借金をしている人の殆どはおそらく、借金を一刻も早く無くしたいと考えているはずです。しかし、何の作戦もなくただ漫然と借金を返済し続けるだけでは、借金はいつまでたっても減ってくれません。今回は借金を最短で無くす方法を考えてみたいと思います。
借金をなくす3種類の方法
借金をなくすための方法は全部で3つあります。
2. 債務整理をする
3. 地道に返済をする
1. 「借金の時効を待つ」のは茨の道
借金の返済を請求することができる権利を債権といいますが、この債権には事項があります。一定の期間が過ぎると、債権は消滅して債務者は支払い義務を免れることができるのです。
債権が消滅するまでには通常5年間、もしくは10年間かかります。その間なんとかして借金から逃げ続けることができれば、借金は帳消しになるわけです。
しかし、実際問題借金の時効まで逃げ切るというのは簡単なことではありません。金融機関から借金をした場合、債権の有効期間は基本的に5年間ですが、その間はずっと取り立てに耐えなければなりません。
もちろん、正規の金融機関から借りれば違法な取り立てに会うことはありませんが、なんにせよその間はストレスまみれの生活をおくることは間違いないでしょう。
そして、金融会社は様々な方法を用いて、時効のカウントをストップしたり、あるいは振り出しに戻したりすることができます。
例えば、金融機関は返済が滞ると電話や口頭で催促をしてきますが、それらに効果がないとわかった場合、郵便で督促状を送ることがあります。そんな郵便は受け取っていないという言い逃れをなくすため、内容証明郵便&配達証明で送らることがほとんどです。
この催促状が送られてきた場合、時効のカウントが半年間ストップします。つまり、時効が実質的に延長されてしまうわけです。6ヶ月間が経てば再び時効のカウントはスタートします。
また、金融機関は裁判を起こして返済を求めることができますが、裁判が始まるとそれまでの経過年数はリセットされ、振り出しに戻ってしまいます。
ならば裁判から逃れるために雲隠れすればいいじゃん、と思われるかもしれませんが、金融機関は相手の住所がわからなくても裁判を起こすことができます。
そして裁判に出席できなければ、全面的に金融機関の主張が認められることになります。その他、差し押さえでも経過年数はリセットされ、時効は振り出しに戻ります。
また、債務者が債務の承認をしてしまうと、それまでの経過年数はリセットされてしまいます。債務の承認とは借金があるという事実を認めること、言い換えれば借金を1円でも返済してしまうことです。
金融機関が「利息だけでも……」といって少額だけでも返済させようとするのは、このルールを知っているからです。
そして、時効までの期間が経過しても、それだけで借金が帳消しになるわけではありません。時効までの期間が経過したうえで、金融機関に対して「時効が来たのでもう借金は返済しませんよ」という通達をしなければいけない決まりになっています。これを時効援用といいます。
さて、時効援用が認められると晴れて借金は0になりますが、そのことは信用情報機関に記録され、二度と消去されることはありません。借金を時効で踏み倒すと、今後二度と借金はできなくなってしまうのです。
今後は住宅も自動車も全て現金一括購入で支払わなければならないですし、クレジットカードももてません。まともな社会生活を送るのは極めて難しくなると考えたほうが良いでしょう。時効は狙わないほうが懸命です。
2. 「債務整理」は手っ取り早いがデメリットも少なくない
債務整理とは、合法的な手続きによって、借金を少なくしたり、あるいは帳消しにしたりする制度のことです。債務整理には「任意整理」「特定調停」「個人再生」「自己破産」の4つがあります。
債務整理のメリットは、時効の援用と違って一生借金ができなくなるわけではないことです。債務整理を行うとそのことは信用情報機関に登録されますが、その情報は5年~10年で消去されます。
情報が消去されたあとは、再び借金ができるようになります。ちゃんと生活を立て直すことができれば、住宅ローンを組むことだってできるのです。
二番目のメリットは、時効を待つ必要が無いことです。前述のとおり、借金の時効を迎えるためには5年~10年末必要があります。この期間中、催促に耐え続けるのは簡単なことではないでしょう。
債務整理はしようと思った直後から手続きを始めることができるうえ、債務整理を弁護士に依頼すれば催促もすぐに止みます。
一方、債務整理のデメリットは、必ずしも借金が帳消しになるわけではないということです。前述のとおり務整理には「任意整理」「特定調停」「個人再生」「自己破産」の4つがありますが、このうち借金が帳消しになるのは自己破産だけです。
残りの3つは借金を減額する制度であり、借金を帳消しにするわけではないので、手続き後も引き続き少なくなった借金を返済していく必要があります。
じゃあ自己破産を選べば良いのかというと、そうともいえません。自己破産をすると20万円以上の財産、もしくは99万円以上の預金は原則として失うことになります。つまり、ほぼすべてのケースで自動車と住宅を失うわけです。
これらの資産を持っている人にとっては自己破産は選びがたいものです。かと言って他の債務整理を選ぶと、借金が帳消しになりません。
また、債務整理の手続は非常に複雑なので、基本的には弁護士や司法書士などの専門家に依頼することになります。専門家に依頼すれば、当然それだけ費用がかかります。費用は手続きの内容や債務の額によって異なりますが、場合によっては50万円を超えることもあります。
最近は分割払いや後払いに応じてくれる弁護士事務所も少なく無いですが、借金で悩んでいる人にとってかなりの負担になることは間違いありません。
総合的に見れば時効援用よりはメリットが大きくデメリットは小さいですが、、それでもある程度傷を追うことは覚悟しなければなりません。
3. 「借金は地道に返済する」のが一番!
時効を待つのにも、債務整理を行うのにもリスクが有ります。返済できるのならば、返済してしまうに越したこともありません。きちんと返せば財産を没収されることも、借金ができなくなることも、催促に悩まされることもありません。
とはいえ、中には返済をきちんと続けているつもりなのに、借金が一向に減らないという人もいます。そうした人は一体どうすれば良いのでしょうか。
利息を払わないのが借金返済のコツ
借金返済のコツは幾つもありますが、究極的には「利息を払わない」のが一番のコツと言えます。借金返済のために払ったお金はその一部が利息に当てられ、残りが元本に当てられます。
この利息の割合を減らして、元本の割合を大きくするのが借金をスムーズに減らすコツです。では、一体どうすれば利息の割合を大きくすることができるのでしょうか。
まず、毎月の返済額はできる範囲で多く設定した方がいいでしょう。返済額が大きくなれば、全体に占める元本の割合が大きくなり、それにしたがって利息の割合は小さくなります。
もちろん返済が遅れてしまい、遅延損害金を支払わされる羽目になってしまってはバカバカしいので、無理は禁物です。
また、できることならば繰り上げ返済をしましょう。繰り上げ返済とは、毎月の一定額の返済とは別に、追加で返済を行うことです。繰り上げ返済は通常の返済と違い、全て元本に充当されるので、元本を大きく減らすことができます。
余裕資金があるときは、ガンガン繰り上げ返済を行っていきましょう。
また、現在の利息が高過ぎるという場合は、利息が安いところで借り換えるのも良いかもしれません。ただし、利息が安くなっても返済期間が伸びると総返済額が却って大きくなってしまう可能性があるので注意が必要です。
借り換えの前にかならずシミュレーションを行うようにしましょう。