貧乏というのは嫌なものですね。世の中お金じゃない、みたいな言い方をする人もいますが、実際にはそうした人もしっかりと働いてお金を稼いでいますし、そうした言葉を鵜呑みにするわけには行きません。
この資本主義社会において、お金は幸せになるための道具であり、身を守るための防具であり、生きていくための手段なのです。
お金はある程度あるに越したことはないのです。貧しさに苦しんでいる方のために、今回はどうすれば貧乏と借金の負のスパイラルから抜け出せるのかについてまじめに解説してみたいと思います。
目次
貧困の定義
そもそも貧乏とは何でしょうか。貧乏という言葉に決まった定義はないようですが、貧乏という言葉とよく似た「貧困」には定義があります。
貧困には「絶対的貧困」と「相対的貧困」の2種類があります。絶対的貧困とはいわゆる途上国の飢餓で苦しむ人々、あるいはストリートチルドレンなど、生命を維持する最低限のお金さえ無い人たちのことです。
一方、相対的貧困とは、その地域、社会、世代において普通程度とされる生活を送れていない人たちのことです。日本には絶対的貧困に苦しむ人は殆どいませんが、相対的貧困に苦しむ人達はかなりいいます。
この記事を読んでいる人の中に絶対的貧困に苦しんでいる人はまずいないでしょうから、この記事では貧困=相対的貧困であるとして話を勧めます。
全人口に対する相対的貧困の人の割合を、相対的貧困率といいます。日本の相対的貧困率はOCED加盟国の中では比較的高い方で、14.5%程度となっています。7人に1人が相対的貧困というわけですね。
ちなみに、福祉国家で知られているデンマークやスウェーデンの相対的貧困率は5.0%程度です。さすがの低さとも言えますが、あれだけ福祉が充実していてもそこから漏れてしまう人はいるのだ、とも言えます。
相対的貧困の定義は結構複雑なので、一概に稼ぎがいくら以下ならば相対的貧困に当てはまるとはいえないのですが、一人暮らしの場合は年収130万円程度が一つの目安になります。これを下回っていれば相対的貧困、と考えてください。
他人はあなたの貧困を解決してくれない
さて、この貧困は一体誰のせいなのでしょうか?政治家かもしれませんし、官僚かも知れませんし、教師かも知れませんし、親かもしれません。おそらくは政治家にも官僚にも、そして我々国民にもそれなりの責任があるのでしょう。
しかし、こうした原因探しにはほとんど意味がありません。仮に政治家に原因があるとして、それを追求したらあなたの貧困が解決するのかというと、そんなこと無いからです。
政治家の部分を官僚、教師、親など、その他別の何かに入れ替えても同じです。あいつが悪い、こいつが悪いと言っているだけでは(その指摘が事実であったとしても)何も解決しません。
中には本当にろくでもない親のもとに生まれて、ひどい政治のもとに抑圧されている人もいるのかもしれません。しかし、それが事実だとしても、そんなことは他人にとってはどうでもいいことです。
「あんたが他人のせいでいくら苦しんでいても、俺や嫌な思いしてないし助ける義理はないよ」で一蹴されて終わりでしょう。
経済学の世界において、人間は全て利己主義的に行動すると定義されています。利己主義的とは、自分の利益(経済的利益とは限らない)を再優先に、最大限になるように追求する行動様式・思考様式のことです。
たまに酔狂なお金持ちが慈善事業に手をかけることがありますが、それはそうすることによって新たに名声を得られるからそうしているだけです。
お金を十分手に入れた人が次に欲しがるのはたいていの場合名声です。彼らにとってはお金を使ってでも名声を得ることが利益なのでしょう。他にもっと手軽に名声を手に入れる方法が見つかれば、慈善事業などあっさりとやめてしまうことでしょう。
いや、そんなことはない、私は人のためを思って行動している、という人もいるかもしれませんが、その考えは傲慢です。人のためを思って行動しているのではなく、喜ぶ人を見て自分が満足するために行動しているだけです。ここを間違ってしまってはいけません。
もちろん、この記事の作者たる「私」も利己主義的に行動しています。
冒頭で「貧しさに苦しんでいる方のために」と書いていますが、これは導入部分を抵抗なく読んでもらうためのいわば建前であり、本心は「貧しさに苦しんでいる人のためになる記事を書くことによって、私が利益を得るために」です。
そんなことを冒頭から書いてしまうとブラウザバックされる可能性が高いので書きませんでしたが。
要するに、他人が助けてくれるのを待っているだけでは、貧困から抜け出すことはまずできないということです。期待すべき相手は政治家でも、官僚でも、親でもなく、自分自身です。自分自身を変えなければ、まず貧困から抜け出すことはできません。
貧しい人はなぜ貧しいまま死んでいくのか
世の中には貧乏なまま一生を終えることを自分で選択し、そのまま死んでいく人がいます。
いやそんなわけ無いだろう、と思われるかもしれません。
