お金持ちになるには「お金に働かせる」という考え方が必要

皆さんはお金持ちになりたいと思いますか?お金持ちになりたくないという方にとって今回の記事は何の役にも立たないでしょうから、お早めにブラウザバックすることをおすすめします。

一方、お金持ちになりたいけれど、その方法がわからないという方はぜひ記事を読み進めて下さい。普通に働くだけではお金持ちになれない理由、お金持ちになるための方法を紹介したいと思います。

ただ単に働くだけでは永久にお金持ちにはなれない

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世の中には少しのお金持ちと、多くの中間層と、少しの貧乏な人がいます。お金持ちの層にいる人と、中間層にいる人は一体何が違うのだと思いますか?

家柄、運、才能、努力など、いろいろな要素が思いつくかと思いますが、一番の違いは稼ぎ方です。中間層にいる人は自分で働いていますが、お金持ちの人は自分で働くだけでなくお金にも働かせているのです。

自分で働くとは、言い換えれば労働力を売ってお金を得ることです。最も堅実に稼げる方法であることは間違いありませんが、そのかわり稼げる額はたかが知れています。

キャリアを積んで出世すれば、それなりに稼げる金額も増えるのでしょうが、普通に会社員、もしくは公務員として働き続けても、せいぜい小金持ちになるのが限度でしょう。

お金を働かせると、効率よくお金が増えていく

一方、お金持ちは自分で働くだけではなく、お金にも働かせています。お金に働かせるとは、要するに資産を運用することです。株式、債券、不動産……こうした資産をお金で買って、それを運用することによってお金を増やしているのです。

どちらが正しいとか、どちらが上とかそんなことをここで言うつもりはありません。ただ、一般的にお金を働かすことによって得られる平均収益(資本収益率)は、労働によって得られる平均収益(経済成長率)を上回ります。

つまり、お金に働いてもらったほうが、自分で働くよりも効率的に稼げるのです。お金持ちと中間層では、稼ぎ方が違うのです。

資本収益率のほうが高いのは不公平か?

このような現状は不公平であるという人がいますが、私は別にそうは思いません。資本収益率が経済成長率よりも高くなることは、至って健全なことであると考えます。

もし仮に経済成長率が資本収益率を上回ったら、どんな減少が起こるでしょうか。このような環境下では、おそらく投資をする人はうんと減るはずです。投資が減れば国民所得は減少するので、経済成長率は落ち込みます。

投資が少ない中でも商売をするとなったら、労働者自らが商売にあたって資本を準備するしかなくなります。つまり、労働者もリスクを負わされるわけです。

逆に現状のように資本収益率よりも経済成長率のほうが高ければ、投資が活性化するので国民所得が増え、経済成長率は上昇します。

資本収益率はもっと高くなるので貧富の差は拡大するかもしれませんが、経済成長率が高ければ低所得者層の生活水準も向上します。全員が貧しくなるのと、貧富の差は広がりながらも全員が豊かになるのはどちらがましか、という話です。

そもそも、労働者は自ら資本を投下するリスクを避けているのですから、そのリスクを背負っている資本家と比べて平均収益率が低くなるのはおかしな話でもなんでもありません。資本家は出資したお金をまるまる失うかもしれないというリスクを負っているのです。

収益率を高くしたければ自らもリスクを背負う以外に方法はなく、そうしたこともせず資本家と同等の収益を要求するのは図々しい話です。

お金に働いてもらうのは、自分で働くよりも遥かに難しい

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自分で働いてお金を稼ぐのは実はそれほど難しいことではありません。どんなに能力が低くても、クビにさえならなければとりあえず毎月の給料はもらえます。

しかし、お金は自分ほど素直に働いてはくれません。こちらがどんなに働いてくれと呼びかけても収益を産まないどころか、赤字を生むなんてのはよくある話です。

平均資本収益率がいくら高くても、その平均を大きく下回ってしまっては意味がありません。しかし、だからといってリスクが少ない働かせ方を選べば、今度は平均資本収益率自体が下がってしまい、それなら労働をしたほうがずっとマシだということになります。

リスクとリターンはトレード・オフの関係にあり、ローリスクハイリターンを選ぶことはできないのです。

資本が多ければ多いほどお金を増やしやすい

お金に思い通りに働いてもらう一番簡単な方法は、資本自体を増やすことです。資本が増えれば資本収益率がそのままでも、リターンの絶対値は大きくなります。

例えば、資本が30万しかない状態で平均資本収益率1%の運用をしても3000円にしかなりませんが、資本が300万円あれば3万円になります。資本が3億円ならば300万円です。資本を増やすことが、お金をうまく働かせる第一歩と言えるでしょう。

資本がいくらあれば一生寝て暮らせる?

