ハローワークで転職できる?ハローワークのメリットやデメリットを紹介

転職したいとき、新しい仕事を探したいとき、真っ先に思い浮かぶのはハローワークだと思います。ハローワークはその名の通り、失業者や転職者を対象に求人情報を紹介、斡旋している団体です。

ただ、ハローワークってあまりいい噂を聞かないですよね。本当に条件がいい仕事を紹介してくれるのかな・・・?と不安になったりもします。紹介された会社に就職したら、聞いていた労働条件と全く違った、なんて愚痴を聞いたことがあるのではないでしょうか。

ハローワークを使って希望通りの仕事を見つけるためには、まずハローワークがどんな場所
であるか、どう利用するのが賢いのかを知っておく必要があります。

また、最近は転職エージェントの存在が一般的になってきて、ハローワーク以外でも転職情報を知ることができるようになってきました。

こういったサービスと比較したとき、ハローワークにはどんなメリット、デメリットがあるのでしょうか?このことについても解説していきますね。

ハローワークはどんな場所?

ハローワークに行けば仕事を紹介してもらえる、そんなイメージを持っている人が多いと思いますが、ハローワークの役割はそれだけではありません。

実際、ハローワークは初めて訪れた人にいきなり職を紹介するようなことはしません。まず職務経歴票や履歴書を書き、どうして今の仕事を辞めたいのか、辞めたあとどうしたいのか、などの相談や簡単な面接からスタートします。

相談員によってはとても親身になって話を聞いてくれ、場合によっては1時間以上相談に乗ってくれることもあります。その中で、自分は本当に転職したいのかという気持ちを整理することができるでしょう。

そして相談が終わったあとでも転職したいという気持ちがあったならば、ハローワークの人は進んで仕事を紹介してくれます。逆に、今の仕事を続けてみては?とアドバイスされることもあるようです。

また、今の職と全く関係ない業務に就きたいと考えているのなら、職業訓練を検討してみるのもよいでしょう。無料で専門家から指導を受けられるうえ、条件さえ満たせば国からの給付金をもらいながら訓練に通うことができます。

ハローワークはただ職業紹介する場所ではなく、その人に合った仕事はなんなのか、本当に転職すべきなのかについて一緒に考えてもらえる場所なのですね。

ハローワークを上手く利用するには?

お話ししたように、ハローワークではまず相談からスタートします。そのため、あらかじめ自分がやりたい仕事や、将来のビジョンをはっきりさせておけば、相談もスムーズに進み、より自分に適した仕事を紹介してもらえるでしょう。

もちろん、あいまいなイメージでも構いません。そのイメージを人に話せば、自分の中ではっきりしてくるものがあるはずです。

一番よくないのは、やりたい仕事もとくにないけど、なんとなく転職したいからハローワークに行ってみる、というものです。

これではハローワーク側もその人に向いている職なんて紹介しようがありませんし、そもそも熱意のない人間に条件のいい仕事を紹介しようとは思わないはずです。

その結果、ダラダラとハローワークに通うだけになってしまい、ただ時間を浪費することになってしまうでしょう。まずは目的をハッキリさせてから、ハローワークに行くことをおすすめします。

ちなみに、初めてハローワークに行く際には予約は必要ありません。空いていれば待ち時間なしで対応してもらえますし、混んでいれば役所や銀行のように、整理券を受け取って自分の順番を待つことになります。

持ち物もとくに必要ありません。強いて言えば、メモ帳を持っていくと便利かもしれません。

ハローワークのメリットは?

最近は転職の際に、「リクナビNEXT」や「DODA」といった転職エージェントを利用する人も増えてきました。これらは転職のプロが相談に乗ってくれたり、仕事を紹介してくれたりするため、転職サービスとしての質はこちらのほうが上かもしれません。

ただそれでも、ハローワークを利用するメリットはあります。以下でそのメリットについて解説していきますね。

地元での求人情報が多い

ハローワークの理念の中に、就職の際にできるだけ引っ越しが必要ない仕事を紹介する、というものがあります。これは職業安定法という法律の中にも明記されており、各ハローワークはこの理念に則って仕事を紹介しています。

転職の際に引っ越しする必要がないのは大きなメリットです。引っ越し自体が大変というのももちろんですが、せっかくできた人間関係をリセットしたくないという人も多いでしょう。

転職エージェントで紹介される仕事は、やはり都心部に集中しています。地方のほうでもあるにはありますが、かなり選択肢が絞られてしまうでしょう。

また、ハローワークのほうが求人情報が多いため、さまざまな情報をチェックできるというメリットもあります。ハローワークに求人情報を載せるのは基本的に無料なため、多くの企業が掲載依頼を出しているのですね。

転職エージェントは利用者の費用が無料な代わりに、企業に報酬をもらう仕組みになっています。そのため、経営資金に余裕がない企業は転職エージェントに応募しづらいのです。