何をすれば貧乏になり、何をすればお金持ちになるのかわからないまま一生を過ごしている人がいる、というとしっくり来るかもしれません。
世の中の貧乏な人の多くはどうすればお金持ちになるのかについてなどは考えもせず、やれ政治が悪いだの社会が悪いだの会社が悪いだの責任を転嫁してばかりいます。
確かに、今の政治や社会にはたくさんの問題点がありますが、政治や社会だけが悪いのではありません。政治や社会が悪くても成功する人はたくさんいます。
彼らは自己責任意識を持ち、自分の人生は自分で成功させるという意識を持っているからこそ、成功を収めているのです。まずは彼らのその意識を見習うところからはじめましょう。
……と、こういうことを言うと、お決まりの批判が飛んできます。
「政治や社会に対する批判は必要だ」。確かにその通りです。政治や社会に対して全く批判がない世の中は不気味です。しかし、政治や社会に対する批判を貧乏のはけ口にし続けるというのは健全ではありませんし、非生産的過ぎます。
政治批判と自己責任意識に基づいた努力は両立可能です。政治批判に終止して自身はなにもしないというのは、単なる逃げです。
「お金が全てではない」。確かにその通りです。世の中にはお金で買えないものもあります。お金持ちが幸せだとは限りませんし、貧しい人が不幸であるとも限りません。しかし、基本的にお金がある方が幸せになりやすいことには疑いの余地がありません。
2002年にノーベル経済学章を受賞した米プリンストン大学の心理学者、ダニエル・カーネマン教授らが行った調査によれば、幸福度と年収は年収7万5000ドル(当時のレートで約900万円)程度まで概ね比例し、その後は年収が伸びても幸福度はほぼ変動しなかったそうです。
日本の内閣府が実施した調査でも、概ね似た結果が出ています。つまり、年収が100万円と1000万円の人では後者のほうが幸福度が高く、1000万円の人と1億円の人ではほぼ同じ、というわけですね。
少なくとも年収1000万円以下の領域、つまりは殆どの日本人が属している領域だけを見れば、年収と幸福度はほぼ比例するわけです。
「生き方は人それぞれ」確かに人それぞれですね、世の中にはごく少数ではありますが、金銭的には裕福でないのに本当に幸せそうな人もいます。そうした人を目指すのも悪くはないでしょう。
ただ、はっきり言ってしまえば、金銭的に貧しいが幸せな人を目指すよりは、お金持ちで幸せな人を目指すほうがよっぽど簡単です。人間の心には嫉妬心というものがあります。
これは努力で消せるものではありません。そんなものと戦うよりは、お金持ちになるための努力をしたほうがよっぽど効率的で割に合います。
貧乏は心身をむしばむ
貧乏でも他人に嫉妬せず、幸福に行きられる人もいますが、大抵の人は貧乏になると心身を蝕みます。貧乏暇なしという言葉がありますが、貧乏な人ほど時間に余裕が無いものです。時間に余裕がなくなれば、それがそのまま態度に出てきます。
特に生活を仕切る立場にある両親に余裕が無いと、それが子供にも影響してしまうことがままあります。家が貧乏であるという事実は、子供の健全な成長に悪影響を与えるのです。子供に明日の飯の種を心配させているようでは親失格です。
子供の命を預かる以上は、せめて人並み程度の生活を送らせなければなりません。両親がお金のことで喧嘩している場面を見せるなど下の下です。
今すでに貧乏な人は、工夫しなければ貧乏を脱出できない
世の中には生まれつきお金持ちな人というのがいます。生まれつきお金持ちなのでいい環境で育ち、良い教育を受けて、いい大学に入ります。
お金持ちの親のコネという強力な後ろ盾もあるため、大抵の場合はいい仕事につけます(親の跡を継ぐ人もいます)。こうしてお金持ちの子はやはりお金持ちになります。
いっぽうで世の中には生まれつき貧乏な人もいます。生まれつき貧しいのでろくな教育も受けれず、学がないのでいい仕事に付けないまま一生を終えていく人もいます。貧乏な人の子はやはり貧乏になるのです。
この状況はたいへん不公平ですが、この不公平が改善される兆しはありません。その理由は何だと思いますか?ここまで読んだ人ならもうわかりですね。
いくら貧乏な人が苦しもうが、殆どの人(中流家庭、あるいはその周辺の家庭で育った人)にとって知ったことではなく、助けることによって得られる利益がないからです。
貧乏な人を助けることによって得られる利益が明確にならないかぎりは、彼らは放置され続けることでしょう。
こんな状況で貧乏から脱出するためには自ら工夫をするしかありません。工夫とは努力とは少し違います。がむしゃらに頑張る、なんていうのは方策としては下の下です。何も考えずにただひたすら体力の続く限り努力しても、せいぜいブラック企業の駒になって終わりです。
ブラック企業が社員を使い捨てる強かさと冷酷さを兼ね備えているように、こちらも企業をさんざん利用して要らなくなったらさっさと転職するくらいの強かさと冷酷さが必要です。利用できるものは何でも利用してください。
