借金が300万円ある時、選択肢は1つしかないと思っていませんか?
約束通りに返済をしていくということはとても大切なことです。
しかし、それ以外の方法もあるということを知っていることで、得をすることもあります。
ここでは、借金300万円の返済方法を紹介してみたいと思います。
そのまま返済を続けた場合の利息はどのくらい?
借金300万円の内訳は、人によって様々だと思いますが、ここでは、次のようなケースを想定してシミュレーションをしてみます。
このケースはあくまで一例であり、それぞれのケースに応じて計算をしてみてください。
消費者金融3社からそれぞれ80万円、50万円、40万円の借金(金利18%)
ディーラーローン80万円(金利7.0%)
クレジットカードのショッピング枠の手数料
毎月の最低返済額は1万円と仮定します。
クレジットカードのショッピング枠は、借金ではないと考えている人が多いでしょう。しかし、リボ払いや分割払いにしている場合には、借金と同じです。手数料がかかりますが、これが借金の利息と同じくらいの負担となります。
ショッピング枠リボ払い50万円(リボ払い手数料15%)を毎月1万円ずつ支払っていた場合、
返済総額:789,500円
支払手数料総額:289,500円
となります。これは驚きの結果ではないでしょうか?
例えば、50万円のテレビをクレジットカードで購入して、支払い方法をリボ払い(手数料15%)にしたとします。毎月1万円だけが引き落とされて、随時返済をいっさいしなかったら、完済まで6年と7ヶ月もかかり、およそ29万円の利息がかかってしまいます。
このような結果になることを回避する方法は簡単です。クレジットカードの会員画面にログインして、毎月の支払額を1万円から3万円にしてみましょう。
返済総額:564,194円
支払手数料総額:64,194円
という結果になります。毎月の支払い額を増やすことで、かなり手数料を節約できることになります。
消費者金融からの借金の利息
消費者金融3社(A社、B社、C社とします)からそれぞれ80万円、50万円、40万円の借金を借りている場合、金利は18%になることが多いでしょう。合計160万円の借金ですが、多重債務となってしまっているため、金利は高めになってしまいます。
毎月の最低返済額はA社では2万円、B社とC社では1万円と仮定します。
消費者金融A社の場合
消費者金融A社からの借入80万円(金利18%)について、毎月2万円ずつ返済していったとすると、次のようなシミュレーション結果になります。
返済総額:1,230,852円
支払利息総額:430,852円
月額返済額は2万円と多めですが、とても大きな負担となっていますね。
消費者金融B社の場合
消費者金融B社からの借入50万円(金利18%)について、毎月1万円ずつ返済していった場合は・・・
返済総額:931,021円
支払利息総額:431,021円
金利が18%なので、クレジットカードのショッピング枠リボ払い(15%)に比べて負担は大きいです。
消費者金融C社の場合
消費者金融C社からの借入40万円(金利18%)について、毎月1万円ずつ返済していった場合は・・・
返済総額:615,397円
支払利息総額:215,397円
B社からの借入よりはかなりマシですが、それでも大きな負担となっています。
ディーラーローンの利息
最後に、ディーラーローン80万円(金利7.0%)についてもシミュレーションしてみます。
ディーラーローンは分割払いであり、36回払い~48回払いくらいに設定していることが多いでしょう。ここではすでに返済がいくらか進んでいるとして、残りの返済期間が30ヶ月、月額返済額は3万円としてみます。
返済総額:872,056円
支払利息総額:72,056円
負担は決して小さくはありませんが、クレジットカードのリボ払いや消費者金融からの借入に比べるとかなり良心的ですね。
金利の低いディーラーローンは急いで繰り上げ返済をする必要はありません。金利の高いローンを優先的に返済していきましょう。
まとめ
毎月最低額だけを返済していった場合、
もの利息がかかることになります。
借金の元本は300万円でも、手数料や利息も含めた総額ではおよそ444万円の負担となっています。
おまとめローンを利用するとどのくらいの節約になる?
