離婚を考える前に読んでおきたい、夫に借金を止めさせる方法

ネットの相談サイトでは、夫の借金ぐせで悩んでいる妻からの相談がたくさんあります。その回答のほとんどは、「借金ぐせは治らないから早いうちに離婚をしよう」というものですが、本当でしょうか?

悩んで、喧嘩をして、あきらめて離婚する前に、やってみるべき具体的な対策があります。今回はそれについて解説しますのでぜひ参考にしてください。

1. 借金を止めさせる前に確認しておきたいこと

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夫の借金ぐせを治す対策を始める前に確認しておきたいことがあります。それは、借金以外に夫に次のような問題がある場合は解決は困難だということです。

借金はちょっとした無駄遣いで膨らむものなので、借金ぐせがあるかといって人生を共に歩めない相手と決めつけるわけにはいきません。その癖は治すことが可能です。しかし、その他に次のような人間的な問題がある場合は、あなたの手には負えないと考えた方が良いでしょう。

1-1. 仕事はしていますか? 定期的な収入ありますか?

借金はするが仕事はちゃんとしていて、定期的な収入もある場合は見込みがあります。しかし、しょっちゅう会社を変わる、仕事をせずにあなたの収入を当てにしている、というような夫なら早めに離婚を考えた方が良いでしょう。

1-2. 暴力を振るいませんか?

妻や子供に暴力をふるうのは、借金とは別の人格的な欠陥です。この2つが併発しているようなら、やはりあなたの手には負えないと考えるべきです。

1-3. 友達から借金していませんか?

消費者金融やクレジットのキャッシングで借金する以外に友人からも借金しているようなら、借金ぐせが重症だという以上にもっと大きな人間的欠陥があることが疑われます。そういう形で人間関係を狭くしていく男と共に人生設計を建てていくのは困難です。

1-4. 借金の大半がギャンブルですか?

ギャンブル依存症は単なる借金ぐせではなく立派な病気です。精神科など専門の病院で治療しなければなりませんし、ときには入院が必要になります。離婚するかどうかは別として、あなた一人の手に負える問題ではありません。

2. やっても無駄なこと、やってはいけないこと

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夫の借金が発覚したとき、ほとんどの妻がするのが次のような「対策」です。しかし、それは夫の借金ぐせを治すことには結びつかず、やがて借金ぐせが再発することになります。

2-1. 借金を肩代わりする

あなたの貯蓄から、あるいは親に頼みこんで借金を返済するのは「人生やり直し」の良いスタートになると思われがちですが、夫の借金ぐせを助長することにしかなりません。

本人もやり直そうと頭では考えるでしょうが、心の底に「借金してもなんとかなる」「誰かが助けてくれる」という甘えが生まれることを防ぐことはできません。

そもそも自分の親や妻の親に借金を肩代わりしてもらうことを身に染みて恥とは思わないのが、借金ぐせのある男のキャラクターです。その甘さに良い面がまったくないとは言えませんが、借金ぐせを治すうえでは最悪の対処法です。

2-2. 反省させる

誰かに借金を肩代わりしてもらったときなどは、本人も本気で反省するでしょうが長くは続きません。のど元過ぎれば熱さを忘れるで、両親立会いの下に「二度と借金はしません」という誓約書を書かせても、そんなものは紙切れにすぎないのです。

2-3. 妻はパートで、夫は夜もアルバイトをして必死に借金を返済する

これは借金を返す王道でもちろん悪いこととは言えません。しかしそれで一番喜ぶのは、このゼロ金利の時代に年利18%近い利息を取る消費者金融やカード会社だということも知っておきましょう。借金がなかなか減らないのは、利息の支払いに追われるからです。

この借金返済の王道のいちばんの問題点は、カードが手元にあるということです。苦労して返済を続けるうちに、お金が必要になることが必ず出てきます。その時に融資枠に余裕ができたカードでまた借金してしまうのは、借金ぐせがある人間には避けられないことなのです。

ではどうするのかという対策が「債務整理」という方法ですが、それについては後ろに詳しく述べています。

3. 夫に借金を止めさせる方法

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3-1. カードを処分する

上に述べたように夫がカードを所有している限り、借金返済の苦労がまた振出しに戻ることは避けられません。ご主人とよく話し合って、あなた目の前でカードにハサミを入れてもらいましょう。それが借金癖を治す第一歩です。

