国債ってどんな借金なの?

今回は国債に関する勉強です。と言っても、別に難しい話はしません。算数がわかる人間ならだれでも理解できる話です。経済のことなんか何にも知らないで大丈夫ですので、リラックスして読み進めていってもらえればと思います。

債券は国や自治体、企業などが投資家に対して発行する有価証券

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国債は債券の一種です。債券とは国、地方自治体、企業などが、投資家からお金を集めるために発行する有価証券のことです。国が発行する債券なので国債と呼ぶわけですね(ちなみに、地方自治体が発行する債券は「地方債」、企業が発行する債券は「社債」といいます)。

債券を購入すると、一定の期間が経つごとに金利に応じた利子を貰えます。また、償還日(満期日)には額面金額(債券に記載されている金額)を受け取れます。

債券価格は額面金額と常に同じとは限らず、市場の動向によって変動します。100円の債券が101円出さなければ買えないこともあれば、99円で買えることもあります。

たとえば、額面金額が100円の債券(金利2.0%、利息配当年1回、最終償還日5年後)を99円で1万単位購入するとします。この場合、債券の購入には99円×1万=99万円かかります。

額面金額が100万円分の債券を持っているので、1年ごとに100万×2.0%=2万円の利息が受け取れます。5年間持ち続ければ2万円×5年=10万円の利息が受け取れます。最後に償還日を迎えたら額面金額の100万円を受け取って終了となります。

最終的に手元には110万円が残りました。99万円使って110万円手に入れたのですから、投資は成功といえます。これが債券の仕組みです。

債券は預貯金よりハイリスク、株式よりローリスク

債券は償還日まで待てば必ず額面金額が受け取れるため、株式よりはローリスクです。一方で発行体が償還日にまでに破たんしてしまった場合は支払いを受けることができないので、預貯金よりはハイリスクといえます。

また、債券は償還日を迎える前に売ることもできますが、その場合買い取り価格が額面金額を下回ることもあります。したがって、運用は基本的に長期的に行うことになります。

リターンは預貯金よりも高く、株式よりも低いです。預貯金よりはリターンが欲しい、しかし株式に手を出すのは怖いという人向けの、ミドルリスク・ミドルリターンな金融商品といえます。

国債は国民の借金ではない

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話を国債に戻します。国債は国が発行し、投資家や金融機関が買う有価証券です。債務者が国なのはわかりますが、では債権者は誰なのでしょうか。

国債の主な買い手は銀行などの金融機関です。そしてその銀行は国民から借りたお金を商売に使っています。つまり、間接的ではありますがわれわれ国民が債権者といえるわけです。国債は国民の借金であるという考えは明確に誤りといえます。

ちなみに、日本国債は外国の企業や投資家も買えますが、その割合は8%程度と多くありません。日本国債のほとんどは日本国内で消化されています。

日本の借金額が増えてもセーフといわれる理由はここにあります。ギリシャは発行した国債のほとんどを外国の投資家や金融機関に買ってもらっていたため、債務の返済ができなくなりデフォルト騒ぎになりました。

日本は発行した国債のほとんどを日本の投資家や金融機関に買ってもらっているため、ギリシャのようは危機は起こらない、というのが有力な見方です。

もちろん、今後税収が伸びずに国債の発行額が積み上げられ、それを外国の投資家や金融機関が大量に購入した場合は……どうなるかわかりませんが。

国債の金利は信用度と期間でだいたい決まる

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国債の金利は国によってまちまちです。また、同じ国の国債でも満期日までの期間によって金利が違います。で国債の金利はいったいどのように決まるのでしょうか。

信用度の高い国の国債は金利が低い

信用度の高い国の国債は正常に償還される可能性が高いので、金利が低くても売れます。一方、信用度の低い国は正常に償還されない可能性が高いので、金利を高くしないと売れません。

見方を変えれば、現時点で国債の金利が高い国はそれだけ財政的に追い込まれているともいえるわけですね。

ちなみに、日本国債の金利は世界有数の低さとなっています。安全なぶん、買っても大したうまみがないというわけです。

満期日までの期間が短い国債は金利が低い

国債は満期日までの期間によって短期国債(~1年)、中期国債(1年~5年)、長期国債(5年~10年)、超長期国債(10年~)に分類できます。

一般的には、満期日までの期間が長いと、その間に急激な経済変動が起こる可能性が高くなるため、そのリスクを上乗せする分金利は高くなります。

通常、国債価格と金利は逆の動きをする

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一般的に国債価格と金利は逆の値動きをします。仮に金利が下落した場合、新規の国債よりも既発国債のほうが金利が高くなります。金利が高いということはそれだけ商品価値が高いということなので、既発国債の価格は上がります。

金利が上昇した場合は逆の現象が起きて既発国債の価格は下落します。場合によっては額面金額より安くなってしまうこともあります。ただし、これは通常の国債の場合の話です。後述する個人向け国債は、少し勝手が違います。

日本には個人向け国債という例外がある

個人向け国債は国が発行している国債の一つですが、通常の国債と違い「絶対に元本割れしない(額面金額での買取を国が保証している)」という特徴があります。

反面、金利が大幅に低く、流動性もない(途中解約が1年できないため、急にお金が必要になった時に困る)というデメリットもあります。

国債を買ってみよう!

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難しい勉強はこれくらいにして、いよいよ国債を買ってみましょう。国債は銀行や証券会社などで購入できます。個人向け国債は1万円単位、通常の国債は5万円単位で買うことができます。

最後に

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国債は比較的安全な金融商品ではありますが、それでも預貯金よりはハイリスクであることには変わりありません。購入に当たっては当サイトの記事を十分にお読みいただくだけではなく、書籍などで勉強をされることをお勧めします。

知識をつけておけば、それだけ利益を上げられる確率が高まります。