「1年未満で退職したら再就職できない」こんな嘘を信じる必要はないよ

新卒で希望の会社に入社したのに、もう辞めたい・・・、これは多くの人がぶち当たる壁と言えるかもしれません。入社前はあんなにワクワクしていたのに、実際に入社してみると理想と全く違った、なんてことはよくあることです。

上司と合わない、職場の人間関係が面倒、残業が多すぎる、まともな休日がない、仕事内容がつまらない・・・、辞めたい理由を考えだすとキリがありませんよね。

自分は社会に合わないのかな・・・?なんて不安になるかもしれませんが、それは普通のことです。みんな平気な顔して働いていますが、心の底では仕事したくないなぁって思いながら毎日出社しています。

わたしも前の会社を1年未満で退職しました

というか、1年どころか半年で辞めました。理由は毎日サービス残業まみれで働くことがアホらしくなったから。お金も貰えないのに労働だけを提供するなんておかしいと感じてすぐに辞めてしまいました。

でも、今では無事新しい仕事につけて、毎日楽しく過ごせています。多少の残業はありますが、しっかり残業代は貰えているので満足です。

よく「3年は我慢しろ」なんて言われますが、この言葉に根拠なんてありません。いや、昔なら多少の意味はあったのかもしれませんが、近年では無意味です。なぜなら、現在では新卒の30%が3年以内に最初の職場を辞めているためです。

「3年以内に辞めたら次の職場は見つからない」、もしもこれが本当だとすれば、1年に数十パーセントの永久ニートが誕生することになります。

ただ、実際はそんなことありませんよね?毎年国が出している統計によれば、失職者は数パーセント程度です。しかも、これは全年齢の統計ですから、若年層に限ればもっと小さい数になるでしょう。

でも、派遣社員やフリーターはその数に含まれていないんじゃ?と思うかもしれませんね。確かに、この数字は完全に職がない人だけを表したものですから、派遣やフリーターは含まれていません。

しかし、あなたの周りに派遣の人やフリーターの人ってそこまで多くいるでしょうか?ほとんどの人は正社員として働いているのではないでしょうか?

派遣やフリーターの人にも3種類のタイプがある

一つは望んで派遣やフリーターをしている人、もう一つは次の仕事を探すのが面倒だからとりあえず派遣で食いつないでいる人、そして最後の一つは仕事を探しているけれどなかなか見つからず、仕方なく派遣をしている人です。

今あなたが仕事を辞めたときに恐れているのは、最後のタイプになってしまうことでしょう。二度と正社員にはなれず、一生派遣やフリーターのままなのではないか、という不安ですよね。

でも、この最後のタイプは極少数です。しかも、ほとんどが30代、40代と年齢がネックとなって再就職ができない人ばかりなのです。

今のあなたには就職活動、転職活動において最強の武器、「若さ」があります。それが今の会社でくすぶっているうちに、だんだんと失われてしまうのです。こんなに恐いことってありません。

また、ネット上での退職経験談を調べてみてください。そのほとんどが3年以内に退職したけど問題なく次の仕事が見つかった、というものばかりですよね。

それもそのはずで、次の仕事が見つからないと忠告しているのは辞めたことがない人だけです。実際に経験したことはないけれど、そんな風潮があるからきっとそうなんだろうという思い込みでそう発言しているのです。

今のあなたも全く同じで、退職を経験していないのに、辞めたらもう次の仕事は見つからないと思い込んでしまっているのです。

今の辛い環境から脱出して、理想の職場を見つけられるかもしれないチャンスを見逃してしまうのはとてももったいないですよ。

じゃあ、実際に辞めたら何がどう変わるの?と思う人もいるでしょうから、わたしが前の職場を辞めて後悔していることや、良かったことをいくつかご紹介しますね。

もちろん、これはわたし個人の体験談ですから、人によっては感じる変化は異なるでしょう。でも、わたしとしてはメリットのほうがはるかに大きかったと感じています。

まずは退職に関してのデメリットの部分を挙げていきます。

そこそこ仲のよかった同期や人脈を失った

わたしが以前勤めていたのはそこそこ大きな企業でしたから、同じ職場に同期も数人いました。お昼を一緒に食べたり、たまに飲み会をしたりすることもあり、そこそこ仲がよかったと思います。

ただ、やはり仕事を辞めるとこちらからは連絡を取りづらくなります。おそらく向こうも同じ気持ちでしょう。多分、勇気を出して連絡をすれば飲みに行くことくらいはできると思います。

でも、やっぱり負い目を感じてしまうのですね。といっても、まだ半年の付き合いでしたから、そこまで辛いかと言われればそうでもありません。

また、同じ職場の上司や直属の上司、取引先で少しだけ仲の良かった人たちとも連絡を取っていません。こちらも連絡すれば何か変わるのかもしれませんが、今の職場での人間関係に満足しているので、未練は全くありません。

スキルがほとんど身に付かなかった

入社して半年で辞めましたから、まともなスキルなんてほとんど身につきませんでした。強いてあげれば、失礼のないメールの送り方と、社交辞令の上手さでしょうか。2つとも実務をするうえではあまり役立ちはしませんね。

というか、半年や1年程度ではまともなスキルなんて身につきません。そして、それが原因で再就職できないのではないか?と思うかもしれませんが、実はほとんど関係ありません。

