お金を送る方法5選!最も安全で手数料がかからない方法はどれだ?

現代日本には「遠く離れたところにいる相手にお金を送る方法」はたくさんありますが、その方法によってかかる手数料や時間、あるいは安全性などは異なります。

今回は現在の日本で使えるお金の送金方法と、それぞれの長短所を紹介いたしますので、送金の際の参考にしてください。

絶対にやってはいけない普通郵便での送金

具体的な送金方法の紹介に入る前に、絶対にやってはいけない送金方法について解説いたします。その送金方法とは「普通郵便で送る」というものです。現在の日本では、普通郵便で現金を送ることは禁止されています。罰則はありませんが、もし普通郵便で送金しようとしていることが発覚した場合、差出人に返送される可能性が高いです。

郵便局員にバレずの送金できた場合でも、相手は「あ、この人は普通郵便で現金を送ってはいけないということを知らない常識知らずなんだ」と思うことでしょう。懸命な現代人ならば、そのような愚行は避けるべきです。

なぜ普通郵便で現金を送ってはいけないのか。簡単に言えば、普通郵便の安全性を高め、価格を安く維持するためです。

もし普通郵便に現金が入っている可能性があれば、悪人が郵便者や郵便配達員を送ったり、あるいは郵便受け箱から郵便物を盗んだりするかもしれません。そうしたリスクに備えるためにはお金がかかります。その費用は結局は利用者が負担することになるので、普通郵便の料金が高くなってしまいます。

普通郵便で現金を送らない人から見れば、なんで自分が費用を負担しなければならないのだ、ということになるでしょう。

しかし、普通郵便に現金がないことがわかっていれば、そのようなことをする人はいなくなるので、費用がかからなくなり、普通郵便の料金を安価に保つことが出来ます。現金書留の料金は高くなってしまいますが、現金を送るだけが費用を負担することになるので、不公平は生まれません。

ちなみに、明治時代の現金書留である「金子入り書状」を運ぶ郵便局員は、襲われるリスクがあまりにも高いことから、拳銃を所持して身を守っていたそうです。

お金を送る方法5選

さて、ここからはいよいよ具体的な送金方法についてご紹介いたします。今回紹介する送金方法は以下のとおりです。

方法長所短所
現金書留対人で手続きできる、マニュアルが豊富手数料が高め、郵便局が開いてる時間にしか手続きできない
メルマネ手数料が安い、相手の名前や住所を知らないでも送れる楽天銀行に口座がないと使えない
普通為替対人で手続きできる、ちょっとおしゃれにできる手数料が高め、郵便局が開いてる時間にしか手続きできない
銀行振込ATMでも自宅でもできる相手の口座番号が必要
仮想通貨手数料が極めて安い、送金にかかる時間が短い手続きが初心者には難しい

現金書留

現金書留とは、お金を送る専用の封筒(現金封筒)にお金を入れて、郵便局から送るシステムのことです。郵便局から現金を送る場合は、普通郵便ではなく現金書留で送らなければなりません。

数ある送金方法の中でも特に昔からあるもので、手数料も高めで時間もかかりますが、郵便局員にやり方を聞きながら手続きできるので、失敗するリスクが非常に少ないです。他の送金方法はよくわからないという人にとっては、筆頭の選択肢となります。

現金書留を送るのに必要なもの

  • 相手の住所と名前
  • 封筒代+手数料(合計500円強。1000円あればまず大丈夫)
  • 印鑑(シャチハタ可)、ない場合はサインで代用可能

現金書留の送り方

現金書留は郵便局でしか送れませんし、現金封筒は郵便局でしか売っていません。というわけで、まずは最寄りの郵便局に行きましょう

そこで窓口の局員に「現金書留を贈りたいので、現金封筒をください」と告げれば、すぐに売ってもらえます。直接現金を入れるタイプの封筒と、現金が入ったご祝儀袋などを入れるタイプの封筒がありますが、どちらも20円なので好きな方を買ってください。

次に、現金封筒に相手と自分の名前、贈るお金の金額などを記入していきます。書き方がわからないという場合は郵便局員に聞けば丁寧に教えてくれます(郵便局員はきちんと現金書留でお金を送ろうとするお客様に対してはたいてい優しいです)。

記入が終わったら、お金を入れて封をしますが、ここが初めての人にとってはちょっとしたつまづきポイントです。現金封筒は中身が見えないように二重になっているので、どこに入れたらいいのかがちょっとわかりづらいのです。

