お金に関する悩みというのは、身近な家族や友人にはかえって相談しづらいものですし、素人に相談しても良い答えが返ってくることはまれです。
お金のトラブルはお金のプロに相談したほうが、問題が解決できる可能性が高まります。今回はお金に関する悩みを聞いてくれる専門機関や専門家を、悩み別に紹介したいと思います。
目次
家計を見直したい場合はFPに相談しよう
特に贅沢をしているつもりはないのになかなか支出が減らずお金が貯まらないという場合は、FP(フィナンシャルプランナー)に相談するといいでしょう。
FPとは、人生の夢や目標を叶えるための資金計画やその計画の実行などを手助けしてくれるお金の専門家です。投資や税制、住宅ローン、保険など幅広い知識を有している、家計のホームドクター的存在です。
FPに関する資格はいくつかありますが、その中でも特に信頼性が高いのが日本FP協会認定の「CFP®資格」とです。CFP®資格は北米やヨーロッパ、アジアなどを中心に24の国と地域で認められた世界水準のサービスを提供できるFPであることを証明する資格です。
2年毎に資格更新があり、所定の継続教育が求められるため、いつでも最新の知識を持っています。毎年の合格率は約8.0%前後というかなりの難関資格であり、それゆえに資格保有者はかなり信頼できるといえます。
企業系FPと独立系FPの違い
FPは大きく、資格を保有した上で銀行や保険会社、不動産会社などに所属して働く企業系FPと、資格をもとに独立して相談などを請け負っている独立系FPに分けられます。
企業系FPは銀行や不動産会社に行けば簡単に会うことが出来ますし、相談料も無料ですが、彼らは企業人であるため最終的には自社製品を勧めてくることが多いです。
独立系FPは企業からは独立しているため中立的な立場からのアドバイスが期待できますが、相談料は有料です。一口に独立系FPと言ってもその実力はまちまちであり、相談料も安い人だと3000円程度ですが、高い人だと1万円を超えることもあります。
それでいて高い人ならば必ずためになる答えが買ってくるかという塗装とも言いきれないのも悩みどころです。独立系FPは元金融機関勤務の人が多く、得意分は前の勤務先に影響される(例えば証券会社出身の場合は運用に強い)傾向があります。
信頼できるFPの探し方
独立系FPの多くはウェブサイトを通じて情報発信を行っています。これまでの仕事実績や料金だけでなく、仕事に関する考え方なども参考にして、自分のニーズに合った人を探しましょう。
有名なFPであってもすべての分野に強いとは限らないので、自分が相談したい分野に強いFPを選ぶようにしましょう。
個別にウェブサイトを回っていくのが面倒くさいという場合は、CFP®認定者検索システムを利用するといいでしょう。所在地や得意分野などからFPを絞り込むことができるため、大変便利です。
商品やサービスのトラブルは国民生活センター・消費生活センターに相談しよう
悪徳商法、霊感商法、詐欺、マルチ商法のようなトラブルに巻き込まれた場合は、まずは国民生活センターに相談しましょう。国民生活センターは国が、消費生活センターは地方公共団体が運営している期間で、どちらも消費者からの相談を受け付けています。
各都道府県や主要な市区町村には消費生活センターが設置されており、対面で話すことが可能です。相談は無料です。
相談の手順
消費生活センターに相談する場合は、まずは電話で連絡するのがいいでしょう。消費者ホットライン(局番なしの188)に電話をかけると音声ガイダンスにつながり、そのガイダンスに従って回答していけば近隣の消費生活センターにつながります。ホットラインが利用できない場合は、自治体に電話してみてください。
また、消費生活センターは原則として、本人からの連絡を推奨しています。本人が認知症や病気などで話をすることが難しいなどの特別な事情がない限りは、自ら電話しましょう。
電話の際には市区町村までの住所、年齢、電話番号、職業などの基本的な個人属性のほか、トラブルのもととなった商品の金額やその販売方式などを問われます。電話をかける前に予め契約書などの資料を用意しておくと、相談がスムーズに運んで便利です。
ただし、場合によっては書類よりもとにかく一日でも早く相談したほうが有効な場合もあるため、心配な場合はまずは相談しましょう。
対面で相談したい場合は、自治体にもよりますが原則として予約が必要になります。詳しくはお住いの市区町村、もしくは都道府県のウェブサイトをご覧ください。
借金で困っている場合は弁護士に相談しよう
借金の支払いが苦しい、債務整理をしたいなど、借金に関する相談は弁護士にするのがベストです。
弁護士事務所に債務整理を依頼する場合は報酬を払う必要がありますが、初回相談は無料としている弁護士事務所も少なくありません。弁護士事務所を探す場合は、弁護士事務所のポータルサイト「弁護士ドットコム」が便利です。