工夫のポイントは「最小の労力で最大の利益」です。世の中の資源(時間、お金、人的資源など)には上限があります。
そうした限られた資源を湯水のごとく消費して、しかも大した結果を挙げないモーレツ社員のような人間は、社会からしてみれば無益どころか害悪ですらあります。
あなたは世の中の資源を最小限しか使わず、それでいて最大限の利益をあげられるような、効率的な人間になりましょう。
お金を支配しよう
お金というのは道具であり、手段です。目的ではありません。大切なのはお金を使って何をして幸せになるかということであり、お金があるだけでは幸せにはなれません。
にも関わらず実際にはお金持ちのほうが幸福度が高いのは、お金がたくさんあったほうがそれだけ選択肢が広がり、良い選択ができるようになるからです。
お金持ちのマインドの特徴の一つに、お金を支配しているというのがあります。お金に振り回され、お金にこき使われるのではなく、自らお金を自分の手足としてこき使い、お金で人生の選択肢を広げていくのです。
翻って貧乏な人は、お金にこき使われています。いつでもどこでもお金の心配ばかりしています。これでは金銭的な豊かさも、心の豊かさも得ることはできません。お金に振り回されるだけの人生とは今日でお別れしましょう。
お金自体には善でも悪でもない
貧乏な人の中には、お金を稼ぐこと自体を悪だとみなしている人がいますが、それは大きな間違いです。問題はお金をどう使うかであって、お金自体には前も悪もありません。
お金を悪だと決めつけるのは、お金を稼ぐ能力がない自分に対する言い訳に過ぎません。自分の能力の低さをまずは認め、そこからスタートを切り出しましょう。
勉強しよう
非常に曖昧な物言いになってしまいますが、勉強をすることはとても大事です。勉強をして知識を蓄えれば、その分だけ人に騙されにくくなります。
騙されにくくなれば、訳の分からない投資に引きずり込まれたり、あるいは効果がない商品を買ってしまったりするのを防ぐことができます。貧乏な人ほど宝くじやパワーストーンといった、明らかに損する買い物に金を突っ込みます。
勉強する対象はなんでも構いません。経済学の基礎を学ぶことは必須かと思いますが、後は歴史でも地理でも物理でも科学でも、興味を持てることを学んでいけばいいでしょう。知識が付けばそれだけ世の中の何が信じられて、何が信じられないのかを見抜けるようになります。
また、資格を取得すればそれだけ仕事の幅が広がり、より高給を稼げる仕事につきやすくなります。
学問的なことだけではなく、社会にも興味をもつようにしましょう。お金にまつわる制度は常に一定ではなく、時代の流れとともに変わっていきます。
消費税が代表的なものですが、その他にも相続税や住宅ローン減税など、現代ならではのお金の決まりがいろいろあります。こうした社会の流れを追っていけば、限られた予算をより効率的に活かすことができます。
お金の話をしよう
お金の話をタブー扱いしている家庭は少なくないようですが、それは実にもったいないことです。お金に関する話はもっともっとしていくべきです。といっても、「お金がもっとあったら良いのにな~」みたいな愚にもつかない話をしていてもしょうがありません。
話すべきは「将来海外旅行に行きたいんだけれど、いくら貯めればいいんだろう」とか「定年退職までにお金はいくらためておけばいいんだろう」とか「今の定期預金の金利は低すぎる、何かもっと高利回りに運用できる商品はないかな?」といったような、具体的かつ前向きな話です。
お金について話し合い、家族や友人とともに健全な経済観念を築いていきましょう。
浪費のための借金はしない
借金をすること自体は悪いことではありませんが、ただの一時的な快楽のための借金は慎むべきです。借金をして何か物を買って一時的に快楽を得ることができても、その後には借金返済(利息つき)という快楽以上の労苦が待っています。
なにか欲しい物があるならば、しっかりと自分の手持ちの資金で買うことです。それができないのならば、諦めましょう。
宝くじは買うな
ギャンブルが人間を貧乏にすることは多くの人が気づいているようですが、一方で何故か宝くじだけはきちんと買う人も少なくないようです。
宝くじにはギャンブルのような悪いイメージがなく、老若男女に愛されているため自分も……という気持ちになってしまうひとが多いのかもしれません。しかし、貧乏から脱出したいと思っているのならば、宝くじを買うのは辞めるべきです。
まず、宝くじはギャンブルとしてみても極めて不利なものになっています。世の中にはいろいろなギャンブルがありますが、例えばパチンコの還元率は85%、競馬、オートレース、競輪などの還元率はいずれも75%程度であるのに対して、宝くじの還元率は45%程度です。
つまり、宝くじのほうがパチンコや競馬よりも早く貧乏になってしまうのです。宝くじに比べれば、数百万人の依存患者を作っているパチンコのほうがよっぽど良心的です。