ただしハサミを入れたカードは捨てずに保管しておきましょう。後に述べる債務整理のときに必要だからです。

3-2. カードを作れなくする

カードにハサミを入れても、他の消費者金融やクレジット会社で新たにカードを作る可能性があります。今所有しているカードの返済を事故なく続けていたらブラックリストには載っていないからです。

カード会社からの借り入れには「総枠規制」というものがあり、年収の3分の1以上は借入できませんが、審査の甘いカード会社もあります。

また、新たにカードを作らなくてもクレジット会社は2年間のカードの有効期限が切れたら新たなカードを郵送してきます。それがきっかけでいったん無くなった借金がまた増えだすという例は少なくありません。

カードを作れなく、使えなくするには返済を滞らせて信用調査機関のブラックリストに載るのがいちばん確かな方法ですが、むやみにそれをすると返済の催促がうるさいだけでなく借入金の一括返済を要求されることになります。そんに心配なしでブラックリストに載るのが「債務整理」という方法です。

3-3. 債務整理して借金返済を楽にする

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債務整理には、①任意整理、②個人再生、③自己破産という3つの方法があります。

債務整理

任意整理は司法書士または弁護士に依頼して消費者金融やクレジット会社と交渉してもらう方法です。それによって

・今後は利息がゼロになり元金だけを返済すればよい
・元金は3~5年の分割払いで支払えばよい

という大きなメリットがあります。

司法書士や弁護士には借入先1社につき5万円程度の報酬を支払わなければいけませんが、整理の手続きに入って2~3ケ月はカード会社への返済が一時停止するので、その間を利用して分割で支払うことができます。

このような条件をカードが会社が了承するの?と疑問に思うでしょうが、クレジット会社は必ず了承するし消費者金融も多くは了承します。拒否すると元金も戻ってこないことになる可能性が大だからです。

もちろん、カード会社にわるいなどと思う必要はありません。おそらくこれまでに今の金利水準では考えられないくらい高い利息を払っているはずだからです。

この任意整理は、借金の総額が200万円くらいまでのときに有効な手段です。任意整理すると信用情報機関のブラックリストに載りますが、先ほど述べたようにこれは借金ぐせを治すうえではむしろメリットと考えるべきです。

個人再生

個人再生は借金の総額が300万円以上ある場合に選択される債務整理です。司法書士や弁護士に依頼して、裁判所に個人再生の申し立てをします。任意整理は貸し手と借り手の任意の交渉ですが、個人再生には裁判所が関与します。

個人再生が認められると

・借金の総額が500万円以下の場合は100万円に減額される。500万円以上の場合は1/5に減額される(600万円の借金なら120万円に圧縮されます)
・残った借金の金利はゼロになり、元金だけを3年間の分割で支払えばよい
・自己破産とは違い持ち家を手放す必要がない

という任意整理以上の大きなメリットがあります。

個人再生にかかる費用は司法書士や弁護士の事務所によって異なりますが、相場は30~60万円です。これも借金の返済が一時停止している間に分割で支払うことができます。

個人再生すると5~10年間カードを作れなくなる他、官報に住所氏名が掲載されます。しかし、官報などを見る人はほとんどいないので会社や近所に知られる心配はほとんどありません。

自己破産

自己破産は借金を元金ごとゼロにする方法です。2000万円以上の借金がある場合は個人再生でも1/5の400万円以上の借金が残るので、この方法が必要になりますが夫の借金ぐせでそこまで借金が膨らむケースはほとんどないといってよいでしょう。

※今ある借金が債務整理でどのくらい減らせるか知りたい方はこちら

3-4. 借金の利息の怖さを夫に認識させる

借金の元金は減らないのに任意整理に大きなメリットがあるのは、利息の負担がなくなるからです。借金をくり返す人は利息の怖さを分かっていない人がほとんどです。

例えば、総額200万円を法廷金利内の年利17.8%で消費者金融やクレジット会社から借り入れしていたとする、返済期間によって次のような大きな利息を支払うことになります。

毎月4万3千円返済の場合 返済期間80ヵ月 支払う金利の総額 1,419,517円
毎月6万円返済の場合   返済期間47カ月 支払う金利の総額  779,524円
毎月8万円返済の場合   返済期間32カ月 支払う金利の総額  517,634円

毎月の返済額が少なければ返済は楽ですが、その代わり返済期間が長くなり、支払う利息の総額は多く跳ね上がります。毎月4万円の返済では8万円の返済プランの3倍の約150万円の利息を払うことになります。