そのぶん、非公開求人が転職エージェントには存在するという利点もあります。ですから、ハローワークと転職エージェントにはそれぞれの強みがあると考えておきましょう。

どんな求人情報があるのか、それをチェックするだけでもハローワークを訪れてみる意味があると言えるでしょう。

自分のペースで仕事を探せる

転職エージェントとしては、なるべく早めに転職を成功させたいと考えています。先述したように、転職エージェントは利用者から利用料を受け取りません。転職を成功させて初めて、転職先の企業から成果給として報酬をもらえるのです。

そのため、転職エージェントに登録すると少し驚くようなスピードで手続きや書類選考が進んでいきます。もちろん、それが転職エージェントのメリットなのですが、自分のペースで仕事を探したい人にとってはせわしなく感じるかもしれません。

また、転職エージェントはボランティアではなく民間企業ですから、転職への熱意が感じられない人への対応はだんだんおざなりになっていきます。

営利団体ですからこれは仕方ないのですが、利用者にとってはプレッシャーを感じてしまうこともあるかもしれません。

対して、ハローワークでは誰かに急かされることもないので、じっくり自分に合った仕事を探すことができます。たまにハローワークの担当者から連絡が来ることもありますが、転職を急かすわけではありません。

転職のことをぼんやり考えている段階なら、まずはハローワークを訪れて求人検索を行い、求人票を眺めてみるのもいいかもしれませんね。

ハローワークのデメリットは?

転職エージェントと比べると、やはりサービスの質は数段劣ります。他にもデメリットがあるので、それらについて知っておきましょう。

紹介されている仕事の求人条件が正しいとは限らない

恐ろしいことに、ハローワークに掲載されている求人情報の労働条件は必ずしも本当だとは限りません。いざ入社してみたらとんでもないブラック企業だった、なんて口コミはネット上を探せばいくらでも出てきます。

そもそも、ブラック企業はハローワークに掲載依頼できません。労働基準法に違反している企業の求人は載せないことになっているためです。

ただ、ブラック企業が労働条件を偽って掲載を応募していることがあるようです。ハローワーク側も全ての企業の労働条件まではチェックできませんから、こうしてブラック企業の求人がハローワークに掲載されてしまうのですね。

もちろん、騙されて入社してしまった人からの告発があれば、次回からはその企業の掲載依頼は弾かれるでしょう。しかし残念なことに、世の中には多くのブラック企業が存在していますから、どうしてもある程度は求人情報が掲載されてしまいます。

厄介なのは、こういったブラック企業の求人を見抜くのは非常に難しいことです。こちらとしては掲載されている情報を信じるしかありませんから、そこで嘘をつかれてはどうしようもありません。

有効な回避方法として、長期に渡って何度も見かけるような企業名の求人には申し込まないというものがあります。

何度も求人を出すということは、短期で辞める人が多いんだろうと推測できますね。こういった企業はブラックである可能性が高いですから、申し込まないのが正解です。

また、中小企業や零細企業だからブラック企業であると決めつけないことも大切です。中小であってもホワイト企業はたくさんあります。ホワイト求人を自分から捨ててしまうのはとてももったいないですよ。

ただ、これらを意識してもブラックを100%回避することは難しいでしょう。その点、転職エージェントではブラック企業を徹底的に排除していますから、運悪くそういった企業に入社してしまうリスクを大幅に減らすことができます。

担当者の質にバラつきがある

ハローワークの担当者の中には、お世辞にも質が良いとは言えない人もいます。そういった人にあたってしまうと、相談も適当になってしまい、わざわざハローワークに行った意義を感じられないかもしれません。

もちろん、素晴らしい担当者もたくさんいますから、相談に行く意味がないわけではありませんよ。

ただ、こちらで担当者を選ぶことはできませんから、良い担当者にあたるかどうかは完全に運任せになってしまいます。

この点に関しては転職エージェントもそうなのですが、こちらの場合は担当者の質が一定以上のレベルで均質化されていますから、誰になってもある程度の質は担保されていると言えるでしょう。

また、同じ担当者にずっとついてもらえるわけではないため、行くたびに何度も同じようなことを聞かれ、面倒に感じるかもしれません。

ハローワークと転職エージェント、どちらを利用すべき?

結局、どっちを使ったらいいの?ということなのですが、一度両方使ってみる、というのが一番賢い選択かもしれません。

やはり自分で体験してみるのが一番ですし、その結果、自分にはどちらが合っているかもわかるでしょう。

ただ、ハローワークは土日は休みなうえに、平日も17時から19時くらいに閉まってしまうので、仕事がある人にとっては少し利用しづらいかもしれません。

転職エージェントならネット上から申し込みできますし、多くの手続きがネットを介してできるので、忙しい人でも利用しやすいでしょう。

まずは転職エージェントに登録してみて、転職に関してのアドバイスをもらってみてはいかがでしょうか?自分の市場価値をチェックしてみれば、転職への熱意がさらに高まるかもしれませんよ。

まとめ

あまりいい評判を聞かないハローワークですが、上手く利用すれば条件のいい求人を見つけることは十分可能です。ただ、受け身で利用しようとすると、ただ時間を浪費するだけになってしまうでしょう。

どうして転職したいのか、どんな仕事をしたいのか、これらについて自分の中で答えを見つければ、ハローワークでも転職エージェントでも希望にあった求人を見つけやすくなるはずですよ。