ピッキング作業ってどんな仕事?将来性やキャリアアップはできる?

ピッキング作業という言葉は、工場や倉庫で仕事をしたことがない人には耳慣れない言葉かもしれません。

アルバイトや派遣の求人では、ピッキング作業の仕事が結構ある上、将来的にも需要が無くならないと言われているお仕事ですので、フリーターの人などはぜひ知っておきましょう。

ここでは、ピッキング作業の特徴と、将来性について紹介をします。

ピッキング作業ってどのような作業?

ピッキング作業とは、指示書や伝票などに従って、指定された商品を倉庫などから取り出していく作業のことを言います。

通販サイトで考えてみよう

通販サイトで商品を注文したことがある人は多いでしょう。具体例で解説してみます。

ビール 2本
コーラ 3本
オレンジジュース 5本

を通販サイトで購入したとします。すると、自動的にこれらの商品が倉庫からピックアップされて、送られてくるというシステムになっていれば簡単なのですが、実際にはそこまで技術は発展していません。

人の手によって、これらの商品が倉庫からピックアップされることになります。

そこで重要な役割を果たすのが、ピッキング作業員です。

ピッキング作業員は、倉庫の中を歩き回って、ビール2本とコーラ3本、オレンジジュース5本を探し出し、注文されたすべての商品を揃えます。

同じビールでも、現在ではさまざまな商品がありますので、メーカー名や商品名を間違えないように揃えなければなりません。

これが基本的なピッキング作業です。熟練のピッキング作業員ならば、倉庫内のどこになにが保管されているのかを頭の中に把握していますので、倉庫の中を歩き回る時間も少なくなります。

それでは、

ビール 2本
化粧品 1箱
くつした 3足
24型液晶テレビ

が注文書に書いてあったらどうでしょうか?大規模な倉庫では、このように種類の違うさまざまな商品を扱っていることもあります。そうなると、ピッキング作業員は広い倉庫内を歩き回って商品を探さなければなりません。

種まきとは?

実は、大規模な倉庫では、「種まき」というピッキング方法がとられていることが多いです。

作業員が倉庫の中を歩き回って指定の商品を揃えていく方法が「摘み取り」と呼ばれているのに対して、ベルトコンベアに流れている箱やカゴに指定された商品を入れていくという方式は「種まき」と呼ばれています。

広い倉庫の中が、電化製品という区分、食料品という区分などに分けられており、それぞれの区分に担当者がおり、担当者が自分の管理している棚から指定された商品を抜き出していきます。

倉庫によって、「種まき」という方式がとられていたり、「摘み取り」という方式がとられていたり、あるいはその中間的なものだったり、さまざまです。

資格は必要?

ピッキング作業の求人では、資格は必要ないということが多いです。未経験者でもできる仕事であり、学歴なども重視されていません。

フォークリフトの免許を持っている人は優遇される求人も存在していますが、むしろ少数派でしょう。

しかし、フォークリフトの免許を持っているとできることが増えたり、時給がアップしたりすることもあるので、長く続けていくなら、免許を取得しておくと得をすることもあるかもしれません。

効率良くピッキングをするためにそこそこ頭を使う仕事であり、それなりに体力も必要になるので、健康であるということが一番重要になります。

派遣会社や勤務先によっては、資格取得支援の制度があり、フォークリフトの免許を会社負担でとれることもあるようです。

さまざまな職種でピッキング作業がある

上では通販サイトを例にとって考えてみましたが、ピッキング作業は通販サイトに限らず、さまざまな倉庫・工場、物流センター等で募集されています。

また、ドリンク、お酒、食料品、アパレル、本、日用雑貨など、扱っている商品の種類もさまざまです。

当然ですが、扱っている商品によって、仕事内容も異なります。例えば、ビンなどの壊れ物を扱っている倉庫では、ピッキングに失敗をしてビンを割ってしまうというトラブルなどに注意をしながら働かなくてはなりません。

また、扱っている商品によっては、夏は冷房がガンガンに効いているので涼しいが、冬にも暖房をつけられないために寒い中で働かなくてはならないということもあります。

広い倉庫の場合、エアコンが十分に効いているということは稀なので、夏は水分をしっかりととって働き、冬は防寒対策をしっかりとしておくべきでしょう。

仕分けや梱包の仕事をやることも

大手企業ならば、ピッキング作業には専用の作業員がついていることが多いですが、中小企業では1人のスタッフが複数の仕事を柔軟にこなしていることもよくあります。

ピッキングをされた商品は、その後梱包・検品されて、出荷されていきます。

ピッキングをする前にあるのが、仕分けという作業ですが、こちらもピッキング作業員が手伝うことがあります。

仕分けとは?

仕分けとは、商品などをある法則に従って分けることを言います。

倉庫では、注文を受けて商品が出荷されていきますが、当然入荷という作業もあります。入荷されてきた商品を仕分けして、指定された場所・棚に収めていくという作業をやることもあります。

梱包・検品とは?