そもそも借金するお金はほとんどが無駄遣いのお金ですし、それに多額の利息を支払うのですから、節約して貯金することとの差は計り知れません。

債務整理の機会にでもよいので、金利の怖さを夫に認識させることは借金ぐせをなくするためにぜひ必要です。

3-5. 小さな無駄遣いが大きな借金につながることを夫に認識させる

借金ぐせのある夫は、毎月の小遣いがいくらあろうと足りなくしてしまいます。1000円のランチを食べることが贅沢だと思わず、会社の後輩や同僚にも平気でおごります。

そうやって足りなくなった小遣いを1万円、2万円とキャッシングしているとすぐに100万円くらいの借金はできてしまいます。

したがって、あなたが「どうしてこんな借金を作ったの?」と問いただしても、夫本人にもよく分らないのです。

年収が300万円でも貯金する人はいますし、年収500万円でも毎月足りなくなって借金してしまう人もいます。その差は日々のちょっとした無駄遣いにあることを借金ぐせのある
夫にはぜひ理解してもらう必要があります。

3-6. ええかっこしいはくだらないと悟らせる

借金ぐせのある男性はお人好しでええかっこしいのところがあり、それが無駄遣いにつながります。友だちや同僚にいい恰好をしてもなめられるだけだということが分らないのが借金ぐせのある男性です。ケチと言われることを恐れる気の弱さもあります。

周囲にいても害にはならない男ですが、夫に持つには頼りないと言わざるを得ません。なんとかして、ええかっこしいはくだらないと悟らせる必要があります。

3-7. そのうちに大金が入るという妄想を捨てさせる

借金ぐせのある男性には、そのうちに大金が入るという根拠のない妄想を抱いている人が少なくありません。節約してちまちまとお金を貯めることがくだらなく思えて、その結果毎月お金が不足してしまうのです。

若いうちは金を貯めるより自分に投資する方が良いなどという言葉につい乗せられて、くだらないことにお金を使ってしまう傾向もあります。

宝くじなどは千年買い続けても当たる確率は丼の中の1粒の米程度だということを認識させて、そのうちに大金が入るというような妄想を捨てさせることが必要です。

3-8. 節約ぐせをつけさせる

借金もくせなら節約もくせです。夫といっしょに毎月の家計費を書きだしてみて、どこが節約できるかを相談しましょう。妻は妻で食費の節約を心がけるとして、夫にもランチのお金を節約するなどで小遣いの範囲でやりくりして足を出さないようにしてもらいます。

デパートでスーツを買っていたなら借金がなくなるまではユニクロでがまんしてもらいましょう。スポーツジムも解約して毎月5000円浮かしましょう。WOWOWの2000円もこの際節約します。

「ちりも積もれば山となる」を借金ではなくて節約で実感できるまで夫婦で頑張ることが必要です。

3-9. 禁煙させる

借金生活から抜け出すためには禁煙はほぼ接待条件といえます。セブンスターで20本入り1箱440円という最近のタバコの価格は昔とは比べ物にならず、立派なぜいたく品です。これからは借金しないという反省を、まず禁煙という形で見せてもらいましょう。

会社帰りにちょっと一杯も借金がある間は無駄遣いの1つです。少しのお酒まで止める必要はありませんが、家で飲むくせをつけてもらいましょう。

3-10. 生活費を妻が管理する

夫の借金ぐせを治すには、銀行に振り込まれる夫の給料を妻が管理する必要があります。お金が入るとすぐに鷹揚な気持ちになってしまう夫に家計の管理を任せて必要な分を夫からもらうというのでは、借金ぐせは治りません。

夫は夫で毎月のカードの支払いで苦労をしているはずなので、それも含めてあなたが管理することには夫も反対しないはずです。そのためにも先ほど述べた債務整理を真剣に検討してみることをおすすめします。

妻が陽気に暮らすことも大切です

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最後に、妻であるあなたに1つお願いがあります。それはふだんは明るく陽気に暮らすことです。

夫の借金ぐせを治すためには厳しく接する必要があり甘い顔は見せられませんが、1日中「こんな旦那を持つなんてとんだはずれクジだった」という暗い顔をしていてはいけません。

無理だとお思いかもれませんが、やれることだけやったら案外明るい気持ちで暮らせるものです。どうしようと思い悩んでいることがいちばん気持ちを暗くします。借金解消に向けてまずあなたが具体的な一歩踏み出しましょう。

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