年収250万の人は、一般的に低所得者と呼ばれる層の中に入っています。
低所得者(貧困層)という言葉には、明確な基準があるわけではなく、「年収300万円以下は貧困層だ」、「年収400万円以下は低所得者だ」などと言う人もいます。
低所得者と貧困層は同じ意味で使う人もいれば、使い分けている人もいます。
明確な定義はないものの、年収300万円くらいが低所得者になるラインとなるという意見が多くなります。
年収250万円の人は、低所得者のラインである年収300万円よりもさらに50万円も年収が低い状態なので、生活はかなりギリギリになってしまっている人も多いかもしれません。
ここでは、男女問わず、年収250万円前後の人が、そこから抜け出す方法について紹介します。
所得格差が広がっている
年収300万円の人は、所得税や住民税、社会保険料などを差し引くと手取りが250万円くらいとなります。「手取りが250万円」というのも、低所得者かどうかを分けるラインです。
平成26年の国税庁調査によると、年収300万円の人の割合は4割を超え、さらに増加傾向にあるようです。
昔は、国民の多くが中間層であり、年収400万円~700万円くらいを得ていたと言われています。
現在は、所得格差が広がっており、年収300万円以下の低所得者と、年収700万円以上の人とに、分かれている傾向があるようです。年収300万円~700万円くらいの中間層の割合が減少しているということになります。
現在はまだ、富裕層、中間層、貧困層のうち、中間層の人もそれなりの割合が存在しています。
しかし、やがては中間層の人が消え、富裕層と貧困層が激しく二極化する時代がやってくるという予測もあります。
所得格差が広がる理由
なぜ所得格差が広がっているかというと、「アルバイトや派遣などの非正規社員の増加」、「女性労働者の増加」、「少子高齢化社会」などが理由としてあげられます。
また、年功序列制が崩壊し、実力主義の社会になりつつあることも影響しているのでしょう。
高卒もしくは大卒で就職をして、一生同じ会社で働き続けて、給料が上がり続けるということは、これからの時代は必ずしも期待できなくなっています。
低所得者の基準とは?
低所得者の基準としては、次のようなものがあります。
・年収300万円以下(手取りが250万円以下)
・住民税世帯非課税
・世帯所得200万円未満の世帯
一般的には、年収300万円以下の人を低所得者と呼ぶことが多いですが、国民の4割が年収300万円以下であるというデータがあるので、多くの人が低所得者と位置づけられてしまいます。
少子高齢化社会
日本は世界に前例のない高齢化社会に突入しました。
世界保健機構(WHO)の定義によると、高齢化社会とは、高齢化率が7.0%を超えた社会のことを言うようです。
高齢化率が14.0%を超えると高齢社会、21.0%を超えると超高齢社会と呼びます。
よく、高齢化社会という言葉を耳にしますが、日本は1970年にはすでに高齢化社会に突入していました。
そして、1994年には高齢社会になりました。2015年9月には、65歳以上の高齢者の割合が過去最高の26.7%となったと総務省が発表しました。
現在は、国民の総人口の4人に1人が高齢者となる超高齢社会です。
高齢者は低所得者に含まれる?
国民の4割が年収300万円以下というのは、「平成26年分 民間給与実態統計調査」のデータが元となっています。
民間企業に勤務する人で、1年を通じて勤務した給与所得者(非正規雇用を含む)4,756万人を対象としてアンケート調査が行われました。
この調査では、およそ1,940万人の人が年収300万円以下という結果になりました。給与所得者を対象にしていますので、働いていない人や自営業の人などは含まれていません。
また、アンケートに協力をしたのは4,756万人なので、労働者全員が調査対象となったわけではありません、実際には、年収300万円以下の人の数は1,940万人よりもはるかに多くなるでしょう。
高齢者でも働いていて給与所得を得ている人はアンケートに回答しています。しかし、65歳以上の高齢者の多くは働いていませんので、22歳(人によっては18歳)~60歳の現役世代の人のうち、およそ4割の人が年収300万円以下であると考えてよいかもしれません。。
高齢者には年金がある
高齢者の中には、土地や家、貯金などの資産を持っている人もいますし、十分な年金をもらっている人もたくさんいます。
夫婦合わせて年金が月額50万円という人もいますので、高齢者が必ずしも貧困というわけではありません。
現在の若い人の多くは将来年金がもらえるかどうか不安という人が多いですが、現在の高齢者は約束された年金をしっかりともらっているので、むしろ恵まれていると言えるかもしれません。
もちろん、高齢者の貧困問題もニュースなどでとりあげられていますので、すべての高齢者が裕福というわけでもありません。
しかし、現在20代~40代くらいの人たちが高齢者になった時には、さらに状況が悪くなっている可能性があります。
将来はもっとヤバい?