くわしいやり方は封筒の裏側に書いてありますが、読んでもよくわからないという場合は、郵便局員に聞けば丁寧に教えてくれます。

次に現金封筒に封をします。封をしたら、封筒の蓋の部分と裏面の部分の境目3箇所に押印します。印鑑がない場合はフルネームのサインでもOKです。これもわからない場合は郵便局員に聞けばOKです。すべて終わったら窓口に提出すれば、手続きは完了です。

なお、郵便局で作成した現金封筒を郵便局外のポストに投函するのはNGです(わざわざ郵便局に行ったのにそんなことをする人は居ないかと思いますが……)

現金書留にかかる費用

  • 送料:82円(重い場合はさらにアップ)
  • 封筒代:20円
  • 現金書留料金:最初の1万円まで430円、以降、5000円毎に10円アップ

送料は重さによって変動しますが、25g以内ならば82円です。現金だけで重さが25gを超えることはまずない(紙幣はいずれも1枚で約1gなので、25gを以上にするためには25枚以上必要)、この金額を超えることはないでしょう。小銭などを大量に送る場合は高くなりますが、そのようなことはめったにないでしょう。

封筒代は前述の通り20円です。封筒は2種類あるので、好きな方を選んでください。

現金書留料金は送金額に比例する料金で、送金額が増えるに従って高くなります。送金額が1万円以下の場合は430円で、以下5000円毎に10円追加されています。現金書留料金を収めることによって、万が一配達事故が発生し郵便が届かなかったときに、実損額が50万円まで補償されます。

現金書留につけられるオプションの費用

  • 速達 … 280円~
  • 配達日指定 … 平日指定31円、日祝日指定210円
  • 配達時間帯指定郵便 … 330円~
  • 配達証明 … 310円

現金書留では、これらのオプションを付けることが出来ます。速達はお金を払うことによって、他の郵便物よりも早く届けれもらえる制度です。ただ、現金書留は普通郵便と違って土日祝日も配達されるため、速達を使わないでもそれなりに早く送れます。よほど急ぎの場合を除いては利用する必要はないでしょう。

配達日指定・配達時間帯指定は、相手の都合に合わせるときに便利です。ただし、配達時間指定の時間区分は

  • 午前:8時~12時
  • 午後:12時~17時
  • 夜間:17時~21時

とかなり大雑把なので、役に立たないことも少なくありません。費用に見合った効果があるのかよく考えてからつけましょう。

配達証明は、その郵便がいつ配達されたのか(相手に届いたのか)が、差出人に連絡されるものです。確実に届いたという保証がほしいときに使います。

メルマネ

メルマネは楽天銀行口座があれば、相手の使っている銀行、支店番号、口座番号がわからなくても送金できるサービスです(メールアドレスと名前が必要です)。

支払う側が楽天銀行の口座を持っていれば、受け取る側の口座は楽天銀行口座でも他行口座でも問題ありません。受取人が楽天銀行の口座を持っている場合は、手数料無料です。そうでない場合も手数料は160円なので、現金書留よりは割安です。

また、メルマネを利用すると、最大500文字のメッセージを送れます。無機質なお金だけではなくメッセージも添えられるのは面白いですね。

ただ、相手がインターネットそのものに疎い場合はこの方法はおすすめできません。送金する前に、相手のインターネットに対する理解度を深めておきましょう。

メルマネの送金に必要なもの

  • インターネットに接続した環境
  • 自分の楽天銀行の口座
  • 送金先の名前とメールアドレス
  • 手数料(最大150円)

メルマネの送金方法

まず、楽天銀行の口座にログインし、「振込・支払」→「かんたん振込(メルマネ)」の順に選択します。すでにメールアドレスを設定している場合は振込画面が表示されますが、そうでない場合はメール設定画面が表示されるので、表示に従ってメールアドレスを設定していきます。

次に、振込先の「メールアドレス」「振込金額」「振込内容(タイトル)」「メッセージ内容」を入力していきます。振込金額は30万円以内です。メッセージは500文字以内で自由に挿入できますし、それが面倒という場合は予め用意されている雛形をそのまま差し込むことも可能です。

必要事項を入力したら「次へ」ボタンをクリックし、セイ・メイの入力と振込金額の確認を行います。手数料が発生する場合は、楽天ポイントで支払うことも可能です。確認が終わったらワンタイムパスワードを発行して振込を実行すればOKです。

