたのに、もし同一人物が同じ住所に住んでいるとわかれば、最悪、詐欺罪として訴えられて裁判沙汰になってしまうかもしれません。
それでも、急遽引っ越しの予定がなくなったと伝えれば誤魔化せるかもしれませんが、いずれにせよハイリスクな方法だと言えるでしょう。
やはり正式な理由を得てから解約手続きを行うことをオススメします。
まとめ
NHKは基本的に契約解除されたくないらしく、電話で解約届を送ってと伝えてもなかなか送ってくれないこともあるようです。
しかし、正式な理由があれば解約は当然の権利ですし、引き止められる理由もありません。多少ゴネられても負けずに解約手続きを進めましょう。