2025年問題とは
2025年問題というのは、第1次ベビーブーム(1947~49年頃)に生まれた約800万の人達(団塊の世代)が全員75歳以上の後期高齢者になる問題です。
65歳以上の高齢者はまだまだ元気な人もたくさんいますが、75歳以上になると介護が必要になる割合が増加します。
ただでさえ若い労働力は不足するのに、親の介護のために離職をする若者も増えてしまうと予想されています。
年金も不安?
団塊の世代の人達は、その多くが中間層でした。すなわち、年収400万円~700万円くらいを得ていた人達です。昔は派遣社員という制度もなかったので、ほとんどは正社員として働いていました。
2015年には団塊の世代の人たち全員が65歳以上の高齢者になりましたが、それなりの金額の年金が支払われています。
ここで、低所得者の問題に戻りますが、現在は労働者の4割が年収300万円以下の低所得者です。
この4割の人は、将来受け取れる年金の金額も少ないものになる可能性が高いです。
年金には国民年金と厚生年金がありますが、厚生年金の金額は給料に比例して上がっていくからです。
現在生活が苦しいだけでなく、老後に受け取れる年金も少なくなります。老後の生活が不安な人も多いでしょう。
2025年問題に向けて国はさまざまな政策を出すことが予想されますが、私達国民も、一人一人が努力をしなければなりません。
住宅ローンは組める?
老後にマイホームを持っているかどうかは、天と地ほどの差があるという意見もあります。
老後は賃貸契約も難しくなります。今の時代は人口に対して物件の数が余っており、将来はもっと余るという予想もありますので、選ばなければ賃貸アパート・マンションは借りられるでしょう。
しかし、毎月の賃料を払い続けるのと、マイホームに住んでいるのではやはり天と地ほどの差ができるかもしれません。
年収250万円の人は住宅ローンを組むことも難しくなります。住宅ローンの借入額の目安は年収の5倍などと言われていますので、頭金をたくさん用意できれば、住宅ローンは組めるかもしれません。
例えば、頭金を1000万円用意して、1200万円のローンを組むのであれば、2200万円の家を購入できます。
中古物件を購入して、リフォームをして住むことでコストを節約するという方法もあります。
このように、住宅ローンを組めないわけではないですが、ハードルは高めです。
なぜ年収250万円から抜け出せないのか?
現在日本がどのような危機に直面をしているのかを把握した上で、なぜ年収250万円から抜け出せないのかという具体的な問題を考えてみます。
年収が低い理由はさまざま
年収250万円の人でも、現在の収入に満足をしている人もいます。例えば、子供が一人いるが、夫が年収800万円なので、十分に豊かな生活ができるといったケースです。
しかし、どちらかといえば、そのような人は少数派でしょう。多くの人は、もっとたくさん稼ぎたいと考えているはずです。
なぜ年収が低いのかを考えてみる
年収が低い理由としては、さまざまな理由が考えられます。
・学歴が低い
・資格を持っていない
・能力が足りない
・やる気・熱意がない
「会社が中小企業だから」と言う人がいますが、日本の企業の99%以上は中小企業ですので、会社が大企業でないことを言い訳にするのはよくありません。
学歴は関係ない
学歴に関しては、考えても仕方がない部分です。日本は学歴社会と言われている部分がありますが、「学歴を問わない」求人もたくさんあります。
また、「高学歴の人は親の敷いたレールの上を歩いてきたので、柔軟性がない」などと、企業から批判を受けることもありますので、必ずしも高学歴が有利とは限りません。
最近では高学歴の人がフリーターをやっていて、ワーキングプアになってしまっているという話もよく耳にするようになりました。
奨学金をもらってまで大学へ行ったのに、正社員になれず、奨学金が返せなくなる人が増えていることが社会問題となっています。
必ずしも学歴があることが、高い年収を得るための条件ではありません。
資格をとることで現状打破できるケースもある
20代後半くらいになると、学歴は資格はほとんど関係なくなると言われています。社会人としての経験を5年~10年近く積んできているので、社会人としての経験が一番重要になります。
有名大学の大学院を出ている、日本に保有者が数人しかいない超難関の資格を保有しているといったケースのように、例外もあります。
資格をとることで、状況が大きく変わることもあります。例えば、運転免許を持っていない人なら、取得すれば地方で正社員として働ける可能性が上がるでしょう。
