悪質な借金取り立てにあった時の対処法

借金の取り立てには一定のルールとがあります。殆どの金融機関はそのルールに則って取り立てを行いますが、中にはそうしたルールを守らない違法業者もあります。

一番大切なのはそうした違法業者からお金を借りないことですが、万が一借りてしまい、違法な取り立てにあってしまった場合にはどうすれば良いのでしょうか。

大手の金融機関ほどルールを守る

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世の中には大小様々な金融機関がありますが、大きな金融機関ほど取り立てのルールを厳重に守り、紳士的に対応します。大手の金融機関ほど、イメージを大切にしているからです。

アコム、プロミス、モビットなどの大手消費者金融、あるいは都市銀行や地方銀行などは、毎年何億円も広告費を掛けて自社のイメージアップに努めています。

そこまでして築いた良い企業イメージを、たかだか数十万円~数百万円程度の取り立てで台無しにするほど、彼らは愚かではありません。ある程度の貸し倒れは折り込み済みであり、返済できそうもない相手に人員を割くような真似はしません。

中小の金融機関も、殆どの場合はルールを守るのですが、中にはそうでない金融機関もあります。こうした金融機関がいわゆるヤミ金です。ヤミ金には企業イメージなど無いので、なりふり構わず違法な取り立てを行ってくるのです。

違法な取り立てってどんな取り立て?

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違法な取り立てと一口に言ってもその内容は千差万別ですが、ここではその中でも特によく見られるものを幾つか紹介したいと思います。

正当な理由なく、深夜や早朝に訪問する

現在の法律では、原則として午後9時~午前8時までの間に取り立てを行うのは禁止されています。ここで言う取り立てとは自宅訪問だけでなく、電話やFAXなども含まれます。この時間帯に金融機関が債務者に対して接触をしてはいけない、というわけですね。

ただし、正当な理由がある(債務者が夜働いて昼寝る生活を送っているので、この時間帯でしか連絡が取れない場合など)は、この時間帯に連絡をしてもいいことになっています。

威圧的な態度を取る

威圧的な態度をとって取り立てるのは禁止されていますが、では一体威圧的な態度とは何なのでしょうか。

この辺りの線引きは難しいところですが、大手の金融機関は独自のマニュアルを作成し「自宅訪問する際の人数は2名まで」「電話での督促で乱暴な言葉を使わない」などの規則を定めて、威圧的な態度と取られないように細心の注意を払っています。

退去するように言われたのに退去しない

ドラマなんかだと「金返すまで今日はここから動かないからな」と居座るシーンを良く見かけますが、アレはフィクションの中のお話。現在の法律では債務者が退去するように言った場合、債権者はどんな都合があろうと必ず退去しなければいけないことになっています。

これを守らない金融機関はすべてヤミ金です。

債務者・連帯保証人以外の人間に対して返済を迫る

借金は債務者(連帯保証人)と債権者の間の契約であり、それ以外の人にとっては全く何の関係もないものです。たとえ債務者の親、子供、友人であろうと、借金には何の関係もありません。そうした人たちに対して金融機関が返済を迫るのは違法とされています。

職場に電話する

借金の取り立ては必ず自宅、もしくは自宅のFAXや個人の電話などを通じて行わなくてはいけないことになっています。勤務先・会社に電話して借金の事実について触れ回るような行為は禁止されています。

債務整理が始まったにも関わらず、取り立てを続ける

債務整理を弁護士に依頼すると、弁護士は金融機関に対してその旨を通知します。この通知を受け取った金融機関はその後債務者に対して取り立てを行ってはいけないことになっているのですが、ヤミ金はそんなことお構いなしに連絡してきます。

違法な取り立てを受けた時の連絡先は法テラスか弁護士事務所か警察

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違法な取り立てを受けた場合は、基本的に法テラスか弁護士事務所、もしくは警察に連絡すべきです。違法ではあるが差し迫った危険はない、という場合には、とりあえず取り立てが済んでから法テラスか弁護士事務所に相談するようにしましょう。

なんだか難しそうな場所だと思われるかもしれませんが、とりあえず相談して見るところからはじめましょう。状況に応じた、最適なアドバイスが期待できます。もちろん、警察にも合わせて連絡しましょう。

差し迫った危険がある場合は、法テラスや弁護士事務所は後回しにて、すぐに警察に通報しましょう。警察署は24時間いつでも相談を受け付けていますし、交番などでも相談ができます。

相談窓口は基本的には生活安全課ですが、背後に暴力団が絡んでいる可能性が高い場合は刑事課が対応してくれます。よくわからないという場合は、受付に相談しましょう。

違法取り立ての証拠の集め方

警察は基本的に証拠がないと動けない機関なので、できれば通報前に証拠を集めておきたいところです。証拠の残し方はいろいろありますが、最も確実なのは動画です。警察としても、動画があれば動かざるを得ません。

最近はペンやスマホ充電器、USBメモリなどの日用品に擬態した隠しカメラもあるので、そうしたものを用意しておくと良いでしょう。

それが高額で難しいという場合は、音声だけでも録音しておきましょう。安物のレコーダーならば3000円程度で買えます。取り立て人が何か壊した場合は、それがそのまま証拠になるので、片付けずにそのままにして通報しましょう。

取り立て人と警察官を引き合わせる方法

取り立て人と警察官を引き合わせることがベストですが、これはなかなか簡単なことではありません。取り立て人が来ている眼の前で通報してしまえば、当然相手は逃げてしまいます。

同居人に通報をお願いするなどして、取り立て人に見つからないように通報しましょう。うまく取り立て人を警察官と引き合わせることができた場合、警察官は取り立て人に対して職務質問を行います。ここで違法取り立ての証拠を提出することができれば非常によいです。

被害届を提出しよう

ヤミ金の違法取り立てにあった場合は、被害届を提出しましょう。被害届を提出する義務はないのですが、提出しておいたほうがその後の裁判などで何かと有利になりやすいです。被害届の作成は警察官のサポートのもとに行うことが大半です。

違法な取り立てが証明されたヤミ金の末路

その金融機関が違法な取り立てを行っていることが明らかになった場合、警察は被疑者を送検します。その後は裁判が行われ、有罪判決が下された場合、2年以下の懲役もしくは300万円以下の罰金が課されます。

業者に対しては、業務の全部、もしくは一部の停止命令が下されることになるはずです。

弁護士に相談するとより早い

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警察よりもスピーディーな対応を求める場合は、お金はかかりますが弁護士に依頼した方がいいでしょう。弁護士費用は5万円~10万円程度と決して安くはありませんが、それに見合っただけの効果は期待できるはずです。

違法業者にとって弁護士は忌むべき商売敵であり、弁護士が名乗りを上げただけで退散していく違法業者も少なくありません。ただし警察と違って緊急時に家に駆けつけてくれることはないので、急いでいる場合は警察に連絡しましょう。

なんにせよ、ヤミ金には近づかないのが一番ですが、万が一借りてしまった場合は、早急に警察や弁護士に相談するところからはじめましょう。