結婚をした後に借金が判明したら、別れるというのが1つの選択肢です。結婚をしたカップルの3組に1組は別れる時代と言われているので、バツイチになってしまったからといって、昔と比べると世間の目は厳しくはないでしょう。
むしろ、一度結婚をしている分、バツイチのほうが信用できると言う人もいます。
結婚相手に借金があったとき、別れたほうが幸せになれるのかどうかは、だれにも分からない問題です。しかし、弁護士に相談だけでもしておいたほうが、幸せな人生を送れる可能性は高くなると考えられます。
借金の有無はなるべく結婚前に確かめておきましょう
結婚をするとき、コミュニケーションをよくとっている間柄ならば、お互いの貯金や借金の有無についてはよく把握していることでしょう。
しかし、消費者金融からの借金などは、あまり人に知られたくないので、隠しておくという人も多いと思われます。
それが50万円程度ならばまだよいですが、100万円、200万円ものお金を消費者金融から借りている場合には、結婚後の生活にも大きく影響をしてしまう可能性があります。
1つの基準となるのが、クレジットカードです。ゴールドカード、プラチナカードなどのように、ステータス性の高いクレジットカードをもっている人は、クレジット会社からステータスを認められたという証なので、一定の信頼はあります。
また、自動車ローンを信販会社からではなく、銀行から借りているという人は、銀行の厳しい審査に通ったということなので、一定の信頼があります。
いずれにしても、結婚をする前にしっかりとコミュニケーションをとっておき、相手の経済力などは把握しておくようにすることが大切です。
恋愛と結婚は違います。その理由の1つが、お金の問題にあります。お金がなくても恋愛はできますが、結婚をして子供を育てていくのは難しいです。
結婚前、相手に借金があったらどうする?
結婚相手に借金があったとしても、結婚をしてはいけないというルールはありません。借金があっても、幸せになれることはあります。
結婚相手が抱えている借金がどのようなものなのかにもよります。
2、消費者金融からの借金
3、学生時代に借りていた奨学金
4、銀行カードローンやフリーローン
1のクレジットカードについては、だれもが利用しているものです。1億円の貯金がある人でも、クレジットカードでショッピングをすることはあります。
しかし、クレジットカードのショッピングは、一括払いでは手数料が無料なので、お金がある人は一括払いで支払います。リボ払いも借金であり、手数料はカードローン並に高いので、リボ払い残高をためている場合には、やや注意です。
2の消費者金融からの借金については、言うまでもなくリスクがあります。消費者金融で借りている人は、銀行やクレジット会社からの借金を返すために、消費者金融から借りるという自転車操業に陥ってしまっていることもあります。
銀行カードローンの審査に通らないため、消費者金融で借りるしかないという状況になっていることもあるので、要注意です。
3の奨学金は、金利が1%~3%程度なので、正社員で働いていて、安定した収入がある人なら、あまり気にすることもありません。大学で勉強をして、将来のための投資をしていたということなので、一定の信頼はあります。
4は、銀行でカードローンやフリーローンを借りているならば、安心ができます。無理のない金額を借りているのなら、それほど心配をする必要はないと思われます。
借金が収入に対して無理のない金額なら大丈夫
例えば、消費者金融から50万円を借りていても、年収が1000万円ならば、大きな問題でもないでしょう。高収入を得ている人は、生活レベルも高いため、一時的に借金をすることもあります。
重要なのは、借金が収入に対して無理のない金額であるかどうかです。若い頃は特に、自分への投資をすることもあります。自分へ投資して、それが将来何倍にもなって返ってくるなら、むしろ正しいお金の使い方と言えます。
結婚後に借金が判明してもあわてない
結婚後に借金があることが判明しても、あわてずに冷静に対処をすることが大切です。
結婚をしたからといって、結婚をする前にお互いが持っていた資産が共有になるわけではありません。夫の借金は夫のもの、妻の借金は妻のものと考えましょう。
しかし、夫婦は経済的一体となっていることが多いので、全く影響しないというわけでもありません。配偶者の借金の返済義務はありませんが、生活に使えるお金、子どものために使えるお金が減ってしまうかもしれません。
借金の返済に困った夫もしくは妻が、子どもの教育資金を使ってしまうことも考えられます。
共有となる借金とは?
結婚前にあった借金は共有となることはありませんが、結婚後の生活の中でできた借金は共有となることがあります。
例えば、子供の教育のためにした借金、生活費、水道光熱費のためのした借金などは共有となります。ギャンブルやキャバクラで作った個人的な借金は共有とはなりません。
借金の金額によっては債務整理をしてしまおう
借金の金額によっては、配偶者に債務整理をすることを提案してみましょう。
任意整理
任意整理をすると、将来の利息を全額カットできます。消費者金融のように、金利の高いところから借りている場合には、大きなメリットが出るでしょう。
個人再生
個人再生をすると、元本までも大きく減額することができます。個人再生は資産を没収されないということもメリットです。住宅ローンの特別条項を利用すれば、マイホームも残せます。
自己破産
借金の金額が大きい場合には、自己破産をするのがよいかもしれません。自己破産をすると資産はすべて没収されますが、没収されるのはあくまで債務者本人の資産です。
妻が自己破産をしても、夫名義の車などは没収されません。
ブラックリストにのるのは本人だけ
債務整理をすると、ブラックリストにのりますが、あくまで本人の信用が落ちるというだけです。しばらくは借金ができなくなるので、良い薬になるかもしれません。
夫が債務整理をするときには、家を買うための住宅ローンの審査に通らなくなったり、結婚生活に大きな影響が出ることもあります。
離婚は最後の手段に
このように、配偶者に借金があってもなんとかできる方法がありますので、きちんと対処をすれば、生活に大きな支障がでるようなことはありません。
借金があるだけでは法律上の離婚原因にはあてはまりませんので、夫婦で協力をして乗り越える努力をしてみましょう。
借金を作ってしまった相手のほうから離婚を切り出してくる可能性もありますが、「夫婦で協力をして乗り越えようよ」と提案してみるのがよいでしょう。
離婚をしたほうが幸せになれるの?
結論から言うと、相手に借金があるからといって、離婚をしたら幸せになれるとは限りません。それまで専業主婦をやっていた女性の場合、ブランクがあるので就職活動は難航するかもしれません。
シングルマザーの場合、子育てとの両立があるため、正社員になるためのハードルはさらに上がります。
相手に借金があっても、結婚生活を続けたほうが安定した生活が送れることもあります。
弁護士に相談をしてみましょう
離婚をするなら、まずは離婚問題に強い弁護士に相談をしてみましょう。相談だけなら、初回は無料という法律事務所も多いです。
法テラスでは、一定の資力条件を満たしていれば、1つの事案につき3回まで無料で相談ができます。3回あれば、理想の弁護士が見つかる可能性もそれなりに高いです。