カイジが借金した理由とお金の大切さ

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今回はちょっと趣向を変えて、漫画の話をしたいと思います。もちろんただ漫画について語るわけではなく、借金返済のヒントもきちんとお伝えしますのでご安心を。今回取り上げるのは福本伸行氏の漫画「賭博黙示録カイジ」シリーズです。

ギャンブル漫画の最高峰「賭博黙示録カイジ」

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賭博黙示録カイジは、自堕落な生活をしていた青年、カイジ(伊藤開司)が、後輩の保証人となって多額の負債を抱えたことをきっかけに様々なギャンブルに挑み、時には命や体をかけた極限の勝負に震えながらも、一人の人間として成長していく作品です。

発行部数はシリーズ累計で2000万部、2007年と2011年にはアニメ化もされた人気作品です。福本氏の非常に特徴的な画風と作風、そしてお金にまつわる様々金言至言は他の追随を許さず、この作品をバイブルとしている人も少なくありません。

賭博黙示録カイジのストーリー概要

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賭博黙示録カイジはギャンブル漫画ですが、登場するギャンブルの殆どがオリジナルです。それ故にカイジは前知識のないままギャンブルに望まなければならず、そのせいで時には致命的なミスを犯すこともあります。

それでもどうにか立て直し、圧倒的なひらめきと決して諦めない精神性で乗り越えていく――そんなカイジの生き様に心惹かれた人も多いのではないでしょうか。

第1章:希望の船

状況後、自堕落な生活を送っていたカイジ。年明けから一日たりとも働かず、高級車にいたずらをして回るのを無上の楽しみとするゴミのような生活を送っていた彼でしたが、ある日自分が保証人になっていた後輩の借金を押し付けられます。

債務総額は385万円、とても返すあてのないカイジは、金融業者の遠藤に進められるがままに帝愛グループが開催する非合法の一大ギャンブル「限定ジャンケン」に挑戦。

限定ジャンケンは「グー」「チョキ」「パー」のカードをそれぞれ4枚ずつ、そして小さな星3つが与えられるゲーム。参加者同士はジャンケンで勝負し、勝てば相手から星を受け取り、負ければ相手に星を1つ渡します。

星が1つもなくなったらゲームオーバー、勝利条件は星を3つ以上残したままカードを使い切ること。

一見運否天賦に見えるこの勝負、しかしカイジを含む参加者は勝利の可能性を少しでもあげるべく、様々な策略をめぐらします。あるものは他者のカードの使い方を観察し、あるものはカードを買い占め……。カイジは果たして生き残ることが出来るのでしょうか。

第2章:絶望の城

エスポワールからなんとか生活するも、結局借金は減るどころかかえって膨らんでしまったカイジ。アルバイト生活に戻るも職場には馴染めず、彼のところに再び遠藤が現れてギャンブルを持ちかけます。

彼が進めてきたギャンブルは「鉄骨渡り」。その名の通り鉄骨を渡るだけのゲームですが、鉄骨が渡された場所は地上70m以上のビルの上。もちろん失敗すれば即死です。

他の参加者が次々と落下していく中。2度に渡る鉄骨渡りから生き残るカイジ。しかし主催者側に揚げ足を取られるような形で賞金はもらえず、ギャンブルを仕切っていた帝愛の幹部・利根川と「Eカード」で勝負することになります。

Eカードは「奴隷」側と「皇帝」側に別れて行うゲーム。皇帝側は「皇帝」を1枚と「市民」を4枚、奴隷側は「奴隷」を1枚と「市民」を4枚持ち、互いにカードを伏せながら提出していきます。

提出されたカードが「皇帝」と「市民」、もしくは「市民」と「奴隷」ならば皇帝側の勝ち、「奴隷」と「皇帝」ならば奴隷側の勝ち、「市民」と「市民」ならば引き分けです。

カイジが賭けるのは耳の鼓膜、負けるたびに耳に装着した装置から針が伸び、その長さが一定を超えると鼓膜が破られます。

一見皇帝側が有利に見えるこのゲーム。しかし何故か利根川はカイジの心を読むかのように次々と奴隷側で勝利。カイジはそこから利根川のある「イカサマ」に気づきます。

カイジは利根川のイカサマに頼りきった戦略を逆手に取って、土壇場で奴隷側で2連勝を記録、約2000万円を手に入れます。

しかし帝愛の会長・兵藤は利根川を簡単に切り捨て、それを見たカイジは真に倒すべきは利根川では無く兵動であると痛感。手に入れた2000万円を元手にギャンブルを挑みます。

第3章:欲望の沼

兵藤会長との勝負に敗れ、借金は1000万円に膨れ上がったカイジ。遠藤にであったカイジはギャンブルを紹介するように頼むものの、遠藤はそれを断りカイジを拉致。帝愛グループが極秘で建設を進めている地下帝国(シェルター)で強制労働をさせられることになります。

