個人事業主(自営業者)として頑張っている皆さんの中には、会社員と比べて自分の立場が弱い気がすると感じたことがある方も少なくないのではないでしょうか。
悲しいかな、社会というのは個人事業主よりも会社員を総じて高く評価します。それはカードローンの審査でも同じで、個人事業主は会社員と比べてどうしても審査に受かりづらいものです。
誰にも依らずに自分の力だけで頑張っているのになんで会社にぶら下がっているだけの人間より評価が低いんだ、と思われるかもしれませんが、それにはちゃんとした理由があります。
なぜそうなるのかを理解して、対策をきちんと練れば、個人事業主でもしっかりと審査に通過できますよ。
個人事業主が審査に落ちる理由は「不安定な立場だから」
個人事業主は自分が経営者であるので事業判断を行いやすく、いろいろな問題にスピーディーに対応でき、さらに利益を独占できるというメリットがありますが、一方で問題を起こせばすぐに利益が減り、生活に行き詰まってしまうというリスクも抱えています。
また、個人として経営を行うため、個人のお金を事業に回したりしてしまいがちで、仕事と私生活の線引きが曖昧になりやすいのも大変な点です。
会社勤めの人から見れば気楽そうに見えるかもしれませんが、実はそのプレッシャーは守られた立場にある会社員以上に強いといえるでしょう。
さて、個人事業主がカードローンの審査に落ちる理由は様々ですが、その理由を一言にまとめてしまえば「不安定な立場だから」となります。
金融機関は将来返済してくれる可能性が高そうな人に対してのみ融資を行います。逆に言えば、将来何らかの理由で返済が滞りそうな人には融資をしません。そして銀行から見れば、個人事業主は「将来返済が滞りそうな人」に該当するのです。
個人事業主は「収入が不安定」
カードローン事業者はほぼ100%、収入に関する審査を行います。収入に関してはその額ももちろん審査の対象となるのですが、それ以上に重視されるのが収入の安定性です。
収入が安定している職業ほど将来返済が滞る可能性が低いため、収入の額自体は平凡でも高く評価されます。会社員や公務員が審査で高く評価されるのは、簡単に首にならないからです。
一方、個人事業主には経営規模に制限がないため会社員や公務員よりも稼いでいる人も少なくないのですが、収入の安定性という点では遥かに劣ります。
最低賃金なども適用されず、売上から経費を引いた利益の多寡がそのまま個人の収入に直結します。このような理由があるため、個人事業主は審査に通りづらいのです。
個人事業主は「立場が不安定」
個人事業主は常に倒産の可能性と隣り合わせです。現在の年収が1000万円を超えている人でも、来年にはどうなっているかわかりません。
企業にももちろん倒産の可能性はあるのですが、個人事業主ほど景気の影響をストレートに受けることはないため、会社員が抱えているリスクは個人事業主と比べれば小さいものです。
個人事業主でも以下のことに気をつければ審査に受かる可能性大
ここまで個人事業主はカードローンの審査に落ちやすいことについて説明してきましたが、それでもどうしてもカードローンを利用したいという方もいらっしゃるはずです。一体どうすれば、審査に受かるのでしょうか。
節税対策を諦めよう
個人事業主の方の中には、経費を多めに計上し、所得を少なくすることによって節税を測ったことがある方もいらっしゃるかもしれません。
こうした努力は節税という観点から見ればいいことですが、一方で毎年の所得が少なくなってしまうためカードローンの審査では不利になることがあります。カードローンの利用を考えている場合は、節税は諦めてなるべく所得が大きくなるようにした方がいいでしょう。
事業は最低でも3年は続けよう
会社員や公務員の場合は勤続年数が審査の対象になりますが、個人事業主の場合は営業年数、つまり事業を始めてから何年経ったかが審査の対象になります。
金融機関の中には最低でも営業年数は3年以上と定めているところもあり、あまりに営業年数が短いと審査に落ちてしまう可能性が高くなります。最低でも事業は3年続けましょう。
個人事業主専用のカードローンを利用しよう
アイフルやモビットなどは個人事業主も審査の対象としていますが、それよりも個人事業主専用のカードローンを選ぶことをおすすめします。こうしたカードローンは個人事業主の事情を汲んでくれる可能性が高く、従って審査にも受かりやすくなります。
ただし、こうした個人事業主専用のカードローンの多くは事業性資金を融資するものがほとんどなので、借りたお金をプライベートに利用することはできません。
プライベートで融資を受けたい場合は、不利を覚悟でアイフルやモビットなどのカードローンに申込んだほうが良いでしょう。
個人事業主のカードローンの金利は経費になる?
個人事業主の場合、カードローンの金利の支払いは経費として計上することができます。経費として計上すれば、それだけ所得が減るので節税効果を得られます。
ただし、前述の通り所得が減るとカードローンの審査に受かりにくくなることについては留意が必要です。また、経費にできるのは事業性資金の金利のみで、プライベートで受けた融資の金利は対象にならないので注意が必要です。
ローンが1契約しか無いと事業用と個人用の区分けが難しくなるので、できれば事業用ローンと個人用ローン、資金使途ごとに別々に契約することをおすすめします。
何にせよ返済額は無理のない範囲で
個人事業主でも会社員でも、過度な借り入れは危険です。利用限度額いっぱいまで借りるようなことは慎みましょう。