その分最高当選金額は高くなっていますが、例えばジャンボ宝くじの場合、1等の当選確率は1000万分の1にしか過ぎません。50年間ずっと春夏秋冬それぞれ10枚ずつ買っても、1等が当たる確率は0.02%にしかなりません。
買わないと当たらないというのはそのとおりですが、買っても当たらないのです。
そして、満々万が一宝くじにあたっても幸せになれるとは限りません。
イギリスで3億6000万円の宝くじに当選したカリー・ロジャーは当選後に贅沢三昧の生活を送り、当選からわずか6年ですべてのお金を使い果たしてしまい、自殺未遂を繰り返した後マヤクに手を出してしまいました。
アメリカで363億円の宝くじに当選したジャック・ウィデカーは、友人たちからの一斉の借金依頼に人間不信になり、妻とも離婚。孫娘は麻薬中毒から死亡し、愛する家族をあっという間に失いました。
日本で2億円の宝くじに当選した吉田寿子は、当選直後に行方不明になりました。その後の警察の捜査で、東京都内に住む男に殺害されていたことが明らかになりました。
韓国で14億円の宝くじに当選したジャネット・リーは、大学施設や教会牧師の家族、更には韓国民主党などに寄付を繰り返した上にギャンブルに手を出し、当選から8年後に破産を申告しました。
アメリカで24億円の宝くじに当選したビリー・ボブ・ハレルJr.は、NOと言えない性性格から言われるがままに新車や家などを買いまくり、妻とも離婚。その後自ら命を経ちました。
このように、宝くじにあたってしまったおかげで痛い目を見た人はたくさんいます。自己破産ぐらいならばまだましな方で、自殺してしまったり、殺されてしまった人も少なくありません。
貧乏な人が急にお金を持つとお金に振り回されてしまい、ちっとも幸せになれないという好例は掃いて捨てるほどあります。金持ちのマインドは一朝一夕では身につきません。
お金持ちとして振る舞うだけの力量がない貧乏人がいきなり大金を掴んでも、花火のごとく一瞬だけ輝いて終わりです。
もう一度言いますが、宝くじは買ってはいけません。宝くじの還元率はどのギャンブルよりも低いです。
国や地方自治体は、何の工夫もせずに稼ごうという貧乏人の極めて浅ましい精神構造をよく知っており、それを利用して金を集めているだけです。宝くじを買い続けている人間は一生養分です。
それでも宝くじを買い続けたい人は勝手にすればいいと思いますが、かないもしない夢を買うよりは、現実世界で成功するためのプロセスを買うことをおすすめします。
数学を学んでみよう
時間がある人は、数学を学んでみると良いかもしれません。数学と聞いただけでアレルギーじみた反応を引き起こす方もいらっしゃるようですが、数学は本来楽しいものです。
いや、中にはもちろんほんとに数学が嫌いでしょうがないという方もいらっしゃるのかもしれませんが、たとえ嫌いであろうと社会人ならば最低限の数学スキルは身につけておいたほうが良いでしょう。
特にしっかり時把握しておきたいのが期待値と平均です。期待値確率の見地から算定した平均値です。簡単な言い方をすれば、投資を行った時に平均でどれくらい稼げるのかを示す値です。期待値は確率と得られるお金の積(掛け算)を足したものになります。
例えば、今100万円投資をすると、20%の確率で60万円になり、50%の確率で90万円になり、30%の確率で160万円になるとします。この場合、投資はすべきなのでしょうか、すべきでないのでしょうか。
この投資の期待値は20%×60万円+50%×90万円+30%×160万円=105万円となります。つまり、100万円投資したら平均で105万円返ってくるというわけですね。よって、資産が無限にあるかぎりは投資をした方がいいということになります。
「資産が無限にあると」という前提がつくのは、損する可能性があるのは否定出来ないためです。例えば、明日までに100万円を用意しないと死ぬ人が、この投資にチャレンジするのは無謀です。70%の確率で100万円以下になってしまうのですから。
期待値は人間の行動を決める上で非常に重要な指標になります。
もう一つ大切なのが平均です。平均の出し方を知らない人はいないかと思いますが、実はこの平均という指標がなかなかにクセモノなのです。
例えば、今ここに企業があるとします。企業には1人の経営者と、9人の役員と、90人の社員がいるとします。経営者の報酬は1億円、役員の報酬は1500万円、社員の給料は400万円だとします。このことを把握しているのは経営者だけです。
この場合、全員の平均年収(1億円×1+1500万円×9+400万円×90)÷100=595万円となります。
全員の平均年収が595万円というのは事実ですが、実際に595万円という金額を稼いでいる人は1人もいません。
圧倒的に数が多い社員たちは「他の社員はそんなにもらっているのか……」と受け止めてしまい、自身の給料の低さに対して不満を持つでしょう。