地下帝国は地の獄、底の底。多数の多重債務者が劣悪な環境に収められており、一日中肉体労働、食事も粗末で娯楽も何もありません。

稼ぎはほとんどが借金の返済に当てられ、カイジが手にできるのは9万1000ペリカ(ペリカは地下帝国で流通している金。ペリカを貯めると特別な食事や一日外出券が買える)のみ。

そんな中での数少ない楽しみは時折開催される地下チンチロ。これを仕切る大槻は、多重債務者を言葉巧みに誘導して堕落させ、チンチロで金を巻き上げていました。カイジも一度はこの罠にハマりますが、そこで大槻があるイカサマをしていることに気が付きます。

カイジは自分たちと同じ境遇にある多重債務者と協力し、そのイカサマを逆手に取った奇策で約2000万ペリカを獲得。カイジはこの金を仲間と均等に分けようとしますが、仲間たちはカイジに1日外出券で地上に出て、全員の借金返済に必要な金を得ることを依頼します。

1日外出券20日分で地上に舞い戻ったカイジが見つけたのは帝愛の裏カジノ。偶然出会った坂崎、利根川の失脚で苦境に陥っていた遠藤とともに裏カジノの名物「沼パチンコ」に挑みます。

この沼パチンコ、一見普通のパチンコに見えますが、実は様々な仕掛けがあり、通常の打ち方では絶対に大当たりが出ないようになっています。裏カジノの店長、一条の妨害と、それを上回るカイジの数々の奇策。最終的にはカイジが勝利し、ついに大金を掴みます。

第4章:渇望の血

沼での勝利でついに借金を完済したカイジ。しかし、勝負事以外では飛んだダメ人間であるカイジはぐうたら生活に戻り、沼で共闘した坂崎の家に居候しながら働かずに無為に日々を送ります。

愛想を尽かした坂崎は300万円を手切れ金にカイジを追い出し、カイジは地下時代に仲間だった三好・前田と出会います。

三好と前田はカイジと違い働いていましたが、彼らの就職先はまたしても帝愛の息のかかった裏カジノでした。三好と前田のサポートを影で受けながら、オーナー、村岡社長と17歩という変則麻雀で勝負することになったカイジ。

17歩はまず全自動卓で牌山を積み、目の前の34牌のうち13牌を使ってマンガン以上の手を作り、残った21牌を交互に順に切っていくというゲームです。もし相手がロン牌を打ったら手を倒して上がりを宣言し、点数の高さに応じて相手から金を受け取ります。

しかし、カイジはどうしたことか三好と前田のサポートがありながら勝てません。カイジは思います。「もしかしたらこいつら、裏切って社長側についているのでは……?」

思いがけず孤立無援となったカイジは、最後は村岡の小心さを利用して4億8000万円を獲得します。この続きは、作品を手にとって確かめてください。

魅力的で愛すべきキャラクターたち

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カイジの魅力は濃密なギャンブルだけではありません。その得意過ぎるキャラクターも人気の秘密です。ここでは特に人気の高いキャラクターを何人か紹介します。

ダメ主人公:伊藤開司

本作の主人公です。平穏な状況では無気力で自堕落、典型的なダメ人間ですが、ことギャンブルとなると人が変わったかのように頭は冴え、深い思考力と卓越した発想力で数々の強敵と戦います。

一度仲間になった人間は裏切ろうとしないなど善良、悪く言えばやや甘いところがあります。常に命がけのギャンブルをしているため体のあちこちに生々しい傷があります。

ラスボス:兵藤和尊

開司とほぼ全編にわたって退治することになる金融業者「帝愛」の会長です。自ら王を名乗るなど正確は非常に傲慢かつサディスト、人が苦しむ姿を見ることや常軌を逸したギャンブルに対して快楽を感じる性格破綻者です。

敗者に対する情などない冷酷非道な人間であり、カイジの大敵であることは間違いありませんが、勝負事に関しては公平です。

帝愛幹部・利根川幸雄

第1章~第2章にかけてのカイジの敵です。帝愛幹部で、長年に渡り成功してきた人間ゆえ、兵藤ほどではないものの冷酷で、詭弁を弄して自身の主張を通す技術に長けています。最終的に破壊時に敗れたことで兵藤の怒りを買い失職しました。

お金にまつわる金言至言集

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さて、ここからがいよいよ本記事のメインコンテンツです。カイジはお金や生き様に関する金言至言が沢山出てきます。これらをマンガの中のセリフと割りきってしまうのは簡単ですが、それは非常にもったいないです。人生に役立つ金言至言を見ていきましょう。

金は命より…

金は命より重い…!そこの認識をごまかす輩は生涯地を這う…!

