引っ越し費用がない!借金で解決することはOK?派遣切りのケースでは?

引っ越し費用とは、引っ越し業者に支払う料金に限られません。敷金・礼金、仲介手数料などの初期費用なども含んで、そう呼ぶことが多いです。

それなりに高額になる引っ越し費用ですが、お金がない時、借金で解決をすることに問題はないでしょうか?

近年では、「寮完備のお仕事」も増えていますが、契約期間が終わって寮を出なければならない時、引っ越し費用がなくて住む家がなくなるということも社会問題になっているようです。

この記事では、寮に入って働いていた派遣社員などが、仕事が終わって寮を出て、住む家を亡くしてしまうという問題についても、考えてみます。

引っ越し費用は分割払いに対応している?

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引っ越し費用が払えないけど、一時的な問題であるというケースも多いです。そんな時、分割払いに対応しているかどうかが重要と考えるかもしれません。

分割払いは基本的にできないと考える

引っ越し業者によっては、分割払いに対応していることもあるものの、レアケースになります。単身引越しで料金が3万円~5万円程度の少額であるケースでは、分割払いはほぼ不可能でしょう。

賃貸契約の時に不動産会社に支払う敷金・礼金、仲介手数料などの初期費用についても、分割払いには基本的に対応していません。

コストを下げる方法

敷金ゼロ、礼金ゼロの物件を選ぶことで初期コストを下げることはできますが、あまりおすすめができません。

礼金ゼロという物件は増えていますので、「敷金2か月分、礼金ゼロ」という物件なら良いかもしれません。

しかし、敷金は、入居者が夜逃げをしたり、原状回復費用が発生したときの担保のような役割も持っているので、敷金ゼロというのは大家さんにとってのリスクが大きいです。

敷金までがゼロの物件は、逆にそこまでの条件をつけなければ契約者が決まらない物件であるということなので、注意をしておきましょう。

敷金は退去時に戻ってくるお金なので、最低でも1ヶ月分が設定されている物件を選ぶことをおすすめします。

クレジットカードでの支払いはできることが多い

このように、基本的に引っ越し費用をローンで支払うことはできませんが、クレジット決済に対応している会社は増えてきています。クレジットカードを持っている人は、クレジット決済にするというのも1つの手です。

しかし、クレジットカードの分割払いやリボ払いも借金であるということは忘れないようにしておきましょう。

銀行カードローンを持っている人なら、クレジット決済のリボ払い手数料よりも低い金利で借金ができることも多いでしょう。

三菱東京UFJ銀行カードローンの「バンクイック」など、銀行ローンでも即日融資に対応しているところはあります。

カードローンよりもフリーローンのほうが高額融資を受けられる可能性が高いので、銀行でフリーローンを借りるという手もあります。

目的別ローンは利用できる?

残念ながら、銀行の目的別ローンには、「引っ越しローン」といったような、引っ越し専用のローンはありません。賃貸契約の初期費用についても同様です。資金使途が自由のカードローンかフリーローンを利用することになるでしょう。

手軽に借りられるのは消費者金融キャッシングですが、金利は18%と高めなので、クレジット決済のほうがおすすめです。

引っ越し時には、じっくりと時間をかけて金融機関を選んでいる時間はないかもしれませんが、安易に消費者金融などで借りてしまうと、返済が大変になってくるので注意をしておきましょう。

借りる金額が10万円程度の少額ならば、プロミスやモビットなどの大手の消費者金融を利用するのも有りでしょう。

引っ越し費用が支払えない理由

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引っ越し費用が支払えない理由が、最も重要になるでしょう。次のような理由が考えられます。

一時的な理由で支払えない

一時的な理由というのは、例えば、「年収が500万円あって、安定した収入があるが、最近親が亡くなって葬式費用として200万円かかってしまったため、手持ちのお金がなくなった。」というような理由です。