一部の人にとってはあこがれの対象である「一生寝て暮らせる生活」。これを資本収益率だけで達成するためには、どうすればいいのでしょうか。世の中にはいろいろな資本の運用方法がありますが、その中でも特に低リスクなのは定期預金です。

定期預金の資本収益率(金利)は預け入れの時点で決定するため、リスクは実質0(倒産によるリスクは除く)です。

定期預金の金利は金融機関によって異なりますが、特に金利の高いオリックス銀行では、1000万円以上の預金で0.20%の金利がつきます。この金利による利息収入だけで寝て暮らすには、いくらの資本が必要になるでしょうか。

まず、寝て暮らすための費用を計算します。仮に1年に係る生活費を360万円(月間30万円)とする場合、資本×0.20%=360万円という式が成り立ちます。500を掛けると、資本=18億円となります。

つまり、定期預金の利息だけで寝て暮らすためには、18億円の資本が必要になるわけです。これはちょっと現実的ではないですね。

多少リスクを取って平均金利1.0%の投資を実現したとしても、資本は3.6億円必要になります。お金にだけ働かせて本人は寝て暮らす、と言うのは実は思った以上に難しいようです。

最初の資本は労働で作るほかはない

資本は勝手に働いてくれて、しかも労働よりも高い収益率を上げてくれる素晴らしいものですが、一つだけ欠点があります。資本その物がなければ働かせることができないということです。親から高額な遺産を引き継げるなど、特別な事情がない限りは、最初の資本だけは労働で手に入れるほかはありません。

資本が資本を生む状況を作るためには、ある程度の労働がどうしても必要になります。労働を否定する人は、いいところにでも生まれない限り、資本家には絶対になれないでしょう。たとえ寝て暮らすのが人生の目的であるという場合でも、最初だけは労働に勤しまなければいけないのです。

お金に働かせるコツは「長く働かせること」

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人間は長時間労働を続けると過労死してしまいますが、お金は何時間、何日、何年連続で働かせても決して過労死することはありません。むしろ長時間働かせれば働かせるほど、大きなメリットがあります。

お金を長時間働かせることの一番のメリットは、毎年の平均資本収益率が高いところで安定しやすくなることです。収益のブレ具合が小さくなる、と言ってもいいかもしれません。

東京証券所1部の上場銘柄全体の値動きを投資期間別に見たデータによれば、1年しか投資しない場合の平均収益率は12.9%ですが、最高72.1%、最低-24.8%になっています。

平均こそ大きくプラスになっていますが、平均から大きくハズレた数値も出やすくなっています。最高値と最低値の差は実に約97%にも達しており、これではとても安定的とはいえません。

一方、投資期間を5年にした場合、平均収益率は11.1%になりますが、最高32.9%、最低-7.3%と上下の幅が狭まります。つまり、平均収益率から大きく逸脱した数字が出にくくなるのです。

10年の場合は平均収益率が10.4%、最高22.8%、最低-3.5%です。そして30年になると平均収益率10.1%に対して、最高12.8%、最低6.8%になります最低の場合でもプラスを達成しています。

このように長期投資には、平均資本収益率を安定させる効果があります。もちろん、平均を大きく上回ることもほぼ無くなるでしょうが、それよりも平均を大きく下回ることもほぼ無くなることのほうが遥かに大きいです。株式投資のような平均資本収益率は高いがそこからのブレも大きい投資は、長期間で取り組むのがコツと言えます。

資本は何に配分すべきか?

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資本はどのように配分していくのが一番いいのでしょうか。この答えは人によって異なります。人によって人生の残り時間、資本の絶対額、人生の最終目標などは全く異なるからです。

例えば、株式と債券では株式のほうが平均資本収益率も高い代わりに、そこから大きくぶれた結果が出る可能性も高いです。

一方、債券の方は平均資本収益率は株式ほど高くありませんが、そこから大きくぶれた結果が出る可能性も低いです。つまり、債券のほうが平均資本収益率が早い段階で安定しやすいのです。

したがって、時間が余り取れない人、つまり人生の残り時間が少ない人は、債券に資本を重点的に配分した方がいいということになります。また、すでに十分な資本があり、平均資本収益率が低くても十分な利息が得られるという人も、債券に重点的に配分した方がいいでしょう。

逆に若くて時間がまだたくさん取れる人や、資本が十分なくて平均資本収益率を高めないと十分な利息が得られないという人も、株式に重点的に配分した方がいいということになります。

すべての人が資本を運用する必要はないが……

さて、ここまで資本を増やすための手段について考えてきましたが、この方法を全員が見習うべきだとは全く思いません。人にはそれぞれリスク選好というもの上がります。

リスク選好とは簡単にいえば、リスクに対する許容度です。世の中にはリスクを積極的に取りたがる人もいれば、出来る限り回避しようととする人もいます。

資本を運用するというのはある程度リスクを取った生き方です。リスク回避的な人がこういう生き方をするのは向いていません。

そういう生き方をしたくないという人は、無理して資本を運用する必要はないでしょう。労働者として安定した地位を手に入れて家庭を築くのも、仕事に精を出すのも、それはそれで一つの人生です。

まとめ

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  • 会社員や公務員として一生懸命働いても、資本家にはなれない
  • お金には働いてもらうのは、自分で働くより遥かに難しいこと
  • 資本収益率だけで暮らしていくには多額の資本が必要
  • 資本の運用期間を長くすれば、それだけ平均収益率が安定する

資本は長期運用が基本です。若いうちから運用できる資本を築くことが、資本運用の一番のコツなのかもしれません。