なお、メールアドレスが間違っていた場合は、たまたま同姓同名の相手がそのメールを受け取り、なおかつ相手が受け取りの手続きを済ませない限り間違って振り込まれてしまうことはありません。ただし、振込ができなかった場合でも手数料はかかりますので、必ず事前に名前が間違っていないかの確認を行いましょう。

メルマネの受取方法

メルマネ送金手続きを完了すると、受取人のもとにメールが届きます。受取人はそのメールを開き、本文に記載されているURLをクリックして受取画面を開きます。

受取画面でどの銀行で受け取るかを指定すれば、その口座にお金が振り込まれます。なお、銀行口座を持っていないという場合は、その場で楽天銀行口座を開設することも出来ます。

メルマネにかかる費用

  • 受取人が受取口座に楽天銀行口座を指定した場合:無料
  • 受取人が受取口座に他行口座を指定した場合:150円

メルマネを送金する場合、相手が楽天銀行で受け取れば手数料は無料、他行口座を指定した場合は150円です。

他行口座の場合でも通常の銀行振込より手数料が安く済む事が多く、割安なサービスと言えるでしょう。なお、受取人が他行口座を指定した場合でも、手数料は送金人が支払うため、受取人が費用を負担することはありません。

普通為替

普通為替とは、現金を普通為替証書と呼ばれる証書(お金に変えられるチケット)に変えて送付する送金方法です。郵便局に普通為替証書を発行してもらい、送金人は郵便局を通じて受取人に送り、受取人が郵便局でそれを換金するというシステムです。普通為替証書は現金ではありませんが、郵便局に持っていけばすぐに現金化できるため、実質的には現金のようなものです(簿記上も現金として扱われます)。

普通為替のメリットは、普通郵便でも送れることです。普通為替は実質的には現金のようなものであっても、一応名目上は現金とは別物であるため、普通郵便で送っても全く問題ありません。現金書留はいかにも郵便物という感じの封筒しか使えませんが、普通為替は華やかにできます。

普通郵便である以上補償はつきませんが、別途簡易書留や一般書留とすることも可能です。ただ、受取人は換金するために郵便局まで行く必要があるため、近くに郵便局がない人には送らないほうがいいでしょう。また、有効期限は半年で、有効期間が経過した場合は、為替証書の再発行の請求が必要となります。

普通為替の送金に必要なもの

  • 相手の住所と名前
  • 手数料(430円~650円)
  • 本人確認資料(10万円を超える場合)

普通為替の送金方法

普通為替は郵便局の窓口で申し込みます。コンビニなどからは送れません。郵便局で普通為替でお金を贈りたいと申し出れば、普通為替振出請求書という書類がもらえますので、それを記入していきます。

指示に従って住所や名前、送金金額などを書いていくだけなので、特に難しいことはありません。書き方がわからないという場合は、郵便局員に教えてもらえばOKです。

送金金額の上限は500万円で、料金は5万円以上ならば650円、それ未満の場合は430円です。なお、これは証書1枚あたりの価格であり、証書を複数枚送ると費用が上がります

例えば、20万円の証書を1枚送れば手数料は650円ですが、10万円の証書を2枚送れば手数料は650×2=1300円です。送金金額が10万円以上の場合は、本人確認資料(免許証や保険証など)が必要になります。

普通為替振出請求書を記入したら、窓口に提出し、手数料を払って証書をもらいます。後はその証書を普通郵便なり簡易書留なりで送ればOKです。現金書留にする必要はありません。

なお、送金方法が極めて少額の場合は、定額小為替証書という証書を利用できます。こちらは金額があらかじめ決まっている (50円、100円、150円、200円、250円、300円、350円、400円、450円、500円、750円、1000円)ものの、1枚100円と割安です。例えば2000円の普通証書を1枚送る場合の手数料は430円ですが、1000円の定額小為替証書を2枚使えば100円×2=200円で済みます。

普通為替の受け取り方

普通為替を受け取ったら、その証書の「上記の金額を受け取りました おところ おなまえ」を記入し、印鑑を押し、郵便局の窓口に提出します。受け取る金額が10万円を超える場合は本人確認資料が必要です。

なお、代理人が郵便局に行く場合は、証書の委任欄に記入します。「おなまえ」には、本人と代理人両方の名前を書きます。

普通為替の送信にかかる費用

送料:82円
手数料:証書1枚につき430円~650円
定額小為替証書の場合:1枚100円

普通為替にかかる費用は証書1枚につき430円~650円、定額小為替証書の場合は1枚100円です。贈る金額によって、現金書留よりも割高になったり割安になったりします。