弁護士が選べない場合は各都道府県弁護士会の法律相談センターが便利
弁護士をどのような基準で選んだらいいのかよくわからない、あるいは弁護士事務所に直接相談に行くのは不安という場合は、各都道府県弁護士会が運営している法律相談センターに相談しに行くといいでしょう。
法律相談センターは各都道府県に設置されており、借金問題に関する相談は無料で受け付けてくれるところも少なくありません。例えば東京都内の法律相談センターでは借金相談の破産、債務整理、過払い金のような、お金に関する問題を無料で相談できます。
借金の額が少ない場合は司法書士でもOK
司法書士とは司法書士法に基づく国家資格で、おもに登記業務を行います。それに加えて研修を受けた司法書士の場合は、140万円以下の事件について、弁護士と同等の業務を行い、依頼主の代理人となって交渉や調停、裁判を起こすことが可能です。
借金の額が140万円以下の場合は、司法書士に相談してもいいでしょう。
弁護士費用が払えない場合は法テラスが心強い味方に
借金問題で困っていて弁護士の力を借りたいけれど、弁護士報酬が払えそうもないという場合は、法テラスに相談するといいでしょう。法テラスは国が設置した主に低所得者向けの法律相談の総合窓口で、運営元が国であるため安心して利用できます。
行っている業務は多岐にわたり、法テラスが契約している弁護士と無料で相談することが可能です。1回の相談時間は30分ぐらい、最大で3回まで相談できます。
法テラスには以下のような収入要件・資産要件があります。この要件を満たしていれば、誰でも相談が可能です。
収入要件
人数 | 手取月収額の基準 注1 | 家賃又は住宅ローンを負担している場合に 加算できる限度額 注2 |
---|---|---|
1人 | 18万2,000円以下 (20万200円以下) |
4万1,000円以下 (5万3,000円以下) |
2人 | 25万1,000円以下 (27万6,100円以下) |
5万3,000円以下 (6万8,000円以下) |
3人 | 27万2,000円以下 (29万9,200円以下) |
6万6,000円以下 (8万5,000円以下) |
4人 | 29万9,000円以下 (32万8,900円以下) |
7万1,000円以下 (9万2,000円以下) |
資産要件
人数 | 資産合計額の基準 注1 |
---|---|
1人 | 180万円以下 |
2人 | 250万円以下 |
3人 | 270万円以下 |
4人以上 | 300万円以下 |
法テラスで知り合った弁護士に債務整理などを依頼する場合は報酬を支払わなければなりませんが、法テラスには支払い費用を立て替えてくれる制度があるため、相談する時点で手持ちのお金がなくても大丈夫です。
建て替え制度を利用した場合、法テラスが弁護士に支払いを行ってくれるので、依頼者は法テラスに対して建て替えてもらった分の費用を支払っていくことになります。支払いは原則契約の2ヶ月後から始まり、無理のないペースで毎月一定の金額を支払っていきます。
闇金の被害にあった場合は警察と弁護士に相談しよう
違法な取り立てや上限金利を超える融資などを行っている、いわゆるヤミ金の被害にあってしまった場合は、すぐに警察に相談してください。警察は違法な行為を行っている証拠があればすぐ動いてくれることが多いので、何らかの証拠を残すようにしましょう。
証拠がない場合は業者への注意程度で終わってしまうことも多く、その場合は別途弁護士に相談した方がいいでしょう。
警察に連絡する場合は、緊急性が高い場合は「110」に、そうでもない場合は「#9110」に連絡しましょう。110は24時間いつでも受け付けていますが、「#9110」は原則平日8時30分~17時15分なので時間には気をつけてください。
電話でなく警察署や交番で直接相談することも可能です。ヤミ金の被害を受けていると相談すれば、担当者に取り次いでもらえるはずです。
まとめ
- 家計を見直したい場合は、お金について広範な知識を持つFPに相談する
- 商品やサービスに関するトラブルに巻き込まれた場合は、国や自治体が設置した国民生活センター・消費生活センターに相談する
- 債務整理や借金については、弁護士に相談する
- まとまった弁護士費用が出来ない場合は、法テラスで無料相談を受ける
- 借金の額が少ない場合は司法書士でもOK
- 闇金の被害にあった場合は、警察もしくは弁護士相談する
お金に関するトラブルを人に話すというのはなかなか勇気がいることかと思いますが、だからといって放置してしまってはますます自体は悪くなっていきます。早めの対処があなたの立場を救います。