役員たちは「何だ、社員たちも結構もらってるんだな」と思うことでしょう。経営者は平均年収595万円という指標を公表して、うちの会社の給料はこんなにいいですとアピールすることでしょう。立場によって、平均に対する見方が変わるわけです。
平均は便利な指標ではありますが、役に立たないことも決して少なくありません。平均所得や平均寿命といったものには、あまり振り回されないようにしましょう。
貯蓄から初めて金融資産を増やそう
年収が人並みしかなくても、十分な金融資産を築くことは不可能ではありません。ただし、何の考えもなくただ生活していてもお金はたまりません。しっかりと家計を管理し、どこで財布の紐を固めて、どこで緩めるべきなのか把握する必要があります。
まず、毎月の貯蓄目標額を決めてしまいましょう。どのくらい貯蓄すべきかはひとによって異なります(一人暮らしと家庭がある人では目標にすべき額が違います)が、一人暮らし、会社員の方は最低でも手取り月収の1割、ボーナスの3割程度は貯蓄した方がいいでしょう。
例えば、手取り月収30万円、ボーナス60万円の場合、毎月の貯蓄額は3万円、ボーナスの貯蓄額は18万円となります。従って、年間目標貯蓄額は3万円×12+18万円×2=72万円となります。
まずはこの目標に従って、1年間生活してみましょう。それでも然りに目標額以上の貯蓄ができたならば、その生活を維持し続けましょう。逆に目標額を下回ってしまった場合は、家計を見なおしてください。
貯蓄の際のポイントは、まず給料が入ってきたら貯蓄分を最初に預金用の口座に回してしまい、残ったお金で生活をすることです。
生活費の残りを貯蓄しようとすると全部使ってしまいがちで、なかなかうまく行きません。積立預金などを利用すると、強制的にお金が貯蓄されるので便利です。
生活費の削減は固定費から
毎月の生活費は、毎月ほぼ一定の額を支出しなければならない固定費と、月ごとに支出額が変わる変動費があります。例えば保険料や住居費(家賃や住宅ローン)は固定費、冠婚葬祭の費用や光熱費などは変動費に含まれます。
この内、優先して削っていくべきなのは固定費です。固定費というのは毎月支出額が固定されているため、一度削ってしまえばその効果は半永久的に続くからです。
例えば、突き1万円かかっていた保険を解約して、月5000円の別の保険に加入するだけで、労なく保険料を年間で5000円×12ヶ月=6万円も削減することができます。これは結構大きいです。
とはいえ、固定費をあれもこれもと削ってしまうと今度は日常生活に張りがなくなってしまい、ストレスを抱えてしまいます。大切なのは削っても良い固定費だけを削ることです。
例えば、若いにもかかわらずがん保険に入るのは無駄が多いです(50歳までの罹患リスクは男性で6%、女性で5%)。確かに若くして癌になる人もいるのですがそれは極少数の人だけであり、平均的に考えれば若いうちからがん保険にはいるのはハイリスクローリターンです。
一方で、若いう力何らかの原因で入院する人は少なくないため、医療保険は若いうちから入っておいたほうが良いでしょう。削るところは削って、必要なところはちゃんと残す。このメリハリが大切です。
何が不必要な固定費なのかわからない場合は、毎月の固定費を紙に書き出してみると良いでしょう。その中に必ず「あ、この分野にはこんなにお金掛ける必要はないな」と思える部分があるはずです。
固定費の減らし方については、以下の樹にも参考にしていただきたいと思います(参考:借金を無理なく効率的に減らす方法)。
変動費については固定費ほど積極的に削る必要はありません。変動費は毎月出費しなければならない固定費と比べると娯楽に関わってくる部分が強く、ここを削りすぎてしまうと毎日がつまらないものになってしまうからです。
節約に必死になるあまり必要な娯楽までそぎ落としてしまうと、却って心身をむしばむことに繋がりますし、衝動買いなどの無駄な出費も増えてしまいます。
補助金制度を利用しよう
補助金は主に地方自治体が提供している、企業や市民のための資金補助制度です。補助金制度は企業向けのものというイメージをお持ちの方もいらっしゃるかもしれませんが、実は個人でも使える補助金制度も少なくありません。
補助金の特徴は、申請しなければたとえ受給の条件を満たしていなくても受給できないことです。
役所の方からあなたは条件を満たしていますが補助金をもらいますか、と言ってくることは通常ありません。申請した人だけがもらえるのです。従って、補助金を上手に活用するためには、まず補助金制度について十分に知る必要があります。
まずはインターネットで市区町村役場の補助金制度をチェックしてみましょう。制度は自治体によってそれぞれなのでなんともいえませんが、民間住宅の家賃への補助金など、身近で使いやすい補助金制度も少なくありません。
こうした「使えるもの」はどんどん使っていくのが賢いやり方です。
貧乏でも結婚すれば裕福になれる?