少額の場合は定額小為替証書を使うと安くなりますが、オプション(後述)をつけると結局は高くなってしまいます。なくなってしまった場合にあきらめが付く程度の価格を送るのならばこちらでもいいですが、そうでない場合は現金書留を使ったほうが良いでしょう。

銀行振込

銀行振込は(使ったことがある方も多いかと思いますが)、自分の預金口座から他人の預金口座に預金を移動させるシステムです。

銀行振込は銀行の窓口で行うことも出来ますが、最近は24時間使えるATMやインターネットバンキングを使う人が多いようです。特にインターネットバンキングは家で手続きが完了できる上、手数料も安いことが多く便利です。ここではATMとインターネットバンキングを使った振込方法をお教えします。

ATMを使った振込に必要なもの

  • 銀行口座
  • キャッシュカードもしくは通帳
  • 暗証番号
  • 相手の口座番号と名前

ATMを使った振込の方法

まずはATMがある場所までいきます。銀行の店舗まで行くのが一番確実ですが、街中(駅ビル内部や商業施設の内部など)に設置しているケースも多々あります。

自身が使っている銀行のWebサイトにATMの設置場所が記載されているはずですので、それを参考にするのがいいでしょう。ただし、銀行のATMは使える時間に制限があるため、事前にチェックしておきましょう。

なお、ATMとよく似た機械にCD(キャッシュディスペンサー)がありますが、CDは現金の払い出しのみの機能しかありませんので、こちらで銀行振込の手続きをすることは出来ません。

ここから先は利用するATMに寄って多少流れが異なるのですが、まずはキャッシュカードか通帳を挿入し、次に目的(振込以外にも預入や引き出しなどが出来ます)をタッチパネルで選ぶ、という流れが一般的です。

すると相手の情報(口座番号など)を入力する画面が表示されるので、入力していきます。最後に入力した情報を確認すれば、手続きは終了です。

ATMを使った振込にかかる費用

ATMで銀行振込を行う場合、手数料がかかったりかからなかったりします。自分の使っている銀行と相手の使っている銀行が同じ場合は手数料が無料もしくは割安、そうでない場合は有料もしくは割高となることが多いです。

また、ATMを利用した時間帯や振込金額にも左右されます。例えば、三菱東京UFJ銀行の場合、振込金額が3万円未満ならば、同一銀行同一支店宛の場合は無料、同一銀行他支店宛の場合は108円、他行宛の場合は270円となっています。

インターネットバンキングを使った振込に必要なもの

  • インターネットに繋がった環境
  • 銀行口座
  • キャッシュカードもしくは通帳
  • 暗証番号
  • 相手の口座番号と名前

インターネットバンキングを使った振込の方法

まず、事前にインターネットバンキングの手続きを済ませておきます。申し込んでから使えるようになるまでにはタイムラグがあるため、インターネットバンキングを頻繁に利用する予定がある人は、早めに申し込んでおくのが良いでしょう。手続の流れは銀行によって異なりますので、各銀行のWebサイトを参考にしてください。

インターネットに接続された端末を用意します。パソコンでもタブレット端末でもスマートフォンでもなんでも構いません。次にブラウザを開いて利用する銀行のWebサイトにアクセスしてログインし、手続きを進めていきます。大まかな流れはATMを使ったときとあまり変わりなく、相手の口座番号や名義、金額などを順番に入力していくだけです。

ただし、インターネットバンキングの場合は、それとは別にワンタイムパスワード(ワンタイムキーとも)といわれるパスワードを入力させられることがあります。

これは取引の安全性を高めるために発行されるパスワードで、1回使うか、一定時間経過すると使えなくなります。使えなくなるので第三者に万が一覗かれてもログインされず、安全性は保たれます。

ワンタイムパスワードの発行・受取方法は銀行によって異なります。例えば楽天銀行の場合はメールアドレスをあらかじめ指定し、ワンタイムパスワードが記載されたメールを受け取るという形を取っています。

横浜銀行の場合は、パスワード発生機という実体のある手のひらサイズの機械でワンタイムパスワードを発行します。ワンタイムパスワードは60秒毎に更新されます。手続きからパスワード発生機が手元に届くまで、少し時間がかかります。