選択肢の1つとして、おまとめローンを利用するということが考えられます。
消費者金融のおまとめローン
消費者金融のおまとめローンでは、クレジットカードのショッピング枠は対象にできません。
↓
消費者金融D社からの借入170万円(金利15%)
というようになるでしょう。金利はもっと低くなる可能性もあります。
月額返済額は変わらず、4万円としてシミュレーションをしてみますと、
返済総額:2,439,672円
支払利息総額:739,672円
となります。利息が1,077,270円から739,672円まで減らせていますね。およそ34万円も利息が節約できました。
銀行のおまとめローン
銀行のおまとめローンでは、クレジットカードのショッピング枠も対象にできます。
銀行カードローンE社からの借入220万円(金利10%)におまとめをすることに成功し、月額返済額は5万円のまま変わらないとしてシミュレーションをしてみます。
返済総額:2,751,924円
支払利息総額:551,924円
利息の負担が1,366,770円から551,924円へと大きく減少しました。金利は10%よりも高くなる可能性がありますが、逆にもっと低くなる可能性もあります。おまとめに利用する銀行カードローンは慎重に選び、なるべく金利が低い商品にしておきましょう。
一部だけ借り換えをすることもできる
銀行カードローンに申し込みをしたが、審査の結果、「100万円までなら融資が可能です」と言われたとします。
100万円だけでも金利の低い銀行カードローンに借り換えができるなら、メリットがあります。
希望額が借りられなかったからといってすぐに断ってしまうのではなく、よく考えてみましょう。
債務整理をすると借金をどのくらい減額できる?
おまとめローンを利用して解決をすることが理想的ですが、消費者金融のおまとめローンは金利が高いので、まだ大きな負担が残ります。また、そもそもおまとめローンの審査に通らないということも多いでしょう。
おまとめローンは借入金額が大きいため、審査はとても厳しいです。銀行カードローンでまとめることが難しいことはもちろん、消費者金融のおまとめローンでもそれなりの難易度になります。
そんな時は、債務整理についても検討してみましょう。
任意整理をした場合
ここでもう一度、300万円の借金の内訳について確認しておきます。
消費者金融3社からそれぞれ80万円、50万円、40万円の借金(金利18%)
ディーラーローン80万円(金利7.0%)
最低返済額だけを返済していった場合、利息は1,438,826円になるという計算結果になりました。
任意整理をすると、将来の利息を全額カットできますので、利息の1,438,826円がカットされ、元本の300万円だけをおよそ3年~5年程度で返済していく計画を立てることになるでしょう。
しかし、ディーラーローンでは、車の所有権をディーラーもしくはローン会社に留保していると思われるので、任意整理をすると車を没収されてしまいます。
車を没収されない方法
車を没収されないためには、ディーラーローンだけを任意整理の対象から外すことです。
ディーラーローンだけはそのまま返済を続けていく必要があるので、カットできる利息は減りますが、ディーラーローンの金利は7.0%と低めなので、それほど大きな問題ではないでしょう。
むしろ、車を没収されるというデメリットのほうがはるかに大きくなりますので、一般的に、ディーラーローンは任意整理するべきではないと思われます。
弁護士費用は?
任意整理の場合、弁護士費用はそれほど高額にはならないことが多いです。このケースなら、
着手金3万円×4件+成功報酬14万円=26万円くらいになるのではないでしょうか。
弁護士事務所によって料金設定は異なっており、もっと安いところもありますので、比較をしてみましょう。
このケースでは、個別の借金が140万円以下ですので、司法書士に依頼をすることも可能です。司法書士に依頼をした場合には成功報酬はかからず、着手金のみという法律事務所が多いように思います。
債務整理をすると金融事故として扱われてしまい、しばらくの間は金融機関からの信用を失います。ブラックリストに載る期間は任意整理をしてからおよそ5年間です。
個人再生をした場合
個人再生をすると、借金の金額は100万円にまで圧縮されます。弁護士費用は40万円~55万円くらいが相場です。住宅ローンの特別条項を利用すると5万円くらい上乗せされます。
個人再生では原則としてすべての借金を整理しなければならないので、ディーラーローンも整理の対象となり、車は没収されてしまうでしょう。
しかし、自己破産とは違って、担保に入れていないものについては没収されることはありません。資産は残すことができます。
ブラックリストに載る期間はおよそ5年~10年間です。
自己破産をした場合
自己破産をすると借金はすべて帳消しになります。弁護士費用が25万円~40万円くらいかかります。
資産もすべて没収されてしまいますが、しばらくの生活費として、99万円までの現金は残すことができます。
ブラックリストに載る期間はおよそ5年~10年間です。
まとめ
基本的には任意整理がおすすめですが、リストラをされて給料が大きく落ちた場合などには自己破産や個人再生を選んだほうがメリットがあるケースもあります。
素人が判断をしてしまうことはリスクがあるので、まずは弁護士や司法書士に相談をしてみましょう。法律事務所にもよりますが、相談だけなら無料で受けてくれる法律事務所もたくさんあります。
債務整理にはデメリットもあるので、必ずデメリットについての説明も受けておき、納得をしてから契約を結ぶことが大切です。あらかじめデメリットがわかっていれば対策を立てることも可能です。