貧乏だから結婚できないという人がいますが、経済的な観点から考えれば、貧乏なほど結婚すべきです。何故かと言うと、結婚と一人あたりの生活費が低くなるからです。
例えば、一人暮らしの人2人がワンルームマンションを2つ借りた時の家賃の合計額と、2人ぐらしの夫婦一組が2DKの借りた時の家賃は、通常は後者のほうがやすくなります。
光熱費も保険も、バラバラに住むよりは一緒に住んだほうが一人あたりの費用が安くなります。家族の数を増やすことによって、一人あたりの余計な出費を抑えることができるのです。出費が減れば当然毎年の資金に余裕ができ、貧困から遠ざかれます。
また、結婚はリスクヘッジにも繋がります。一人暮らしだと、自分が倒れてしまった時に誰も助けてくれませんが、結婚していればパートナーの助けが期待できますし、逆にパートナーが倒れた時には自分が助けられます。
人は(自分の利益を優先させた結果ではありますが)支えあって生きているのです。結婚したい人は、非正規同士でも結婚したほうが豊かになれるというのが当サイトの主張です。もちろん、どっちかが非正規でもう一人が専業主婦、というのは無理ですが……。
もちろん、結婚したくない人は無理に結婚する必要はありません。赤の他人と暮らすなんてストレス以外の何物でもない、と感じる人だっているでしょう。そのような人は結婚以外の方法、例えば貯金や友人関係の強化など、他の方法によってリスクヘッジを図っていきましょう。
投資は失っても良い資金で、攻めのスタイルで
無駄な生活費を削り、ある程度預金に余裕ができたら、投資にチャレンジするのもいいでしょう。ここで大事なのは、投資は必ず余裕資金で行うということです。
何故かと言うと、失ってはいけない資金を投資に使うと、それを失いたくないという気持ちがあまりにも強くなってしまい、正常な判断ができなくなってしまうからです。もっと踏み込んでいば、投資のスタイルが守りに偏りすぎてしまうのです。
もちろん、守備重視の投資も悪くありませんが、それはどちらかと言うともうすでに金融資産を十分に築いており、なおかつある程度年齢が言っていて人生の終着点が見えている人向けのスタイルです。
こうした人達はこれ以上無理して金融資産を増やす必要もなく、また失敗した時に取り返せないので守備重視のスタイルでいくのが基本です。
しかし、若くてそれほど金融資産も持っていない人は、もっと攻めのスタイル、ハイリスクハイリターンによるべきです。若ければ若いほど、残りの人生で必要なお金の額は多くなるからです。
それをまかないたいのならば、ある程度のリスクの受け入れは必須です。また、若い人はたとえ失敗してもやり直しが聴きやすいため、中高年と比べるとリスクを取りやすいです。
もちろん、ただいたずらに危険な金融商品を買い漁るというのはおすすめしませんが、せっかくの金融資産を全額定期預金で塩漬けしたりするのは非常にもったいない話です。
「そうはいっても、定期預金でも何もしないよりはお金が増えるんだから別にいいんじゃない?」と思われるかもしれませんが、それは大いなる誤解です。定期預金はむしろ実質的にはお金が減ることのほうが多いのです。
今は100万円を支払うと、100万円の自動車が買えます。小学生でも知っている当たり前の事実です。しかし、手持ちの資金を0.10%の定期預金にあずけて、1年後にインフレが起きて、物価が2%上がったらどうなるでしょう。
手持ちの資金は100万円×(1+0.10%)=100万1000円です。一方、自動車の額は100万円×(1+2%)=102万円になっています。以前は買えたはずの自動車が、物価上昇と資産増加のバランスの変化によって買えなくなってしまったのです。
長いことデフレが続いていた日本では実感しづらいことかもしれませんが、一般的に安定した経済状況のもとでは年間で2%程度物価が上昇するものです。
そんな環境の中で金利0.10%の定期預金にうつつを抜かしていいては、実質的な金融資産はどんどん減っていくばかりです。
ただリスクを取るだけではいけない
しかし、だからといってただ闇雲にハイリスクハイリターンな投資をすればいいわけではありません。投資で大切なのは、市場から退場しなければならないほどの大損をしないことです。
小さな損は市場で意外とすぐに取り戻せます。投資に小さな損はつきものです。現在投資家として成功している人たちも、常に勝ち続けてきたわけではありません。短期的に見れば買ったり負けたりしつつも、トータルで大きく金融資産を増やしているのです。