三菱東京UFJ銀行の場合は、スマートフォン端末から発行ができる他、カード型専用端末(形は違いますが、横浜銀行のパスワード発生機と同じようなものです)もあります。

インターネットバンキングにかかる費用

手数料:無料~300円程度

インターネットバンキングにかかる費用は銀行ごとにまちまちですが、ATMを使った場合よりは安く済むことがお多いようです。三菱東京UFJ銀行はホームページ上で「窓口やATMにくらべて、振込手数料が最大540円(消費税込)おトク!」と謳っています。

仮想通貨

仮想通貨とは、法定通貨のような価値の裏付けを持たない電子的な通貨のことです。あらかじめ設計されたプログラムによって新しく通貨が発行されていくため、法定通貨のような裁量的な流通量の調整は行われません。

単位は法定通貨とは関係ない独特のものが使用されます。例えば、仮想通貨の中でも最も有名なビットコインの単位は「BTC」です。

仮想通貨と法定通貨の交換比率(レート)は常に変化しています。仮想通貨の需要と供給は常に変動するからです(参考:ビットコインなどの仮想通貨は銘柄選びが重要!そのポイントは?)。

この比率の変化を用いて稼ぐ仮想通貨投資が最近人気ですが、仮想通貨は格安に送金できるシステムとしても注目を浴びています。相手の名前や口座番号などの個人情報を知らなくても送金できるため、Web上でのお金のやり取りにも向いています。

仮想通貨を使った振込に必要なもの

  • 仮想通貨
  • インターネットに繋がった環境
  • ウォレット(仮想通貨を入れるための電子的な財布)
  • 相手の仮想通貨アドレス(口座番号のようなもの)

仮想通貨を使った送金の方法

仮想通貨を使った送金をするにあたっては、まずは仮想通貨を手に入れる必要があります。仮想通貨を手に入れる方法はいくつかありますが、取引所や販売所で口座を開設し、そこで購入するのが最も一般的で確実です。

仮想通貨取引所や販売所は複数あり、取引所や販売所ごとに取り扱っている仮想通貨は異なります。使いたい仮想通貨を取り扱っているところならば、どこで口座を開設してもいいでしょう。

ただし、2017年10月以降は原則として金融庁に登録した仮想通貨取引所のみが営業を行える決まりになっているため(2017年11月3日現在は審査が追いついておらず、審査中の仮想通貨取引所も「みなし仮想通貨取引所」として営業を行っています)、その中から選びましょう(参考:金融庁のまとめた登録済仮想通貨交換業者一覧表)。

仮想通貨取引所の口座開設には数日~数週間かかることがあるので、将来仮想通貨を使いたいと考えている場合は、早めに口座を解説しておきましょう。

なお、取引所は利用者同士が買いたい価格と売りたい価格を提示して取引するところ、販売所は業者と利用者が1対1で取引するところです。販売所は必ず取引が成立する上、金額もあらかじめ決まっていますが、業者の取り分(手数料)が多めに設定されています。

仮想通貨初心者のうちは販売所を使ってもいいですが、本格的に使いたい場合は取引所を利用した方がいいでしょう(参考:ビットコイン販売所と取引所の違いは?どっちで買うのがお得?)。

口座を解説したら、そこに日本円を振り込み、取引所や販売所で仮想通貨を購入します。すると講座内の日本円が減り、そのぶん仮想通貨が増えます。この仮想通貨が値上がりすれば含み益、値下がりすれば含み損となります。

購入した仮想通貨は取引所や販売所の口座に置きっぱなしにすることも出来ますが、これらの場所は常にハッカーに狙われていると言っても過言ではなく、それなりにリスクがあります。

もちろんハッキング対策などはなされていますが、その対策の充実度は取引所・販売所によって差があります。自分で仮想通貨を管理したいという場合は、取引所・販売所から仮想通貨を取り出して、ウォレットと呼ばれる電子的な財布に保存します。

ウォレットにはWeb上の「Webウォレット」やデスクトップ上の「デスクトップウォレット」、携帯端末上の「モバイルウォレット」、専用端末の「ハードウェアウォレット」などがあり、それぞれ安全性や利便性が異なります。

これらのウォレットも扱いづらかったり、端末が壊れた際の復旧が面倒だったりするので、多少のハッキングのリスクを受け入れても面倒を避けたいという方は取引所や販売所に保存しておいてもいいでしょう。

仮想通貨を入手したら、次に相手の仮想通貨アドレスを用意します。仮想通貨アドレスは仮想通貨の種類ごとに呼び名が異なり、例えばビットコインの場合はビットコインアドレスと呼ばれています。

相手の仮想通貨アドレスを教えてもらったら、そこにビットコインを送金します。具体的な送金方法は取引所やウォレットによって異なるので、用意されているマニュアルを参考にしてください。

なお、仮想通貨アドレスを間違って入力してしまった場合、そのアドレスが存在しないものだったならば仮想通貨は戻ってきますが、存在するものだった場合はそこに送られてしまい、戻ってくることはありません。

手入力すると打ち間違うおそれがあるので、必ずコピーアンドペーストで入力するようにしましょう。

仮想通貨アドレスが変わる?