地方ではアルバイトをするにも運転免許が必要であると言われていますので、それまで免許を持っていなかったことが原因で就職できなかった人なら、大きく状況が変わることもあります。
一番重要なのはやる気
20代の若い人の場合、選ばなければ正社員になれる可能性は高いです。「若さ」という1つの大きなアピールポイントを持っているので、もう1つ、やる気・熱意というアピールポイントを身につければ、正社員になれる可能性はグンと上がるでしょう。
30代の人でも、やる気や熱意があれば採用するという企業は多いです。ネガティブな気持ちは周囲に伝染してしまうので、企業はそのような人は雇いたくありません。
やる気や熱意に満ち溢れていて、ポジティブに物事を考えられる人は、それだけでも企業が採用したいという人材になります。
20代前半の人はあわてる必要はない
20代前半の人は、年収250万円でもあわてる必要はありません。
新入社員の平均賃金は、高卒の人で16万円~18万円程度、大卒の人で18万円~20万円程度です。さらにボーナスがついても、中小企業なら年収が250万円くらいになるかもしれません。
20代前半の人はこれから給料が上がっていきますので、あわてる必要はありません。
しかし、安心しきっていてもいけません。
自分の将来をよく考えて、転職をしたほうが将来の収入が上がりそうなら、キャリアアップのための転職を目指しましょう。
20代前半の人で、「自由を得るため」、「まだ自分探しをしていたい」といった理由でフリーターをやっている人は、早い段階で正社員になることを考えましょう。
20代前半なら条件にこだわらなければ正社員になるチャンスはたくさんあるはずです。
正社員から正社員への転職は比較的容易であると言われています。多少条件が合わなくても、まずは正社員になって、しばらく経験を積んでから転職を考えるのが良いでしょう。
50代でどれだけの差がつく?
20代のうちに正社員になっていると、50代の頃には給料が2倍以上になっている可能性が高いです。
厚生労働省が発表している平均賃金のデータによると、50代前半の男性で、正社員として働いている人の平均賃金は40万円程度になります。
一方、50代前半で非正規社員(アルバイト、派遣、契約社員など)として働いている男性の平均賃金は20万円程度です。
実に2倍の差がついています。非正規社員として働いている場合、賃金はほとんど上がりません。この賃金にはボーナスは含んでいませんので、ボーナスも含めると、もっと差はついています。
転職エージェントを活用することで貧困から抜け出せる可能性がある
若い人で、やる気があるのに希望の仕事になかなか就けないという人は、求人探しの方法を間違えている可能性があります。
求人サイトのデメリットとは?
求人サイトにはたくさんの求人が掲載されていることがメリットですが、求人の数が多すぎて、自分に合った求人を探しにくいというデメリットもあります。
就職は結婚と似ていると言われていることがありますが、結婚をするにしても、パーティーに参加したり、結婚相談所に登録をしたり、自分から出会いを求めなければ良い相手とはめぐり合えません。
就職活動をする時、たくさんの求人の中から自分に合った求人を見つけることが面倒なので、10分~30分程度探しただけで、良さそうだと感じたところに応募して、就職先を決めてしまう人もいます。
本当は正社員になれる実力があるのに、求人探しが下手なために、あるいは面倒なために、フリーターをやっている人もたくさんいます。
転職エージェントを活用しよう
転職エージェントは企業がコストを負担しているため、完全無料で利用ができます。
キャリアを持っている人が利用するサービスであるというイメージがありますが、20代~30代前半くらいのフリーターの人が正社員の仕事に就くことを支援くれるような会社もあります。
非公開求人の中にあなたの希望のものがあるかも?
転職エージェントのメリットの1つに、非公開求人を紹介してもらえるということがあります。
非公開求人といってもケースバイケースですが、中にはとても条件が良く、普通に求人を公開していたら応募者が殺到してしまうような求人もあります。
必ず登録しておきたい転職サイト
転職活動をする人が必ず登録しておきたいのが、DODAです。
DODAは最大手の転職サイトの1つであり、求人数がとても豊富です。
DODAの転職エージェントサービスでは、キャリアアドバイザーと採用プロジェクト担当の2人の担当者があなたを徹底サポートしてくれます。
転職サイトは最低でも4社に登録すべきであると言われていますが、求人数が多く、転職エージェントサービスもあるDODAのような転職サイトには必ず登録しておきたいところです。