ピッキングをされた商品は、検品がされて不良品がないことをチェックされます。また、指示書・注文書に書いてある商品が間違いなくすべて揃っているかということも、再度チェックしなければなりません。

その後、商品をダンボールに梱包して、出荷できる状態にします。ダンボールの大きさは各種サイズが用意されており、商品の大きさや量に応じた適切なダンボールを選ぶというパズル的な楽しさもあります。

ピッキング作業で求められている能力

未経験の人がピッキング作業に応募する場合、健康であることが一番重視されるでしょう。

シンプルだが健康な人が採用される

採用担当者は、面接を受けに来た人のさまざまな部分を見ていますが、健康で元気がある人は、好印象を持たれる傾向があります。

活力がみなぎっており、大きく元気な声で挨拶や受け答えができる人は、どこの企業でも好印象を受けます。

しかし、人生いろいろあるので、いつも元気をみなぎらせておくということは難しいでしょう。アルバイトや派遣のピッキング求人ではそこまで高いレベルは求められません。

少なくとも、病気などを持っておらず、健康診断で異常が出ていないという状態ならば、十分にアピールポイントになります。

丁寧な言葉遣いをすることよりも、元気にハキハキと受け答えをするようにしておいたほうが、好印象をもたれる傾向があります。

基本的には立ち作業となるので、最低限の体力は必要になりますが、体育会系であることをアピールする必要まではありません。自然体で面接に挑めば大丈夫です。

倉庫系のバイトの中には、重いものを持つような仕事もあるので、その場合には力がある人が求められていることもあります。

コツコツと作業ができる人

基本的には一人で黙々とやる仕事なので、コツコツと作業ができる人が向いています。接客業をやっていて、対人関係に疲れたという人も、ピッキング作業は良いかもしれません。

テレビなどの大きな商品を運ぶ時には、他の作業員と協力をすることもあるので、コミュニケーション能力や連携する能力もある程度は必要になります。

社会人としてのマナーは重要

こういった軽作業系のバイト・派遣では、それほど高いスキルは求められないものの、その半面で社会人として基本的なマナーが身についているということが重要になる傾向があります。

社会人としてのマナーとは言っても、高いレベルでのビジネスマナーなどは必要ありません。DVDなどを見てビジネスマナーについて学ぶくらいのことはしておいても良いかもしれませんが、ビジネス系のスクールに通う必要まではないでしょう。

元気よく挨拶ができること、遅刻をしないこと、無断欠勤をしないこと、時間を守ること、ルールを守ることなど、本当に基本的なことができていればOKです。

業界への興味も意外と重要?

例えば、「本が好き」という人ならば、本が棚にぎっしりと並んでいる倉庫で働いていると、それだけで幸せな気持ちになるでしょう。高いモチベーションを保てるので、長く続けられる可能性も高いです。

精神的に良い状態で仕事ができるということは、労働者にとっても、企業にとってもメリットとなります。

その業界に興味を持っているということも、面接でのアピールポイントとなるでしょう。

処理速度と正確性

ピッキング作業に慣れてくると、よりスピーディーに、より正確に商品をピッキングしていくことが求められるようになります。

後輩ができるようになると、後輩の見本になるような仕事をしなければなりません。その際に重要になるのも、処理速度と正確性です。

企業によっては、1日あたりのノルマを設定していることもあります。

企業もコスト削減に力を入れている時代ですので、設定されたノルマは余裕を持ってこなせるくらいのスピードと正確性は手に入れておきましょう。

ピッキング作業の将来性やキャリアアップ先

日本は経済的にすでに十分に発展していると言われているものの、今後ますますIT化・コンピューター化が進んでいくと予想されています。

ピッキング作業についても、IT化によって人がやる仕事は減っていく可能性があります。しかし、完全に需要がなくなるということはないでしょう。

ピッキング作業の将来性

ピッキング作業は10年後には無くなっている職業としては考えられていませんので、将来性はそれなりにあります。

しかし、求人情報を見ると、雇用形態はアルバイト、派遣などとなっていることが多いです。

日払いOKの仕事も多いことは魅力的ですが、逆に言えばそれほど長期でやる仕事ではないということでもあります。

企業にとって正社員を雇うことにはコストがかかるので、正社員にはなるべく責任のある仕事をやらせようとします。

ピッキング作業は未経験の人でもできる作業となりますので、コストをかけずにアルバイトなどにやらせようとする企業が多いです。

ピッキング作業は時給が1,000円~1,200円くらいと高めになっているので、短期的に働いてお金を稼ぐことには向いています。

しかし、フリーターの人は、なるべく正社員の仕事を探すべきでしょう。

まだ若い人は、将来もずっとやり続ける仕事として考えることはおすすめできません。経験を積みながらキャリアアップをしていくことを考えましょう。

ピッキング作業のキャリアアップ先

ピッキング作業を続けていると、アルバイトをまとめるリーダーとして抜擢されることがあります。リーダーになれば給料はアップしますし、正社員に誘われる可能性も高くなります。

ピッキング作業のキャリアアップ先としては、リーダーになったり、正社員になって現場主任となったり、物流管理の仕事に就いたり、管理職を目指すことになるでしょう。

人をまとめる仕事をしていたり、責任が重い仕事をしていたりすると、面接でのアピールポイントとなるので、転職の時にも有利になります。

転職をすることも考えよう

まだ若い人は、全く異なる職種に転職ができる可能性も高いです。あくまで倉庫や工場での仕事の経験を積みたいという人でも、転職アドバイザーのサポートを受けて転職を考えてみることはおすすめができます。

大手の転職サイトのDODAでは、転職エージェントサービスを無料で利用できます。

特別なスキルを持っていなくても、若い人の場合には転職エージェントサービスを利用して、専門のアドバイザーのサポートを受けられる可能性が高いです。

若い人は実力が十分にあるのに、自分の適正を十分に理解をしていなかったり、自分に合った仕事を探すことが苦手なために、低い給料で働いているという人もいます。

倉庫や工場で正社員として働くことを目指したい人だけでなく、全く異なる職種への転職を考えてみたい人にも、転職エージェントをおすすめします。