さて大損を予防する一番のコツは、金融資産をなるべく分散させることです。
世の中の金融資産には現金や預金のほか、株式や債券、不動産、貴金属、宝石などがあります。これらを分散して持てば、どれか一つが暴落してもほかが損失分をカバーしてくれることが多いので、致命傷を負うことはなくなります。
特に株式と債券の価格は反比例することが多い(どっちかが値上がりするとどっちかが値下がりする)ため、両方をバランスよく持っておくと良いでしょう。
また、国内だけでなく国外の金融資産もバランスよく持ちましょう。国内が不況に陥っても国外が公共ならば資産を増やすことができますし、その逆もあるからです。
株式と債券の値動きの関係性
一般的に景気が良くなると、株式価格が上昇します。景気が良くなると、日銀は行き過ぎたインフレを抑制するために、政策金利(日銀が民間銀行にお金を貸す時の金利)を引き上げます。
政策金利が引き上げられると市場金利(民間金融機関がお金を貸す時の金利)もそれに引っ張られて引き上げられます。
一方、景気が良くなると、前述のとおり株価が上がるので株式の需要が増えます。株式の需要が増えれば、その分だけ債券の需要が減ります。
債券の需要が減ると、債券価格が下がります。債券価格が下がると、債券を購入してもらうための金利は上がります。つまり、景気が良くなると株式価格は上昇し、市中金利は下がり、債券価格は下がり、債券利回りは高くなるわけですね。
投資信託ならば簡単にリスクを分散できる
さて、株式や債券、不動産、貴金属、宝石などを分散して持てばリスクが分散できることはわかりましたが、これらの現物を買うのは簡単ではありません。
株式や債券はまだしも、不動産は1000万年単位の買い物になることが多く、分散投資どころか一つの不動産を持つのさえ一苦労です。そこで是非活用したいのが、投資信託です。
投資信託とは、多数の投資家から集めたお金を、運用のプロフェッショナルであるファンドマネージャーが株式や債券などに投資し、それによって得られた利益を投資家に還元する仕組みのことです。
多数の投資家から集めたお金を一つのまとまりとして運用することにより、1人では購入することが難しい高価な金融商品を購入することができるわけですね。
投資信託のいいところは、少額から始められることです。例えば個別に株式を買う場合は、株価と売買単位によっては数百万円の資金が必要になりますが、投資信託は月々1000円程度から始められるので、非常にハードルが低いです。
また、投資した額を株式、債券、不動産などに分散するのも非常に簡単です。
世の中にはうまい話は転がっていないが、比較的楽に稼ぐ方法は存在する
世の中には一見何の工夫も努力もしないでお金が稼げそうな、美味そうに見える話がゴロゴロしています。特にネットをやってると、そういううまい話がそこら中にあるかのように錯覚してしまいがちです。
しかし、ああした話の99.9999……%は嘘、もしくは誇張です。世の中何があるかわからない以上、100%と言い切ることもできないのですが、まあ大抵の場合そうした「一見美味しそうなうまい話」に乗っても時間とお金を失うだけで良いことはありません。
そもそも、世の中でお金を稼いでいる人はみなな何らかの工夫や努力をしています。詐欺師のような犯罪者や、生まれつきお金持ちの家に生まれた人だってそうしています。何の考えもなしにお金を得ることはほぼ不可能といえるでしょう。
仮に何の工夫や努力もなしに稼げるうまい話があったとしても、普通は見ず知らずの相手に進めたりしません。自分だけでやって利益を独占するはずです。
そのうまい話が複数人でなければできないものだとしても、顔も知らない相手には普通協力を求めません。顔見知りの人たちと利益を独占するはずです。
得意なことで稼ごう
しかし、ただがむしゃらに努力をするだけでも、やはりお金は稼げません。それが通用したのはせいぜい20世紀の末までです。現代においては、いかに効率的に、最小限の能力でお金を稼ぐかが求められます。
最小限の努力でお金を稼ぐ方法は実は意外と簡単です。自分にとって最も得意なこと(好きなことではありません)を仕事にしてしまえば良いのです。
ものすごく大雑把に言えば、もともと話が上手い人は営業職になる、もともと創造力がある人はクリエイターになる、と言った感じですね。