基本的には安定して生活ができているが、一時的に手持ちのお金がなくなってしまった状態ならば、借金をして一時的な危機を脱出するというのも悪くありません。

そのような理由で、引っ越し費用を30万円程度借りるだけなら、数ヶ月で完済してしまえるでしょう。

「2ヵ月後にボーナスが出るので、前借りする感覚で50万円を借りる」というケースでも、リスクはそれほど高くはありません。しかし、ボーナスは100%もらえるお金ではないということには注意しておきましょう。

慢性的な資金不足に陥っている

慢性的な資金不足に陥っている場合には、注意が必要になります。例えば、アルバイトをしていて月に16万円の収入しかなく、生活がギリギリで貯金をする余裕がないというようなケースです。

そのようなケースでは、そもそも引っ越しをすること自体を考え直したほうがよいかもしれません。

洗濯機が故障したなど、ちょっとしたきっかけで資金がマイナスになってしまい、そのままズルズルと借金に依存し続けて、借金の金額が増えていき、最終的には債務整理をすることになってしまうというケースも多いです。

返すあてのない借金は最初からしないということが重要です。

寮付きの仕事で追い出されてしまった

「住む家がなくなった派遣社員」の問題がニュースなどで取り上げられていることがあります。

派遣切りが社会問題となっていますが、会社の寮に入って働いている派遣社員は契約を切られたらその日のうちに寮を追い出され、住所不定無職になってしまいます。

契約を切られた後、どのくらいの期間寮に住んでいられるかはケースバイケースですが、「即日退寮しなければならない」という意見もブログの体験談などにあがっています。きちんと期間満了まで働いた場合には、1週間くらいは待ってもらえるという意見もあります。

居住権が認められている

実は、会社の寮に住んでいる場合でも、法律上「居住権」が認められています。労働契約が切れたら仕事は続けられませんが、寮に住み続けられる権利は別にあるということです。

しかし、居住権を主張することはできますが、無料で寮に住み続けられるということではありません。

例えば、一般的な賃貸マンションを派遣会社が部分的に借り上げして、寮としているケースで考えてみます。

派遣会社がその部屋を借りるために、敷金10万円、礼金10万円、仲介手数料4万円など、合計30万円を初期費用として支払っていたとします。月々の家賃は5万円とします。

このケースで、労働者が毎月3万円の賃料を給料から引かれていたなら、会社が2万円を負担していたということとなります。

居住権を主張してそのマンションに住み続けるためには、毎月5万円の家賃を支払わなければならないことはもちろん、初期費用の全額もしくは一部を請求されてしまう可能性もあります。

難しい法律の話になるので、個人で交渉をすることは難しいでしょう。どうしても住み続けたいというのであれば、弁護士などの専門家に相談をしてみましょう。

派遣切りにあって寮を追い出されてしまった時の対処法

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派遣切りにあって寮を追い出されても、十分な貯金があるなら、しばらくはホテル暮らしをしながら住む部屋を探すということができるので、なにも問題はありません。

せっかく貯めた貯金を切り崩してしまうことはもったいないので、利用できる制度があるなら利用して、なるべく早い段階で賃貸の部屋を見つけましょう。

実家に帰れる人なら、実家に帰ったほうが無駄なお金を使わずにすみます。次の部屋が決まるまでの数日くらいなら、友達の家に泊めてもらうというのもアリかもしれません。

しかし、実家にも帰れず、賃貸の部屋を契約できるだけのお金もないという人は、どうしたらいいでしょうか?

解雇の予告がなかった場合

派遣契約でも、「1ヶ月前の解雇予告」は必要になります。契約期間が満了する場合でも、「契約の更新がない」ということを1ヶ月前に労働者に伝えなければなりません。

これを雇い止めの予告と言います。どんな時でも雇い止めの予告が必要というわけではなく、次のような条件がつきます。

・契約期間が通算して1年を超えている労働者

・契約期間が通算して1年に満たなくても、契約が3回以上更新されている労働者

この場合、労働者は契約が更新されるだろうという期待を持って働いているので、予告なく雇い止めをすることは法律に違反します。

もしも、条件にあてはまる場合で、1ヶ月前に雇い止めの予告がなかった場合には、契約が更新されたものと見なされるか、損害賠償を請求することができます。

雇い止めをされたのに、引き続き働き続けるということは現実的に難しいかもしれません。まずは弁護士や労働基準監督署に相談をしてみるのがよいでしょう。

しかし、会社と争いをするというのは、できれば避けたいところです。期間満了の1ヶ月前になっても契約更新の有無が告げられなければ、契約更新があるのかないのかを自分で確認してみるのが確実です。

口約束では「言った・言わない」の水掛け論となってしまう可能性があるので、書面で通知がもらえたら理想です。

失業保険がもらえる?