カイジの中でも最も有名と思われるセリフです。日本では何故かお金を稼ぐことが悪いこととみなされることが多いようですが、もちろん実際にはそんなことはありません。

お金がなければ生活していくこともできませんし、人を助けることもできませんし、逆に人を攻撃することだってできません。お金があればそれだけで人生の選択肢が広がるのです。

それでも命よりも重いは言い過ぎではないか、と思われるかもしれませんが、実際のところ人の命の価値は無限大ではありません。人を交通事故で轢き殺しても、賠償金の金額が無限になるということはありません。その人の生前の稼ぎなどに応じて、賠償金額が決められるのです。

借金を重ねて無駄に浪費を重ねるということは、命よりも重いかもしれない金を無駄に浪費しているのと一緒です。このままでは一生金融業者の食い物にされ、生涯地を這うことになりかねません。借金がある人は、なるべく早急に返済して、金融業者の飼い犬から脱しましょう。

勝たなきゃゴミだ

ドジャースの野茂、将棋の羽生、イチロー。彼らが今脚光を浴び、誰もが賞賛をおしまないのは、いうまでもなく、彼らがただ勝ったからなのだ!勘違いするな。よく闘ったからじゃない。彼らは勝った、ゆえに今その全て、人格まで肯定されている。

彼らが負けていたらどうか?負け続けの人生だったらどうか?これも言うまでもない。おそらく野茂はウスノロ、羽生は根暗、イチローはいけすかないマイペース野郎。誰も相手にさえしない。わかりきったことだ。

翻って言おう。おまえたちは負け続けてきたから、今誰からも愛されることなく、貧窮し、ウジウジと、人生の底辺を、這って、這って這って、這っているのだ!

これも日頃いろいろごまかしながら生きている我々にとっては耳が痛い話ですね。確かに世の中で成功し、賞賛される人物は皆勝っています。勝つというよりも、築き上げているといったほうが正しいかもしれません。

何も築いていない、低収入で借金まみれの人間を愛してくれる人はまれです(他によっぽど魅力があるならば別ですが)。愛されたかったら、借金をさっさと返して、愛される資格がある人間になりましょう。

祈るようになったら人間も終わり

祈りや応援、そんなものの無力、効力のなさを知って欲しかった。あんなものはクズどもの気休め、浅はかな迷信よ。逆に言うなら、祈るようになったら人間も終わりってことだ

人事を尽くして天命を待つという言葉があります。持っている力をすべて出し尽くして、あとは静かに待つ、という意味ですね。しかし、我々は弱い生き物なので、人事をつくすことはせずに天命を待ってしまいがちです。

成功するための努力、成功確率を上げるための努力をせず、ただ祈って、応援する。そんなやり方でうまくいくはずがないことはわかっているのですが、それでもそうしてしまうのですから人間は弱いものです。

そのことに早く気がついて、改善方法を考えることが成功の近道なのかもしれません。

借金返済にあたっては、ただ借金を返さなきゃと思うのではなく、どのように返すのかを考えて、そのとおりに行動しなければならないということです。

他人を押しのけなきゃいけない

この世は利せんと考えたら必ず他人と競争だ、必ず他人を押しのけなきゃならない

学校の先生はみんな仲良くなどと寝ぼけたことを口にしますが、みんな仲良くすることなんてのは絶対に不可能です。3人よれば文殊の知恵、などといいますが、現実の人間世界では3人寄ればいじめが始まります。先にいじめないといじめられるからです。

そんなことはない、私は人を押しのけてまで勝とうとしたことなどないと思われるかもしれませんが、それは嘘です。我々のような先進国に生きている人間は、生きているだけで発展途上国の人間から搾取しています。

彼らを押しのけ、底辺に押しこむことによって知らず知らずのうちに高い生活水準を獲得しているのです。そのことから目をそらしているぶん、日本でぬくぬくと暮らしながら「私はアラソイマセーン」等と言っている人間は非常に醜悪です。

勝たなきゃ誰かの養分

なんとなくオレの人生は悲惨であるはずがないと考えていたんだ…ただなんとなく 違う…!勝たなきゃダメだ…勝たなきゃ悲惨がむしろ当たり前勝たなきゃ誰かの養分それは船も外も変わらない

勝たなければ生きていくことができません。これはこの世の真理です。成功者は皆他人に勝ち続けていますし、そのこともよくわかっています。

だからこそ人間は争うべきではないといったような聞こえのいい言葉で我々を騙そうとしてきます。争う相手は少ないほうが良いからです。彼らの言葉に惑わされずに、しっかりと戦い、そして勝ちましょう。

目先を追うな

目先を追うな!その場、その場の状況で動くなよオレ達はいつもそれで失敗してきたんじゃないか別にこれはこの船のことだけに限らない、実人生だってそうだったじゃないかいい加減、気づけっ!耐えることなくして勝利はありえないんだっ…!

人間というのはどうしても目先の餌につられてしまうものです。耐えて努力すれば大きな勝利を得られることがわかっていても、つい目の前の束の間の快楽に流されてしまいがちです。この誘惑に一度も負けたことがないという人はいないのではないでしょうか。

しかし、人生に勝利したいと思うのならば、その考え方は改めなければいけません。成功者は皆長期的な展望を持ち、継続的な努力をしています。

借金も長期的な展望を持たなければ、効率的に返していくことはできません。長期計画をたてるのは簡単なことではありませんが、頑張って自分と向き合うところからはじめましょう。

最後に

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借金返済は自分との勝負です。自分との勝負に負ければ、待っているのは悲惨な人生。勝てば自由な人生。あなたはどちらを選びますか?