その得意なことが好きでなくても全然構いません(大嫌いなことを仕事にするのはやめたほうが良いかもしれませんが)。得意なことを仕事にすれば、最小限の努力だけでスキルアップが望めますし、辛さで心を病んだり、嫌な思いをすることも少なくなるはずです。
お金を稼ぐこと自体は手段であってそれ自体が目的ではないのですから、必要とされる工夫や努力は少ないに越したことはありません。
得意ではないけど好きなことが合って、どうしてもそれを仕事にしたいという方もいらっしゃるかもしれませんが、それはあまりオススメできません。
好きなことでもそれだけをずっと続けていると嫌いになってしまうかもしれませんし、周囲への劣等感を感じてしまうかもしれません。好きなことは趣味として、お金を払って続けたほうが良いでしょう。
得意なことが特に思いつかない、という方も心配はいりません。別に人と比べて圧倒的に優れていなくたって良いんです。自分の中で相対的に得意なことがあればいいんです。
例えば通信簿が数学だけ3で、後はオール1という人は、相対的に得意である数学を生かせる仕事を探す、という感じでも全然OKです。そもそも世の中に人と比べて圧倒的に優れている人は殆どいません。世の中を構成する99%以上の人間は凡人なのですから、心配は不要です。
貧乏が続くと頭が悪くなる
米ハーバード大学の研究によると、人は経済的に困難が続くと頭が心配事で一廃になってしまい、正常な判断能力が鈍ってIQが低下することが明らかになっています。
「頭が悪いから貧乏になる」のではなく、「貧乏だから頭が悪くなる」というわけですね。一度貧乏になってしまうと、そこから抜け出せないのは貧乏になる→頭が悪くなる→いい仕事に付けずにもっと貧乏になるという負のスパイラルに入ってしまうからだと思われます。
お金の使い方を学ぼう
お金の稼ぎ方と同じくらい、いやそれ以上に大切なのが、正しいお金の使い方を学ぶことです。正社員になって働いて、投資で金融資産をふやしても、そのお金をくだらないことにばかり使ってしまうと、いつまでたっても真のお金持ちに離れません。
理想的な浪費/浪費/投資の割合について考えてみる
お金の使い方は基本的に「消費」「浪費」「投資」の3つに分類することができます。消費は例えば日用品を買い物したり、保険料を支払ったり、ガソリン代を支払ったりといった、日常生活にお金をつかうことです。
浪費はいわゆるギャンブルや不必要な買い物にお金をつかうことです。投資は書籍代や資格取得関連費用と言った、知識をつけたり収入を増やしたりするためにお金をつかうことです。
消費、浪費、投資のいずれも人間が楽しく生きていくうえでは必要なものですが、できれば浪費は最低限に抑えたほうが良いでしょう。消費は何かを消費する事によって満足感を得られますし、投資は新たなお金や知識を得ることができますが、浪費で得られることはほとんどなにもないからです。
ギャンブルというのは、必ず胴元(主催者)が儲かるようにできています。そうでなければあんなに安定してギャンブルが開催され続けるわけがありません。そのことを把握した上でお遊び程度で浪費をするのは良いかもしれませんが、浪費が中心の生活は慎むべきです。
また、過度に投資に偏るのもあまり良くないことです。投資はたしかに素晴らしいことですが、そればかりにかたよると消費する楽しみがなくなってしまいます。自分の好きなこと=消費にお金をかけるのも忘れないようにしてください。
負の感情はお金では解決できない
お金はたいていの問題を解決してくれますが、負の感情をお金でなくすことはできません。イライラしながらお金を使っても、幸せになれることはまずありません。むしろお金を無駄なことに使ってしまったという後悔のほうが大きくなるでしょう。
負の感情で頭が支配されているときは、変にジタバタし過ぎないほうが無難です。よほどひどいものでないかぎり、負の感情は時間の経過とともに和らいでいきます。イライラした時は運動して、食べて、風呂に入って、寝てしまったほうが良いでしょう。
債務整理をしてみよう
前述のとおり、利用できるものは何でも利用すべきです。たとえそれが債務整理であっても、自分にとって得になるならば利用するのがベストです。
ただし、債務整理にも一定のデメリットがあるので、いつでもどんな場面でも利用するのが正しいというわけではありません。
貧乏からの脱出を目指すならば、借金の整理は必要不可欠です。債務整理を行うにあたっては、弁護士にしっかりと相談しましょう。