利益のための借金は良い借金!では悪い借金とは?

日本人は必要以上に借金を毛嫌いしている、という話を聞いたことがある方は少なくないでしょう。

大抵の場合この言葉の次には欧米ではウンタラカンタラと続くため、欧米かぶれの面倒な相手の話など聞きたくないとスルーしてしまう方が多いようですが、確かに借金が全て悪であるいう考えはいささか短絡的です。

借金にもいい借金と悪い借金があり、いい借金だけをしていけばそれで困ることはまずありません。問題はその借金がいい借金であるか悪い借金であるかの判断ができない人が多いことです。

本記事で良い借金と悪い借金の違いを解説していきますので、借金をする際の参考にして下さい。

金利が低い借金は良い借金

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良い借金の第一条件は金利が低いことです。そんなの当たり前じゃないか、と思われるかもしれませんが、頭では理解していてもその通りに行動できない人は少なくありません。だからこそ利息制限法の上限近くで貸し出している消費者金融が食いっぱぐれないのです。

そういった意味では、個人ができる借金の中では住宅ローンが最も良い借金、ということになります。住宅ローンの金利はその人の信用度などに左右されますが、今の世の中ならば1%台で借りることもそう難しくありません。

また、企業がする借金(銀行からの借金や社債など)も基本的には低金利なので良い借金、ということになります。

逆に悪い借金は前述した消費者金融のカードローンです。消費者金融のカードローンの金利は15~18%が基本です。借りたお金にたくさんお金を上乗せして返済しなければならない借金はすべきではありません。

審査が厳しいほど良い借金

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借り手の意識とは若干ずれがあるかもしれませんが、審査が厳しい借金は基本的に良い借金です。なぜなら、審査が厳しい借金のほうが金利が低いからです。

そもそも審査を厳しくする理由は、絶対に返せそうな人に返せそうな額だけを貸すためです。返せそうな人に返せそうな額しか貸さないので貸し倒れがめったに発生せず、したがって金利を安くすることができるわけです。

このことを考えると、やはり住宅ローンはいい借金ということになります。住宅ローンの審査は非常に厳しく、ほぼ確実に返せる金額しか借りられないからです。

逆に消費者金融のカードローンは返済能力を超える金額が借りられてしまうことがしばしばある(最近は審査も厳正になり、総量規制も敷かれたため以前より貸し倒れは減っていますが)ため、悪い借金といえます。

他人が返してくれる借金は良い借金

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他人が返してくれる借金は良い借金です。他人が返してくれる借金なんかあるわけ無いだろう、と思われるかもしれません。たしかに最終的に金融機関にお金を返すのは自分ですが、その原資を他人が用意してくれることがあります。

例えば、不動産投資のために借金をして、それを返済するケースについて考えます。この時、返済の原資となるのは物件に住んでいる人が払ってくれる家賃です。

もちろん、家賃を手に入れるために住民を囲い込む努力をしなければならないのは事実ですが、一度住んでもらえればその期間中はずっと住民が原資を用意してくれるわけです。

また、企業がする借金の返済の原資となるのは、他の企業や消費者などの顧客が支払った代金です。顧客にものやサービスを売るためには努力が必要になりますが、顧客がいる限り彼らが原資を用意してくれます。

一方、住宅ローンや消費者金融のローンは、原資を自分で用意するしかありません。

購入したものが値上がりする可能性がある借金は良い借金

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ものというのは基本的に年が経つに従って価値が下がっていきますが、中には年が経ったにも関わらず価値が上がるものがあります。

例えば土地。土地は基本的に経年劣化せず、景気などの要因に応じて価格が変動します。株式や債券なども同様です。一方、建物は年が経つに従って価値が下がっていきます。自動車や服なども同様です。

経年劣化しないものを借金して変えば、いざという時もそれを売って返済に当てることができます。

お金を作るための借金は良い借金

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他人が返してくれる借金とは、言いかえればお金を作るための借金、つまりは投資のための借金です。投資がいつも成功するとは限りませんが、少なくとも成功すればお金は増えるはずです。

お金の増えるペース(利回り)が借金の金利を上回れば、その差額を収益とすることができます。不動産投資で成功している人は、利回り>借金の金利という構図を常に維持しているので、成功できたわけです。

一方、お金を作らない借金、消費や浪費のための借金はおしなべて悪い借金といえます。例えば借金をして服を買ったところで、お金が増えるわけではありません。それで得られるのは一時的な満足だけです。

もちろん、消費をして満足度を得るというのは悪いことではないですし、経済を回すためには必要不可欠なものですが、そのような消費は自分の収入の範囲内でやればいいことです。借金をしてまでやることではありません。

借金の格付け

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以上の観点から、世の中の借金をランキング付けしていきましょう。

商売のための適正な借金は最も良い借金

最も良い借金はズバリ、商売のための適正な借金、つまり企業がする借金です。ここでいう適正なとは、返済が無理なく可能である、ということです。

企業がする借金は金額が高い分、金利は低くなります。審査も厳しいですし、原資は顧客が用意してくれます。

個人の投資のための適正な借金もまずまず良い借金

個人がする借金の中でおそらく最も良い借金は、投資のための借金です。どうしても企業と比べると融資額で劣る分金利は高くなってしまいがちですが、審査は厳しいですし、原資は他人が用意してくれます。

奨学金も長い目で見れば良い借金

奨学金はそもそも極力無利子で貸すべきだと思いますが、有利子の奨学金も長い目で見れば良い借金です。奨学金を借りていい大学に言って勉強すれば、それだけ将来いい職業につける可能性が高くなります。

そういった意味では、奨学金は投資のための借金といえます。もちろん、奨学金を借りて大学に行っても、ダラダラと大学生活を送ってしまっては無駄に借金を抱えることになります。本人の努力次第で良い借金にも悪い借金にもなる、と言ってもいいかもしれません。

住宅ローンのための借金もまずまず良い借金

住宅ローンのための借金は、特別素晴らしいものというわけではありませんが、全体としては良い方に入るでしょう。

投資のためではなく自分が住むための借金なので利益は生まれず、自分で返済していくしか無いのがネックですが、今後家賃を払わなくて済むようになるのでトータルで見れば大きく損をするわけではありません。

住宅ローン完済後は住宅と土地が自分のものになるため、資産も手に入ります。建物はともかく土地の価値は目減りしないので、その土地を使って投資ができるかもしれません。

カーローンは全体としては微妙な借金

カーローンは住宅ローンと比べるとやや金利も高めで、自力で返済していかなければならない上、車は土地と違って経年劣化するため、あまりいい借金とはいえません。

どうしても車がないと生きていけないような生活をしているのでなければ、あまり利用しないほうが良いでしょう。

キャッシングやカードローンは悪い借金

キャッシングやカードローンは非常に悪い借金です。自力で返済しなければならない、金利が高い、審査が比較的ゆるいと、何一つ良いところがありません。消費は借金ではなく、自分のお金で行うようにしましょう。

良い借金で幸せになろう

siawase

良い借金はあなたの人生を豊かにします。借金を全て毛嫌いするのではなく、良い借金と悪い借金を性格に見分けようとする癖を身につけてくださいね。