配偶者が自分に黙って借金をしているのではないかと疑っている方は、意外と少なくありません。急に口座からお金が引き落とされていたり、家計に困っている様子もないのに働きたがりだしたら、邪智してしまうのも無理はありません。
本人に面と向かって借金しているかは聞きづらいですし、かと言って放置してしまうと大変な事にもなりかねません。今回は配偶者に借金があるかどうかを調べる方法を解説したいと思います。
第三者が借金の情報を手に入れるのは違法
まず、現代日本においては、第三者が個人の借金の情報を、本人の許可無く手に入れるのは違法となっています。たとえその相手が妻であろうと夫であろうと、間違いなく違法になります。
借金に関する情報は信用情報機関にまとめて保存されていますが、開示請求が出来るのは本人、もしくは本人から委任された人だけです。
ですので、本当に配偶者の借金が心配ならば、配偶者にそのことを離したうえで情報開示をするように相談した方がいいでしょう。それが原因で関係がこじれるかもしれませんが、こじれないかもしれません。
配偶者が借金をした原因が「家計を思って」の場合は、正直に話してくれる可能性が高いでしょう。逆に個人的な楽しみの場合は話してもらえない可能性が高いでしょう。自分に協力できることはないかという姿勢を見せれば、配偶者も正直に話しやすいです。
探偵を雇えば借金調査ができるが、リスクも高い
借金の明確な証拠がないけれどどうしても疑わしいという場合は、探偵に調査を頼むこともできます。ただし、調査でわかるのは借金をしているか否か、借金がある場合はどれくらい債務があるのかというところまでであり、詳細な金額を把握することはできません。
そもそも前述のとおり、現代日本においては、第三者が個人の借金の情報を、本人の許可無く手に入れるのは違法となっています。合法でないならば調べる方法はいくらでもあり、そうした手段を用いる探偵事務所も少なくありません。
それが配偶者に伝わってしまった場合、かえって問題がこじれることもあります。探偵を雇うのは最終手段と考えてください。
配偶者に借金があるとわかったら
配偶者に借金があることがわかっても、焦っていきなり離婚を考えるのは危険です。まずは冷静に話し合いましょう。もしかしたら配偶者はギャンブル依存症や買い物依存症になりかけているかもしれません。
借りたお金を何に使ったのか、なぜ自分に内緒にしていたのかなどをしっかりと確認してください。自分に非があった場合はそれを認めることも大切です。
ただし、話し合いを持ってしても問題が解決できないことはしばしばあります。そうした場合は離婚も視野に入れたほうが良いですが、借金を理由に離婚が認められるかどうかは非常に微妙なところです。
浪費やギャンブルなどが理由で借金をしていた場合はそれを理由に離婚できる可能性が高いですが、生活費などに当てていた場合は双方の合意がないと難しいでしょう。
配偶者の借金は財産分与になる?
離婚の際には必ず、財産分与が行われます。財産分与とは、片方が持っている財産をもう片方の配偶者に分配するものです。
夫婦の財産は基本的に共有物であり、離婚する場合は夫の給料で買ったものであろうが、妻の給料が買ってものであろうが、すべて半分づつに分けるのが基本です。
財産分与の対象になるのは現金、預金、有価証券、不動産などですが、一方で借金も財産分与の対象となることがあります。結婚している際中にどちらか一方が作ってしまった借金は、財産分与で双方のものとなってしまう可能性があるのです。
財産分与の対象となる借金は日常家事債務、簡単にいえば生活費のための借金です。例えば光熱費、食料品、医療費、夫婦の娯楽費、住宅ローンの支払などのための借金は全て日常家事債務に含まれます。
これらの借金はたとえ配偶者が勝手にしていたとしても、財産分与の対象となってしまいます。
逆に妻が勝手にブランド品を買うために借金をしていた場合などは、財産分与の対象とはなりません。
家族に借金がバレそうになったらどうする?
家族に借金を疑われている場合は自分から正直に離したほうが良いですが、それでも隠し通したいという場合は早めに債務整理をした方がいいでしょう。自己破産や個人再生を家族に内緒で進めるのはほぼ不可能ですが、任意整理は家族に内緒で行うことができます。
しかし、任意整理をすると一定の期間借金ができなくなってしまうため、住宅ローンを組む際などに借金歴がバレてしまうこともあります。一定のリスクは覚悟したうえで行いましょう。
借金問題は弁護士に相談しよう
借金問題はとにかく弁護士に相談しましょう。一番適切な解党を返してくれる可能性が高いです。