なぜなら、向こうも2年目の若者には大したものなんて求めていないからです。そのため中途入社と言うよりはもう一度新卒で入社したような感じです。最近は「第二新卒」なんて言われたりしますが、上手いこと言うな~なんて感心します。

次の職場での扱いも新卒となんら変わりません。同じように研修を受け、先輩社員から直接指導してもらえたため、スムーズに職場に馴染むことができました。

新しい職場で浮かないかな・・・と心配する人もいるかもしれませんが、「退職」という鉄板ネタを使えば話すネタはいくらでも出てきます。さらに言えば、同じように再就職してきた人は結構いるので、そもそも中途入社自体がそんなに珍しいものでもありません。

では次に、転職してよかったと感じていることを挙げていきますね。

本当にやりたい仕事が見つかった

大学生の就活のときって、自己診断みたいなことをして、自分のやりたいことを見つけようとしましたよね?わたしもそれでやりたい仕事が見つかったような気になって、前の企業に入社したわけですが、結局は違っていました。

というより、そもそも大学生の時点で本当にやりたい仕事を見つけることなんて無理なんです。まれに天職を見つけられる人もいますが、そんなのはごくごく一部だけです。

社会経験もなくどこか夢見がちな大学生に、生涯をつくしてやりたい仕事を見つけられるわけがありません。自分にあった仕事を見つけられるためのお試し入社みたいな仕組みがあればいいのに、と今は思っています。

しかし、半年程度とはいえ、実際に社会経験を積めば自分の本当に得意なことや苦手なことは大体わかってきます。

そして、それが活かせる仕事や自分に向いているんじゃないか、という職種もおぼろげながら見えてくるでしょう。

現在、その向いているんじゃないかという仕事をしていますが、毎日楽しく過ごせています。もちろん、楽しいとはいえ仕事ですから、嫌なことはたまにあります。

それでも、前職とは比べ物にならないくらい楽しいですし、やりがいのようなものも少しは感じています。

正直、仕事のやりがいなんてくそくらえという考え方だったのですが、面白い仕事ができると多少は変わるんだなぁと思っています。それでもやっぱり休日が一番楽しいんですけどね。

このことを考えると、前の仕事も全く無意味ではなかったのかな、と感じています。

圧倒的にストレスが減った

一番のメリットはこれです。前職のときはストレスが半端なかったので、これが大幅に減っただけでも転職した意味があったと感じています。

仕事のストレスを感じる場面は人によってさまざまだと思いますが、わたしの場合はサービス残業がストレスのほぼ全てでした。

どうしてお金も貰えないのに仕事をしなければならないのか、こう考えるだけでイライラし、精神的に苦しくなっていきました。

さらに、もっと嫌だったのは自分の分の仕事は終わっているのに、他の人の仕事が終わっていないという理由で残らなければならない、という訳のわからない仕組みです。ただただ時間を浪費するのに耐えられませんでした。

不思議なもので、ストレスフルの状態だと何にでもストレスを感じるようになるんですよね。本当にささいなことにも苛立ってしまい、日常生活でも大きなストレスを感じるようになってしまっていました。

職場を変えた今は、仕事から受けるストレスが圧倒的に減りました。残業もあまりないので、あと何時間頑張れば家に帰れるとポジティブに考えられるようになり、本当に気が楽です。

社会人にストレスはつきもの、なんていうのはただの固定概念で、自分から動けばいくらでも環境は変えられるんだと実感しています。

仕事を辞めて、転職してよかった

もし今、転職してよかった?と聞かれたら、満面の笑みで「よかった」と答えるでしょう。逆に、転職せずにずっと前職で頑張っていたらと考える恐ろしいです。

でも、わたしも転職前は不安でした。本当に次の仕事は見つかるのか、見つからなかったときはどうすればいいのか、こんな悩みが辞める前は頭を支配していました。

結局、退職届を出してから転職活動を行ったのですが、わりとあっさり転職先は見つかりました。残念ながら第一希望にしていた会社ではなかったのですが、現状には十分満足しています。

よく転職活動は仕事を辞めたあとに行ったほうがいいのか、働きながら並行して行ったほうがいいのか聞かれますが、個人的には辞めたあとのほうがいいのではないかと考えています。

リスクは上がりますが、そちらのほうが転職活動にも身が入り、よりスムーズに転職できるのではないかと思うからです。

というか、働きながら転職活動はわたしには無理でした。仕事のあとにさらにもうひと仕事する、こんなキャパは以前のわたしには残っていませんでした。でも、そういう人のほうが多いんじゃないでしょうか?

また、辞めてから転職活動をしたのは、まだ若かったからというのも一つの理由です。もしわたしが30歳前後だったならばまた違っていたでしょう。

そして、転職活動なんてほとんど知らなかったわたしが無事転職できたのは、転職エージェントのおかげだと思っています。

これがなければ転職活動はできませんでしたし、諦めて今でも以前の職場で働き続けているかもしれません。

今の職場で無理をして、ストレスに押しつぶされてしまうくらいなら、さっさと転職してしまったほうがマシです。

最後にもう一度お伝えしますが、「3年は働け」という言葉はもう都市伝説です。3年働いたところで無駄に年齢を重ねるだけで、転職活動ではむしろ不利になります。

やるかやらないか、たったこれだけの差でこれから何十年の人生にとても大きな影響を与えるのです。ぜひ、後悔のない選択をしてくださいね。