派遣社員の人で、6ケ月以上働いていた人は、失業保険がもらえる可能性が高いです。

失業保険をもらうためには、「離職日以前の2年間で被保険者期間が12カ月以上ある」という条件を満たしている必要があります。

しかし、これとは別に特定受給資格者という制度もあり、派遣切りにあった人なら「被保険者期間が6ケ月以上」という条件を満たしていれば、失業保険がもらえる可能性が高いです。

しかし、失業保険でもらえるお金は退職前の6カ月間の給料の5割~8割程度と少ないので、生活をするのに十分ではないかもしれません。

また、引っ越し費用までは給付されませんので、後述する生活福祉資金貸付制度や住居確保給付金制度などを検討してみましょう。

生活保護が受けられる?

派遣切りにあって住む家もお金もなくなった人は、生活福祉資金貸付制度など、金利ゼロでお金が借りられる制度が利用できる可能性が高いです。

また、住居確保給付金制度が利用できる可能性もあります。

それらの制度でも解決ができないなら、生活保護を受けることになるでしょう。

派遣切りにあって最低限度の生活費すらもないという人は、生活保護を受けるための条件を1つ満たしていることになりますが、他にも「親族の援助を受けられない」、「資産を持っていない」といった条件を満たしている必要があります。

まずは福祉事務所で相談を受けてみましょう。生活保護の審査には2週間程度はかかるので、2週間分の生活費は必要です。手持ちのお金が10万円を切ったら相談をしてみるのがよいでしょう。

若くて健康な人が生活保護を受けることは後ろめたいと感じるかもしれませんので、できれば生活福祉資金貸付制度などの制度で乗り切ることが理想です。

相談先は?

生活福祉資金貸付制度の相談先は、「社会福祉協議会」になります。

一方、生活保護の相談先は、「福祉事務所」になります。

社会福祉協議会と福祉事務所は同じ窓口になっていることも多いので、両方について相談をしたい場合には便利です。

住居確保給付金制度の相談先は、各区役所の「福祉保健センター生活支援課生活支援係」になります。

寮を追い出されて住所がない場合

まだ寮を追い出されていない場合には、寮がある住所の管轄の福祉事務所が相談先になります。理想を言うなら、寮を追い出される前に相談をしておくべきです。

しかし、すでに寮を追い出されてホームレスになってしまっている場合には、とりあえず現在いる場所の管轄の福祉事務所に相談をしてみましょう。電話であらかじめ相談をしておけば、確実です。

住民票の住所と現在いる場所が異なるケースでは?

例えば、大阪の寮に住んでいて、その後東京まで車で移動し、車上生活をしていたというケースでは、住民票がある大阪まで戻らなければならないのかという問題があります。

このケースでは、ガソリン代や高速料金ももったいないので、とりあえず現在いる場所の東京で、相談をしてみるべきでしょう。

福祉事務所まで行って生活保護を受けたいという相談をしても、「住所がないので生活保護は受けられない」と言われて門前払いをされるケースがありますが、法律上は住所がなくても生活保護の申請はできます。諦めずに「申請をさせてください」と言いましょう。

法律上、福祉事務所は生活保護の申請を断ることはできません。

住所がない人が生活保護を受ける場合、市町村によって扱いは異なりますが、賃貸の部屋が決まるまでの間、一時的に役所が用意した宿泊施設に居住をするといった扱いを受けることになるようです。

生活保護の受給が決定すれば、居宅保護という制度によって、アパートなどの住居を保証してもらえます。引っ越し費用は基本的にすべて支給されます。