仮想通貨アドレスは口座番号みたいなものですが、口座番号と違い時間が経つごとに変化することがあります。これは安全を確保するための措置です。

仮想通貨送金にかかる費用

  • 手数料:仮想通貨により異なるが、安い(仮想通貨で支払うため、円に直した場合のレートは変動する)

仮想通貨の送金にかかる手数料は、仮想通貨の種類によって異なります。ここでは代表的なビットコインの手数料について説明します。

ビットコインの手数料は、日本円に直せば数円~数百円程度です。日本国内での送金の場合はそこまでメリットを感じる金額ではありませんが、海外送金の場合には大きなメリットを感じられます。

銀行などを介してお金を送ると、それだけで数千円の手数料が取られることも珍しくないですからね。その点、ビットコインは誰に送っても手数料がほとんどかわらないため、遠くはなれたところにいる相手に送るのには非常に便利です。

手数料を多く支払うと支払いが優先される

ビットコインの特徴として、手数料を高くすると早く送金が完了することが挙げられます。

ビットコインはブロックチェーンという帳簿によって管理されています。ブロックチェーンはブロックと呼ばれるデータの塊を時系列順に並べたもので、1つのブロックには100~1000程度の個別の取引(トランザクション)が記録されています。

この帳簿に記帳をするのは、世界中に散らばって存在するマイナーと呼ばれる人たちです。マイナーとはminor、つまりマイニングを行う人のことです。

世界中のマイナーが帳簿を記録するための複雑な計算を行い、最も早かったマイナーには新規発行分のビットコイン+送金者が送料として支払った既存のビットコインが与えられます。この仕組をProof Of Workといい、多数の仮想通貨で採用されています。

マイナーが記帳したブロックチェーンは世界中の複数の(かなり大量の)コンピュータに保存され、更新されるたびに同期していきます。

万が一コンピュータの一部がハッキングされ、ブロックチェーンが改ざんされても、残りのコンピュータは正しいままなのでハッキングはすぐに発覚します。

かと言ってコンピュータの過半数をハッキングするのは技術的にも資金的にも難しく、そんなことをしても得がありません。そんなことをするくらいならば、マイニングに勤しんだほうがよっぽど儲かります。

さて、マイナーは新規発行分+送金者が支払った手数料を受け取ります。新規発行分は2017年11月時点で12.5BTCで固定(だいたい4年に1回のペースで半分になりますが、次に半分になるのは2020年の予定なのでまだ先の話です)されています。

取引手数料は送金者が決められるため、マイナーが受け取れる金額の大小は送金者が支払った手数料に左右されます。

必然的にマイナーは受け取れる金額が大きい取引=手数料が高い取引から優先的に帳簿に乗せていくため、手数料が高い取引ほど早く記帳されます(時系列的に後から行われた取引でも先に記載されます)。送金手数料を上乗せすると、早く相手のもとにたどり着くのはそのためです。

なお、本来ビットコインは送金手数料を上乗せしないでも10分で決済が完了するシステムでしたが、最近はビットコインによる決済が増えてきたため、それよりも時間が掛かるケースが増えています。

送金手数料を上乗せしない場合、数十分~数時間程度かかることも覚悟しておいたほうが良いでしょう(それでも銀行を使うよりは早いですが……)。

まとめ

  • 現金書留は現金を安全に郵送するための郵便
  • メルマネは楽天銀行が提供しているメールアドレスでお金を送るためのサービス
  • 普通為替は現金化できる証書
  • 銀行振込はATMやインターネットバンキングで送金するための手段
  • 仮想通貨は電子データとして存在する仮想的な通貨
  • 送金方法によって手数料やかかる時間が異なる

送金方法によって、手数料も利便性も即時性もまちまちです。自分に最もあった支払い方法を選んで送金しましょう。